クレジットカードなどのキャッシュレス決済では、現金払いと比べて使用してしまう金額が大きくなるという傾向があるそうです。
お金との付き合い方が変化していき、リボ払いや分割払い、キャッシングなどによって支払い能力を超過してしまうなどで債務を抱えてしまうこともあります。
今回はFPに寄せられた相談をもとに、返済に行き詰ってしまった場合の対処法とそのデメリットについて解説していきたいと思います。
目次
想定通りの返済ができない

借金の返済に関する相談には、20代~30代の比較的若い年齢層の方が多くお見えになります。
原因としては主にエステの回数券など、まとめ買いによって割引される物品を購入する際に、カードローンなどを使用しても総合的にはお得であると考えて利用に踏み切ってしまったものの、当初の想定通りに返済を行えず利息が膨らんでしまい、返済のめどが立たなくなってしまったというものです。
債務整理は自己破産だけではない
債務整理と聞くと自己破産を想像されるかもしれませんが、実際には
・ 任意整理
・ 個人再生手続き
・ 自己破産
といった方法があります。
債務の額が少ない場合には調停や任意整理といった方法が採られ、債権者に対して金利や返済期間の見直しなどを提案します。
しかし、実際に返済計画を見直すには債権者との合意が必要であるため、複数の債権者に対して債務を有する「多重債務者」となってしまうと合意の難易度が上がってしまいます。
借金を借金で返す悪循環に陥ってしまう前に債務整理などの相談を行うことが大切です。
また、「自己破産=債務の免責」とはならず、自己破産と債務の免責は個別に審査されます。
このため、ギャンブルや投資の失敗など、債務の理由によっては全額の免責が認められない場合もあります。
債務整理のメリットとデメリット
債務整理を行った場合には、返済の猶予や元金の棒引きなどの優遇を受けられるというメリットがあります。
しかしその反面、返済事故の情報が5年間にわたって指定信用情報機関に記載され、自己破産の場合には官報に記載されて10年間記録が保存されます。
この期間は住宅ローンやマイカーローンの締結はもとより、スマートフォンなども分割購入もできなくなってしまうといったデメリットがあります。
債務整理が将来に影響することも考える

「ボーナスを支払いに充てれば返せるから」
など支払額の割引などでメリットのある利用を考えた場合でも、予定通りに返済を行うことができければ時間の経過とともに利息が膨らみ返済が困難になっていってしまいます。
債務整理はこうした場合に生活を立て直す最後の手段ではありますが、その後数年間にわたってローンを利用することが困難になってしまいます。
特に若年層では、住宅ローンを利用してマイホームを購入することができなくなってしまい、生活設計に大きな影響を及ぼしてしまいます。
債務整理は魅力的な選択肢ですがデメリットがあることも把握して、場合によっては家計の改善などにより返済を満了できるようにしましょう。(執筆者:菊原 浩司)