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コロナショックからいち早く立ち直った超優良ETF「QQQ」

コロナショックにより世界中の株式が大暴落しました。
NYダウ平均株価はコロナショック前は絶好調で一時2万9,500ドルを超える史上最高値を付けるほどでしたが、ウイルスがどんどん拡大していくにつれ株価は急落し、1万8,600ドル付近まで約37%の大暴落となりました。
日経平均も同様で、2万3,500円付近から1万6,500円まで約30%の下落となり、2009年ごろから始まったリーマンショックに近い打撃となっています。
今では経済活動の再開に伴い少しずつ株価も回復していますが、世界各地でコロナ前の85%ほどまでしか回復していません。
そんな中、すでに6月頭にはコロナ前の水準を回復し、成長を続けている米国株ETFの「QQQ」があります。
この「QQQ」は、暴落に弱いと言われるハイテク分野の銘柄を中心に投資をしているファンドになりますが、今回の相場では様子が違いました。
そこで今回は、コロナショックからいち早く立ち直った米国株超優良ETFの「QQQ」に関して解説していきます。
QQQは超ハイリターンな投資先
「QQQ」の正式名称は「インベスコQQQトラスト・シリーズ1」で、アメリカの「NASDAQ」という世界最大の新興企業向け株式市場に上場している投資信託です。
2020年7月1日時点での配当利回りは0.68%と大きくないので、配当金目当てで持つファンドではありません。
しかし、ここ5年のトータルリターンは19.33%と非常に魅力的なものになっています。
これだけの高いトータルリターンになるのはQQQを構成する銘柄にポイントがあります。
構成銘柄は、
・ マイクロソフト
・ アマゾンドットコム
・ フェイスブック
・ グーグルの親会社であるアルファベット
など、普段から名前を聞くような有名企業ITが並んでいます。
QQQは、この上位5社の構成比率が約45%となっており、高いトータルリターンはこうした企業の株式の値上がりによって支えられています。
実際にアメリカのETF運用総額ランキングでもTOP10に入るほどの人気ぶりで、2010年~2020年の10年間では指数が5倍の額にまで成長しています。
つまり、QQQはこうした資産価値の上昇に期待して選ぶ銘柄です。
QQQには「分散できていない」というリスクがある

高いリターンには高いリスクがつきものです。
QQQの主なリスクになるのは、その投資先がほとんど分散できていない点にあります。
個別の構成銘柄は先ほど述べた5社が半分近く占めているので、どこか1社の株価が大きく下がった時に全体としても大きな影響を受けます。
また業界としてはITとコミュニケーション分野で70%ほどが構成されており、この分野の株価が大きく下がる状況になると非常に大きな打撃を受けることになります。
1990年代後半から2001年ごろまでに発生したITバブルでは、NASDAQの指数で1,000前後だったものが、一時2倍以上の2,000を超えるまでに大きく上昇しましたが、その後のバブル崩壊で再び1,000ほどまで下がったことがあります。
現在は絶好調のQQQですが、今後こうした値下がり局面が訪れることも十分考慮して投資先は選ばなければなりません。
超巨大IT企業の大きな成長に期待して資産運用
QQQは、投資の基本である「投資先の分散」はほとんどできていません。
しかし、そのリスクを取ることで直近5年では19.33%という驚異的なリターンを得られました。
これは仮に100万円をQQQに投資していれば240万円まで値上がりしたということです。
超巨大IT企業の大きな成長に期待し、自分の許容できるリスクをよく考え、しっかり資産を増やせる投資先を選んでいきましょう。(執筆者:佐藤 寛之)