この風潮は、今でも根強く残っています。
でもちょっと待ってください。
今の時代の学資保険は、本当にお金が増えません。
最近は学資保険ではなく、別の商品で貯めていくのがトレンドです。
では、一体どのような商品で大事なお子さまの教育資金を貯めていくのでしょうか。
今回は「学資保険」に注目して記事を書きたいと思います。
この記事を読み終える頃には、学資保険に代わる教育資金準備の方法を見つけられていると思います。
できるだけ分かりやすく書いていきますので、どうぞ最後までお付き合いください。

目次
学資保険に加入する目的
学資保険に加入する目的とは何でしょうか。
九割九分「お子さまの教育資金準備」ではないでしょうか。
つまりは、「銀行にただ預けるよりも増えて欲しい」というのが目的だと思います。
学資保険の人気がなくなってきている理由は、ズバリ「増えない」からです。
保険商品というのはお客さまから預かった保険料(掛け金)を投資に回して利益を得ています。
そこで増やしたお金をお客さまへと還元しているわけです。
その投資先は、基本的には長期国債です。
「昔と比べて国債利回りが上がってきている」という話を聞いたことあるでしょうか。
ないはずです。
長期国債の利回りは下がってきています。
従って、長期国債に投資して得られる保険会社の利益が減ってきており、お客さまに還元できる利益も同様に減ってきているという流れです。
即ち、学資保険に加入してもほとんどお金が増えないということです。
では、どうしたらよいのでしょうか。
答えも簡単で、日本の長期国債ではない商品に投資する商品を買えばよいのです。
しかしながら、ほとんどの方は投資に精通しているわけではないと思います。
学資保険に代わる教育資金準備の商品
そこで、学資保険に代わる教育資金準備の商品を紹介したいと思います。
終身保険
終身保険というのは表向きは一生涯続く死亡保障です。
しかし、その裏側では毎月の掛け金が積み立てられていくという特徴を持っています。
そして、掛け金の払い込み終了後、解約すると解約返戻金が返ってきます。
解約返戻金は、払い込んでいた掛け金の総額よりも多くなって返ってきます。
つまり、貯金ができていたということです。
ただし、払い込み途中で解約した場合には、投入された金額よりも少ないお金しか返ってきません。
いわゆる「元本割れ」ということです。
そこには注意が必要です。
学資保険についても同様のことが言えます。

1. 外貨建て終身保険
この解約返戻金は通常は学資保険と同等レベルですが、ここに外貨建て保険を用いるとどうなるでしょうか。
日本の円建ての保険は日本の長期国債に投資しているという話をしました。
では、外貨建ての保険はどこに投資しているのでしょうか。
お察しの通り、外債です。
具体的には、米ドル建て保険がほとんどですので、アメリカの長期国債に投資しているということになります。
最近はアメリカ国債の利回りも下がってきていますが、それでも日本国債よりは高いです。
米国債の力を借りてお子さまの教育資金を準備しようということです。
この外貨建て終身保険のメリットとデメリットを簡単に紹介します。
外貨建て終身保険のメリット
・ アメリカ国債に投資しているため、円建て商品よりも返礼率が高くなる。
・ 確保できる死亡保障が円建て商品よりも高くなる。
外貨建て終身保険のデメリット
・ 為替リスクがある。
・ 為替手数料がかかる。
ちなみに、為替リスクはデメリットだけではなく、メリットとして働くこともあります。
単純に「安定的に増やす」という観点であれば十分に競争力のある商品なので、気になる方はぜひ検討してください。
2. 投資信託
「つみたてNISA」や「ジュニアNISA」といったいわゆる投資信託も人気の商品です。
投資信託というのはその名の通り、信じて託すということです。
プロが運用するファンド(基金)に投資し、利益が出ればお金が増えるという構造です。
ファンドにはさまざまな種類があり、大まかに言うと
・ 日本債権ファンド
・ 世界株式ファンド
・ 世界債権ファンド
・ バランス型ファンド
等々です。
「どのファンドにいくら投資するか」は基本的には皆さまの自由です。
投資の結果、利益が出た場合には課税されますが、そこが非課税になるのが「NISA」です。
「NISA」というのは、決められた期間、決められた投資金額までに対して、運用利益が出ても非課税というお得な制度です。
その期間、金額、そして投資できる商品等の違いで「一般NISA」、「ジュニアNISA」、「つみたてNISA」などに別れています。
最近流行りの「iDeCo(イデコ)」もこの一種です。
それぞれに細かい違いはありますが、どれも「投資信託である」ということに違いはありません。
投資信託ですので、保険と違ってお金が増えることもあれば減ることもあります。
「お子さまの教育資金が必要な時にどうなっているかは誰にも分からない」という点が最大のネックと言えるかもしれません。
ただし、「世界株式ファンド」を選択した場合には、過去の例からすると長期的にはプラスになっています(10年以上積立を継続しれた場合)。
・ 途中で解約するとマイナスになる保険は使いたくない
・ 死亡保障は十分に確保できている
・ 資産運用に興味がある
という方には人気の商品です。
学資保険とは違った面白みが多々ありますので、検討に値すると思います。(執筆者:FP歴10年 冨岡 光)