投資を勉強すると「塩漬けは絶対にダメ。損切りできない人は投資に向いていない」という言葉を聞くと思います。
そのため、
「下がった株はそのまま持っていてはダメ?」
と心配する方がとても多いです。
私はチャイナショックの時に、損切りできないまま2年間塩漬けを経験しました。
経験を踏まえて、塩漬けした結果と損切りのタイミングや注意点を解説します。
目次
チャイナショックで相場が大きく下落 その時筆者は

証券会社を退職して、初めて自分で株を売買できるようになった矢先、中国の経済指標が悪化して日経平均が大幅に下落しました。
ですが、当時私は出産間近だったため、相場を見る余裕がなく出産の後も育児と家事に追われ、日経平均がまた下げたという悪いニュースを聞くたびに、
「損切りするタイミングを完全に逃してしまったな」
と、含み損の事を考えては暗い気持ちになり溜息をついていました。
結局、子どもが保育園に入るまで実に2年近くの間、私は株価をチェックできず、塩漬けのまま含み損を抱えていました。
塩漬けになった株価をチェックすると意外な結果に
2年近く経ってから自分の保有する株価をチェックしてみると、意外にも株価が戻っていました。
チャートを見ると、やはり中国の経済指標の悪化に伴って、株価は一時7割も下げており、低迷が続いていました。
しかし、少しずつ相場が回復するに従って株価も元の値に戻り、利益も出ていたので、利益を確定しました。
私の場合は、結果的によかったのですが、損切りをしなければならない時もあるので解説したいと思います。
こんな場合は株価に注意が必要

1. 公募増資などで発行株数が増えた場合
一般的に公募増資などで企業が新たに株式を発行すると、1株あたりの価格が薄まって株価が下がる傾向にあります。
そのため、「塩漬けにして価格が戻るまで待つ」と思っていても、株数が増えたためにもともとの株価に戻らないという場合もあります。
配当や株主優待狙いで保有している株なら、増資で株を買ってナンピン買いしてもいいでしょう。
2. 個別銘柄でバブルが起きていた場合
日経平均の動きに対して、ずいぶん大きく値上がりする銘柄があります。
指標を見ても「買われ過ぎ?」と思われるような銘柄です。
こうした銘柄はバブルが過ぎると、売られて元の株価に戻ります。
そしてその後、再度バブルが起きて、高かった頃の株価に戻ることはまずありません。
自分が買った時、
・ 個別バブルで株価が実情より高くなっていなかったか
を、見直す必要があります。
塩漬けは状況を見ながら判断しよう
塩漬けになってしまっても、時間はかかりますが、相場自体が回復すれば株価が元に戻って利益を出すことは十分可能です。
ですが、
・ 個別銘柄でのバブルが起きて株価が実態から大きく乖離(かいり)した時
は、元の株価に戻らない場合もありますので注意しましょう。(執筆者:元証券ウーマン 成瀬 なぎさ)