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ウォール街の金言
世界の金融の中心地であるウォール街の金言に、次のようなものがあります。
この言葉に、疑いを抱く人はほとんどいないことでしょう。
株式投資において「悪い銘柄」とは「損失を生む銘柄」であり、「良い銘柄」とは「利益を生む銘柄」なのですから、「利益を生む良い銘柄」だけでポートフォリオを作ることができれば、利益が自然に得られるのは当然の道理です。
「言うは易し」株で損をする理由

多くの場合に株で損をする理由は、「良い銘柄」だけを残せていない、つまり
・「悪い銘柄」の比率が高いポートフォリオ
になっているためです。
単に「良い銘柄だけを残す」と聞けば、非常に簡単に思えるでしょうし、これとは反対に「悪い銘柄を残してしまう」ことは馬鹿げたことだと思うことでしょう。
しかし、現実にはこれを実行できない投資家が少なくないのです。
含み損を受け入れられず、損切りを躊躇することが大きな原因です。
含み損がいずれは解消されるかもしれないという希望的観測を抱き、いつまでも「悪い銘柄」を持ち続けてしまうのです。
「悪い銘柄」を残しておくと「良い銘柄」を手放すことに
「悪い銘柄」を残しておけば、パフォーマンスの悪化に拍車がかかります。
なぜならば、「良い銘柄」を手放すきっかけにもなりかねないからです。
たとえば、含み益の出ている「良い銘柄」と、含み損の出ている「悪い銘柄」の両方を持っていたとします。
この時に生活上の理由で現金が必要になり証券口座から資金を引き出そうとしたものの、大部分を投資してしまって出金できない場合には保有銘柄の一部を売却しなければなりません。
さて、ここで「良い銘柄」と「悪い銘柄」のどちらを売却するのかという問題が生じます。
ウォール街の金言で考えるならば
です。
しかし実際には、「悪い銘柄」ではなく「良い銘柄」を売却する人が圧倒的に多いのです。
含み損の現実化を嫌って「悪い銘柄」を残してきた人の心理を考えると、含み益の出ている「良い銘柄」のほうが抵抗なく売却できるため、「悪い銘柄」よりも「良い銘柄」を優先的に売却してしまうというわけです。
その結果、ポートフォリオには「悪い銘柄」の比率が高まっていき、いつまでも利益を得られない状態に陥ってしまいます。
以上のように、
という人が少なくないのです。

「悪い銘柄」を切る意識付け
ポートフォリオのパフォーマンスが悪くて悩んでいる人や、いつまでも利益を得られない人は、まずはともかく「悪い銘柄」を切ってしまい、「良い銘柄だけを残すこと」を意識してみてください。
いつも「良い銘柄」だけの状態に保っておけば好ましい心理状態で投資に望むことができ、また、実際に「良い銘柄」から利益が発生し、パフォーマンスが目に見えて改善するはずです。(執筆者:兼山 艮)