お盆は、ご先祖様がわが家に帰ってくる日で、1年で最も死者と生者の距離が近くなる仏教行事です。
この世界に生きる私たちも、いつも以上に亡き人やご先祖様に想いをはせます。
遠方にいる家族や親族が集まって、自分たちのご先祖さまを迎えます。
また、初盆を迎える家では、故人にとってのはじめてのお盆ですから、ことらさ大切に考えられています。
そんなお盆を迎える家にどのようなお供え物が適しているのでしょうか?
最近では、家族葬で葬儀に参列できなかったことを気にする人も多くいます。
そんな人たちにとって、お盆は弔意を示す絶好のタイミングだとも言えます。
初盆のお供え物にはどのようなものが喜ばれるのか、費用相場とあわせて解説してまいります。
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目次
線香・ローソク
最も多く選ばれているのが、進物用の線香やローソクです。
葬儀を終えたばかりの家では毎日のようにお線香を上げますし、法事も控えています。
自分たちではスーパーやドラッグストアにある安価な線香で済ます人も多いからこそ、心を込めて少しばかり上質なお線香をお供えしてみてはいかがでしょうか。
最近では煙の少ないものや香り付けしたものなどラインナップも豊富です。
またローソクも花柄が描かれた絵ローソクや、お菓子や果物をかたどったローソクなどもあり、見る人の心を和ませてくれます。
費用相場は3,000~5,000円。
高価なものでは1万円をこえる高級線香も販売されています。
お花・プリザーブドフラワー
亡き人へのお供え物と言えばお花があります。
葬儀の時には花かごを並べてお供えしますし、仏壇やお寺でもお花のお供えは不可欠です。
ただし、初盆のお供えとしてお花を贈る時は、家族の人たちが扱いに困らないように配慮しましょう。
いちいち花瓶に差し替えなくてもいいので、アレンジメントがおすすめです。
また、夏はお花が傷みやすいため、お供え用のプリザーブドフラワーを贈っても喜ばれます。
費用相場は3,000円~5,000円くらいでしょう。
盆提灯
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お盆には仏間に盆提灯を飾ってご先祖様をお迎えします。
盆提灯は迎え火と送り火の役目を果たし、古くからお盆の風物詩として飾られてきました。
盆提灯は施主が用意することもありますが、親戚や周りの人たちがお供えとして贈る風習はいまでも残っています。
縁側や玄関に吊るす提灯、仏壇のそばに置く行燈、最近ではモダンな仏壇にあわせたコンパクトでモダンな提灯も人気です。
費用相場は5,000~3万円くらいです。
一年でもっとも亡き人との距離が近くなるお盆。
真心こめた贈り物をしたいものです。(執筆者:五十嵐 信博)