投資を始めようとする人にとって人気があるのが「米国株ETF」と「投資信託」の2つです。
初心者の中には、どちらも初めて聞いたいう方もいらっしゃることでしょう。
結論から言うと
です。
しかしながら細かな違いはあるので、それを知っておいた方がベターです。
「ETF」と「投資信託」を比較して違いを明確にすることで、分かりやすく解説します。

目次
「米国株ETF」とは
「ETF」とは、Exchange Traded Fundの略で直訳すると「証券取引所で取引される投資信託」、日本語では「上場投資信託」と呼ばれます。
ということです。
たとえばソフトバンクのような個別の株と同じように、証券取引所を通じて自ら取引できるわけです。
単純に
と呼びます。
「ETF」の中身は「投資信託」と似たものが多く、株式だけではなく債券や不動産などさまざまな銘柄が存在します。
「投資信託」とは
「投資信託」とは、国内・海外の株式や国内債券、不動産などの金融商品を集めたいわば百貨店のようなものです。
さまざまな人がお金を出し合って、投資のプロであるファンドマネージャーを「信じて投じる」のが「投資信託」です。
ことが最大の特徴と言えます。
「ETF」(「米国株ETF」)と「投資信託」の違い
では、「ETF」と「投資信託」の具体的な違いを見ていきましょう。
違い1. 手数料

「ETF」でも「投資信託」でも必ず注目しなければならないのは手数料です。
売買手数料、信託手数料の2点を押さえればOKなのですが、「ETF」と「投資信託」にはどのような違いがあるでしょうか。
「ETF」の場合
「米国株ETF」で最も有名な銘柄の1つである「バンガード社のVOO」という商品は、購入数に応じて売買手数料がかかるほかに信託手数料が0.03%かかります。
100万円購入したとしてもコストが「300円 + α」と非常に安く済む水準であることがわかります。
「ETF」の魅力の1つは手数料が安く済むという点にあることは覚えておくとよいことでしょう。
「投資信託」の場合
一方の「投資信託」は手数料の高さが悪名高く、敬遠される傾向にありました。
売買手数料で2%、信託手数料で2%などというのはざらです。
仮にこの場合だと、4%以上のパフォーマンスがなければ損をすることが確定した状態からスタートしなければならないという不利な戦いになることが分かります。
しかし、「つみたてNISA」や「iDeCo」の普及とともに売買手数料や信託手数料は厳しく見直されるようになり、「ETF」と同等の商品も増えています。
「投資信託」を検討する際には、まずそのコストを計算してみることが重要です。
違い2. 価格の決定
次に価格の決定について見ていきましょう。
「ETF」の場合
「ETF」は「投資信託そのものが上場した商品」であるためリアルタイムの売買が可能です。
株価は市場がオープンしている時に常に上下しますので、タイミングを見て取引できます。
「米国株ETF」であれば、ニューヨーク証券取引所がオープンしているのは現地時間の9:30~16:00です。
日本時間では23:30~6:00となり、好きな時間に価格を見ながら購入できます。
また、「指値」や「成行」といった価格を好みの額に指定して購入できるのも特徴です。
「指値」は自分のリクエストする価格になったら取引が成立するやり方で、「成行」はその時々の時価で購入するやり方です。
「投資信託」の場合
一方の「投資信託」は基準価格が決定されるのは1日1回のみで、リアルタイムでは変化しません。
購入した日の翌営業日の価格が反映される仕組みになっています。
タイムラグがあることに不満を感じる方がいるかもしれませんが、よほど値動きの激しい商品を選んだり、短期トレードをしない限りにおいてはほとんど影響しないと考える人も多くいます。
「ETF」と好みの別れるポイントです。
違い3. 品揃え
品揃えについてはどうでしょうか。
「ETF」の場合
「ETF」は「投資信託」と比較すると品揃えが豊富です。
「米国株ETF」1つとっても、S&P500などの市場に連動した優良株を集めた商品をはじめとして、
・ 高配当株のみを集めた「高配当ETF」
・「セクター別のETF」
・「債券ETF」
・「不動産ETF」
・「金ETF」
などさまざまな種類、アセットに対して投資できます。
米国の「ETF」の全種類を合計すると2,000を超えます。
もちろん、米国に限らず他の先進国や新興国、日本にも投資可能です。
「投資信託」の場合
一方の「投資信託」にも株・債券・不動産などさまざまな種類がありますが、「ETF」ほどのラインアップはなく選択肢が限られてしまいます。
また、「つみたてNISA」や「iDeCo」を利用する際にはさらに限定されてしまいますので、「ETF」ほど自由に選ぶことができないことはデメリットと言えます。
違い4. 売買の通貨

最後に売買の通貨です。
「投資信託」の場合
「投資信託」は日本の銀行や保険会社、証券会社を通して購入するものです。
もちろん日本株など日本の商品が取り揃えられているほか、アメリカをはじめとした海外の商品もあります。
しかし、やり取りの窓口が日本の機関であるため日本円で取引します。
「ETF」の場合
一方の「米国ETF」は、証券会社を通して自分でやり取りできるため、米ドルでも円でもその他の通貨でも取引可能です。
もちろん為替の影響を受けるため、どちらでやり取りするかは自分の判断で決定する必要があります。
為替レートをうまく利用することでより多くの利益を出すことも可能です。
ただし、基本的にはその日の通貨レートがきっちりと採用されるため、日本円でそのまま取引する人が多数派のようです。
どちらも長期前提で運用を考える
「ETF」と「投資信託」の違いがイメージできたでしょうか。
重要なのは、
可能性が高いということです。
優良な「ETF」や「投資信託」は過去の暴落から必ず復活してきた歴史があります。
今回の記事を参考にしてみてください。(執筆者:五江渕 航洋)