注文住宅を建てた方の失敗談として多く挙げられるのが予算関連です。
と言う声をよく聞きます。
このように予算オーバーにならないようにするにはどうしたら良いのでしょうか?
今回は理想の家づくりの進め方についてご説明します。
目次
予算オーバーの原因は順番にあり!

家づくりを検討する上で、かかるお金を理解するための大切な方程式があり、
で構成させています。
この方程式の中で、どの項目から順番に検証するかで家づくりの満足度が変わっていきます。
まずは、家づくりをする時にどのくらいお金を使えるのかという「総予算」を割り出すのが重要です。
これは年収や要望などによって異なりますが、ここが決まっていないと始まりませんし、早めに確認しないといけないことは良く理解されています。
2番目に決めないといけないのは何でしょうか?
「土地がないと建物が建てられないのだから当然土地を決めるのが2番目でしょ」という方は非常に多いです。
でも、それは大きな間違いです。
なぜ、良くない選択なのか事例を踏まえてご説明しましょう。
家づくりは土地ありきではありません
例えば、ご自身たちの生活スタイルや今後の子どもの教育費や老後などを踏まえて、家づくりの総予算を5,000万円にしたとします。
土地 2,500万円
諸費用 300万円
その後、憧れのマイホームを夢見て住宅会社に行って建物の要望を余すことなく伝え、出てきた見積もりはなんと2,500万円です。
そうなると、
建物価格 2,500万円
諸費用 300万円
総予算 5,300万円
となり、当初計画から300万円の予算オーバーです。
この時、すでに土地を購入してしまっており当然価格調整はできず、諸費用の大幅なコストダウンも見込めません。
この状態での選択肢は、総予算を5,300万円まで上げるか、建物価格を2,200万円まで下げるかしかありません。
総予算を簡単に上げられるのであればいいですが、300万円は大きな金額です。
また、建物価格を希望額から300万円下げるというのは「あれもダメ、これもダメ」と要望を減らしながらの引き算の家づくりになってしまうので楽しくありません。
これが後悔する家づくりの要因の1つになっています。
土地の前に建物価格と諸費用の把握

失敗しないためには
です。
上記の例であれば、総予算が5,000万円で、その後建物の予算を把握するために住宅会社に行き、自分たちの要望の家が2,500万円だったとします。
そして、諸費用は300万円と住宅会社の方に確認すると、土地にかけられる金額は
ということが分かります。
これを目安に土地を探せば大きな予算オーバーになることはまずありません。
「2,200万円以内で自分たちの要望を出来るだけ多く叶えてくれる土地はどれか?」という明確な土地選びの設定ができます。
これが理想の進め方なのです。
「まず土地を決める」のではなく、「土地を決めるのは最後」という認識を持つことが非常に大切。
つまり、注文住宅を検討する時に最初に行くのは
この点を踏まえると満足度の高い家づくりができるでしょう。(執筆者:1級FP 椎名 隼人)