今回は私に突然降りかかってきたワンルームマンション火災という出来事についてお話しします。
といっても火災保険の仕組みなどを解説するわけではありません。
なぜなら私は損害保険の専門家ではありませんし、また、その際の保険会社との交渉はほとんど管理会社に代行してもらいました。
実際のところ、管理会社から説明を受けた部分以外は、私自身は詳しい内容を知りません。
つまり、保険金が新価(再調達価格)分として要求額の満額支払われて、結果的にオーナー側である私の申し出通りになったということです。
そこで、今回は突然襲ってくる火災や火災保険についての心構えなど、私の周辺で起こった出来事を踏まえながら述べていきたいと思います。

目次
ある日1本の電話が鳴った「マンションで火災発生です」
平成25年8月某日、携帯電話が鳴り始めました。
仕事中の私が電話をとると、
「ええっ?」
私はしばらく絶句しましたが、急いでその内容の報告を受けました。
火災は賃借人のタバコの不始末から発生し、台所を中心に火の手があがったとのことでした。
ただし、全体的にいえば「ボヤ」といえる程度で、部屋全体には火災の範囲は及んでいないとのことでした。
私は火災保険に入っていたので、保険会社との連絡状況等を管理会社に聞きました。
しかし、自分がまさか火災に見舞われるとは思ってもおらず、かなり心拍数が上がったのを覚えています。
「保険金は払えない」とはどういうことか
数日後に、また管理会社の担当者から連絡がありました。
ところがその内容は、
とのにわかには信じられない内容でした。
管理会社側が、損害保険会社側と保険金請求の話を開始したところ、どうも賃借人に重大な過失があるので払えないと言っているようでした。
いわゆる免責事項にあたる話です。
いま考えると賃借人が賠償保険に入っていなかったことも、その要因としてあったのかもしれません。
少し冷静になると、後管理会社に次の通り話しました。
(2) 保険会社があくまでもそう主張するのなら、話し合いにオーナーである自分も加えて欲しい。
という趣旨です。
私は電話を切ったあと、次のように考えました。
(2) 賃借人との直接交渉になった場合には、長い協議になるかもしれない。代理人が必要かもしれない。
火災後のリフォームは台所周辺の水回りを中心に、かなりの箇所を修復する必要がありました。
住居の水回り関係のリフォームには費用がかかります。
システムキッチン全体を取り換える必要もあり費用は数百万円単位になるので、そのことでかなりのストレスを感じながら日々を過ごしていました。

「嬉しい知らせ」届く
火災発生から1か月以上経過した9月某日、管理会社から連絡を受けました。
内容は、保険金請求がこちら側の希望の金額通りにできる見込みになりました。
ほっとしたのと同時に、管理会社の担当者にお礼を言いました。
10月から書類上の手続きが開始され、12月に保険金処理がなされ一部見舞金も振り込まれました。
一連の事態を振り返る
今回の話は、あくまで私の周辺で私がわかる範囲で記述したものであり、私の推測が間違っていたり事実と異なる部分があるかもしれません。
専門家ではないので、その辺りはご容赦ください。
結果は必然性があったのかまたは幸運だったのかはよくわかりませんが、仕事が忙しく私が保険会社と直接話すことがほとんどありませんでした。
管理会社がかなり頑張って動いてくれたことは事実であり、管理会社には手続き完了の際に再度お礼を言いました。
進捗状況によっては私自身が保険会社との話し合いに加わる心づもりはできていましたし、日頃から管理会社との連絡を頻繁にとっていました。
こうしたことも管理会社が安心して交渉でき、うまく進められた要因のひとつだと思っています。
実体験からのアドバイス
未熟な私が今回の件で皆さんにアドバイスできることは次の2点です。
(1) 災害時の対応を日頃から考える
災難はいつ降りかかるかわかりません。皆さんの大切な投資用不動産を守るためにも日頃から災害に対する不動産への対応を考えておいてください。
場合によっては自分自身が交渉の輪の中に入る心づもりも必要です。
(2) 火災保険の補償内容を理解する
いまどき投資用不動産に火災保険をかけないことはまずないと思いますが、補償内容を理解しているでしょうか。
かく言う私もそれまではあまり目を通すことがありませんでした。
そもそも約款自体に専門用語が細かい字で大量に記載してあるので、とても詳しく読めるものとは言えません。
しかし、契約時のパンフレットなどを参考にしてある程度は理解しておいた方がよいと言えます。
同時に地震保険も忘れずにチェックしておきましょう。
また、賃借人には「借家人賠償責任保険」等に加入してもらえるよう交渉しましょう。
賃借人の保険で支払いが受けられます。
今回の保険業界のように交渉事は各業界でいろいろな特徴があります。
当初、損害保険担当者がなぜ「支払えない」と言ったのかは今となってはわかりませんが、何事にも粘り強い交渉が必要なことは共通しています。
ただし、1人で解決しようとせず、その業界に詳しい方に相談するなど多方面の協力を得ながら対処するのが賢明です。
あらゆる手を尽くしてあなたの資産を守りましょう。(執筆者:不動産投資歴16年 堀江 優)