最近、市場関係者の間で注目されているテーマのひとつが食のIT革命です。
人類にとって食は生きていくうえで避けては通れません。
Netflixを1か月我慢することはできるかもしれませんが、1か月飲まず食わずの生活はできません。
全人類にとって影響のある「食を根本から覆す可能性がある」のがフードテック企業です。
食の生産方法を根本的に変えることで地球や動物に優しい環境を提供したり、宗教上の理由で牛肉や豚肉など特定の食材を食べられない人の食生活を変えたりする可能性があります。
そこで、本記事では世界的に注目されているフードテックの海外投資について紹介します。
世界の食を変える可能性のある企業に投資できる機会は日本人にも開かれています。
目次
注目の投資対象「フードテック」

と疑問に感じる人もいるかもしれません。
まずは、フードテックが投資対象として注目されている2つの根拠を紹介します。
フードテック企業の強みは
2. 環境に優しい企業がお金を集めやすい
の2つです。
それぞれについて解説します。
1. 市場規模が大きい
フードテックの市場規模は2025年までに約700兆円に達すると言われています。
最近ではフードテックをテーマにした書籍も出版されています。
食事は本当に大きい市場です。
たとえば、豚肉を食べてはいけないと中学校の社会科で習うイスラム教徒の人口は世界で約20億です。
ほかにも菜食主義者やヴィーガンといった動物性のタンパク質そのものを食べない人たちもいれば、卵アレルギーで食べたくても卵料理を食べられないといった人も世の中にはたくさんいます。
そのような人たちに向けて牛肉や豚肉と味がほとんど変わらない人口代替肉や代替卵などを提供できれば、大きなビジネスチャンスになります。
2. 環境に優しい企業がお金を集めやすい

SDGsという「持続可能な開発目標」が投資テーマとして注目されています。
大きな資金があるファンドも積極的に環境に優しい企業に積極的に投資をしています。
たとえば、自然からつくられる人口代替肉が普及すれば、家畜を育てるための飼料や餌、土地などを削減できて結果的に環境問題の解決にもつながるため、SDGsに沿ったファンドの資金も集めやすくなるというわけです。
日本人が手軽に買いやすい銘柄は「ビヨンド・ミート (BYND)」

フードテック企業の中で日本人投資家にも有名な企業は、人口代替肉の「ビヨンド・ミート (BYND)」ではないでしょうか。
大手ネット証券から日本株感覚で注文できます。
「ビヨンド・ミート」は、エンドウ豆や玄米、緑豆のタンパク質、ジャガイモ、植物性のココナッツオイルなど植物由来の原料だけで本物の肉と遜色のない人口代替肉をつくります。
注目してもらいたいのがRevenueの部分です。2019年から売上が飛躍的に伸びていることが分かります。
直近の2020年の決算ではアナリストの予想には届きませんでした。また、株価も人気で買われすぎている分、高値かもしれません。
しかし、中国のスターバックスに「ビヨンド・ミート」の代替肉ランチを提供するというニュースも流れていて、開拓されていないアジア市場にうまく進出できれば成長の余地はまだまだあるのではないでしょうか。
ユニコーン企業にファンドを通じで投資する

「ビヨンド・ミート」は知っているから、フードテックでより面白そうな投資先を紹介して欲しいという方もいるかもしれません。
そんな方のために、まだ上場されていないフードテックのユニコーン企業への投資方法も紹介します。
ユニコーン企業とは、上場されていないにも拘らず評価額が10億ドル以上の新しいベンチャー企業のことです。
非上場企業の株は個人投資家が直接買うことはできません。
しかし、一部のファンドを通してなら投資するチャンスがあります。
「HiJoJo Partners」という非上場企業への投資ファンド開発に強い会社では、米国フードテック・ユニコーン企業3社を組み入れるファンドを募集しています。
・「ビヨンド・ミート」のライバル企業の「Impossible Foods.Inc.」
・ 代替卵の「JUST Inc」
・ 農地開発のデジタルソリューションを提供する「Indigo Agriculture,Inc」
に投資可能です。
上場する前のユニコーン企業に投資できると成長率、伸び率の面で大きなリターンも期待できます。
ただし、今回、紹介した「フードテックファンド」への最低投資額は1,000万円からです。
お金に余裕があればユニコーン企業への投資を検討してみてはいかがでしょうか。
これから伸びる産業
フードテック企業は市場規模の大きさやSDGsの観点から注目されているテーマです。
米国株では話題の「ビヨンド・ミート」が投資対象にしやすい銘柄です。
また、小口投資家向けではありませんが、上場されていないユニコーンフードテックにもファンドを通して投資する方法があります。
フードテックはこれから伸びる産業なので注目しておくと良いのではないでしょうか。(執筆者:世界を旅する投資家 田守 正彦)