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【再び狙われる香港ドル】知っておきたい基礎知識と日本人投資家ができること

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【再び狙われる香港ドル】知っておきたい基礎知識と日本人投資家ができること

Bloombergの2020年6月10日のニュースで、

空売りを得意とするヘッジファンドのマネージャー、カイル・パス氏の創業したヘイマン・キャピタル・マネジメントが香港ドルの暴落に賭けたファンドをスタートさせた

ことが報じられました。

カイル・パスはリーマン・ショックの時に空売りで初期投資の資産を7倍にした、空売りのプロです。

空売り」とは、FXの文脈ではショート・ポジションのことです。

最近、米中の国際関係が香港の主権を巡り緊張状態が続いています。

香港は、元イギリスの植民地で中国の1国2制度のもと独立した司法・立法・行政が独立しており、自由の都市の象徴でした。

しかし、香港国家安全維持法によって、実質的に共産党の支配が進むのではないかと危惧されています。

・ 米国は香港に対して資金の引き上げ

・ 香港ドルペッグ制の廃止

などの要因で、香港ドルが米ドルに対して大きく下げるのではないかと、カイル・パスは考えているようです。

カイル・パスのファンドは、香港ドルが下落すれば多額のリターンを得られる代わりに、1年半後に無傷のままなら資金を失うという仕組みです。

香港ドルは歴史的な転換点を迎える中、日本人投資家は何ができるのでしょうか。

最低限、知っておきたい香港ドルの基礎知識

最低限、知っておきたい香港ドルの基礎知識


香港ドルは、ドルにペッグした通貨です。

香港ドルは、1米ドルに対して7.75ー7.85香港ドルの狭いレンジの中でしか値が動かない

ように設定されています。

つまり、香港ドルと米ドルの動きを連動させることで極端な通貨高、通貨安にならないという特徴があります。

香港ドルペッグ制の危機

米国と中国の国際関係の悪化で、米国が香港に対して米ドルの供給を何らかしらの形で制限をかけてしまうと、香港は香港ドルと米ドルのペッグ制を維持できなくなる恐れがあります。

つまり香港ドルが米ドルの動きから離れて大きく動くことになる可能性が浮上してきました。

空売りを得意とするカイル・パスが香港ドルはペッグ制を維持できず大きく価値が下がると予測しているのも、ペッグ制維持が難しくなるからです。

90年代後半、香港ドルはイングランド銀行を破綻させたと言われる伝説の投機王ジョージ・ソロスのショートを失敗に終わらせ、後もヘッジファンドを撃退し続けてきました。

しかし、今後の香港ドルの行く末は分かりません。

日本人が香港ドル関連でするべきこと

日本人の中には中国株(香港上場)に投資をしている方で、

・ 香港ドル建てのキャッシュをもっている方

・ 香港上海銀行に口座をもっている方

・ 香港でビジネスをしている方

など香港ドルに関わりのある方もいるのではないでしょうか。

日本人投資家が香港ドルに対してできることを紹介します。

日本人が香港ドル関連でするべきこと

中国株投資家は香港ドルのキャッシュポジションに注意

まず、香港ドル建てで証券会社に中国株(香港上場)を買い付ける資金がある方は、香港ドルそのものの価値が大きく目減りしないように日本円に戻しておくなど対策をとった方がいいかもしれません。

また、香港ドル建ての香港株も為替リスクがかなり高くなる可能性もあります。

香港ドルFXを使ってヘッジ

香港ドル/円の通貨ペアを扱っているFX業者もあります。

例えば、

マネーパートナーズ

みんなのFX

FXプライムby GMO

など、です。

米ドル/香港ドルの通貨ペアなら、

ヒロセ通商

が日本では知られています。

香港ドル円に対して、

・ FXでショート

・ ロングを駆使してヘッジ

場合によっては、香港ドルの下落そのものに賭けられます。

香港ドルの今後と対応策

香港ドルは、ドルペッグ制が維持できなくなる可能性があり、ヘッジファンドからも狙われています

香港ドルは、国際情勢が不安定で今後の先行きが読みづらいため、香港ドル建ての資産をもっている人は日本円に、いったん両替しておくことで為替リスクを回避できます。

また、香港ドル/円や米ドル/香港ドルの通貨ペアを扱うFX業者でヘッジポジションや香港ドル下落に賭けるポジションもとれます

それぞれの置かれている状況や投資戦略に合わせて、香港ドルに対してできることをしていきましょう。(執筆者:田守 正彦)

《田守 正彦》
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田守 正彦

田守 正彦

フリーランスのWEBライター。教育機関やバンコクの大学で働く傍、海外投資に興味をもち20代の頃から香港やアメリカの証券口座に直接行き、口座を開いて実際に取引をしていました。得意分野は投資・教育・旅行・新しい働き方です。新しい分野にも積極的に挑戦しています。 寄稿者にメッセージを送る

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