「DIY葬」ということばをご存じでしょうか。
DIYとは英語の「Do It Yourself」(自分でやる)の略語です。
つまりDIY葬とは、極力葬儀社の力を頼らずに、自分だけで故人を送り出す葬儀のスタイルのことです。
今にわかに注目されているDIY葬にについて、考えてみましょう。
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目次
DIY葬は圧倒的に安い
葬儀社の力を借りないのですから、DIY葬はこれまでの葬儀プランよりも圧倒的に安く済みます。
最も費用を抑える形で行う方法に直葬(火葬式)がありますが、都心部でも20万円から30万円、地方部でも10万円から20万円の費用がかかります。
この中には、
・ ご遺体の搬送車両
・ ドライアイス
・ 火葬
・ 骨壷
・ 葬儀社の人件費
などの費用で構成されています。
主な費用
DIY葬にかかる主な費用を下にまとめました。
(2) 棺:約2万5,000円
(3) 骨壷:約3,000円
(4) ドライアイス(10kg):約7,000円
(5) 搬送料金(自家用車):無料
(6) 火葬料金:0円~1万円(都心部だと約7万円)
合計:約5万円
1. 死亡診断書発行料金
死亡診断書は病院の医師に発行してもらいます。
遺体の搬送や死亡届に必要な大切な書類です。
発行料金は病院によって異なりますが、5,000円前後が相場です。
2. 棺
いまはAmazonで棺が買える時代です。
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合板製の折りたたみ式のものがもっとも簡便で安いのですが、最近では布張りの棺や刺繍入りの棺なども購入できます。
費用相場は安いもので2万5,000円くらいです。
ただし、注文から発送まで時間がかかることがあります。
棺が到着するまで、ご遺体をそのままにしておかなければならないのがリスクです。
DIY葬にすると決めているのであれば、早めに注文しておきましょう。
3. 骨壷
白無地の陶器のものであれば、3,000円が相場です。
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ただしさまざまなサイズがありますので、あらかじめどのサイズが適当なのか火葬場に確認しておきましょう。
最近では手元供養に使えるおしゃれな骨壷も販売されています。
4. ドライアイス
お住まいの近くにドライアイスの販売店があれば、そこで購入することをおすすめします。
ドライアイスはAmazonでも販売されており、10kg(ご遺体に当てる一回あたりの量の目安)で7,000円が相場です。
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5. 搬送料金
自家用車であれば、搬送料は無料です。
ただし、ご遺体や棺が入る車でなくてはならないため、ハイエースクラスが求められます。
場合によってはレンタカーを借りなければなりません。
また、車内を体液などで汚すわけにはいかないため、
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6. 火葬料金
火葬料金は自治体や火葬場によって異なります。
無理のない範囲で執り行おう
葬儀を格安に抑えるためのDIY葬ですが、自分たちの手で葬儀をやりきることをなによりも喜ぶのは故人様かもしれません。
ただし、リスクもたくさんあるため、実施の際には慎重に執り行ない、無理と思ったらすぐに葬儀社に相談しましょう。(執筆者:葬儀業界12年、1級葬祭ディレクター 五十嵐 信博)