貯蓄型保険と聞くとどのような保険を想像するでしょうか。
・ 年金保険
・ 変額保険
・ 終身保険
・ 外貨建保険
・ 学資保険
といったようにさまざまです。
これらの保険に加入されている方は多いと思います。
日本では投資教育がされていませんので「リスクの低い保険での貯金」がはやるのも当然です。
過去の利率の高かった時代にこれらの保険に加入している方は問題ありません。
しかし、これから加入を検討されている方は要注意です。
今と昔は違います。
今回の記事では、これからの時代の賢い貯蓄方法について解説していきたいと思います。

目次
保険での貯蓄は時代遅れ
これからの時代、保険での貯蓄は時代遅れです。
理由は、
・ 長い間使えない
この2点に集約されます。
積立利率の改悪
保険商品の積立利率が改悪され始めて約10年が経とうとしています。最初は円建保険、続いて外貨建保険という順番で改悪が行われてきました。
突然改悪されるのではなく、長い時間をかけて徐々に悪くなってきている印象です。
ここでいう円建保険は円で貯蓄する全ての保険のことです。年金保険、学資保険、終身保険全て共通です。
円建保険は5年以上前、外貨建保険は今年の9月までが最後の加入タイミングです。
この期間に加入されている方はまだ大丈夫だと言えます。
払込期間は待つ必要がありますが、しっかりと増える保険です。
ただし、これから貯蓄型保険を検討されている方には率直に言っておすすめできません。
積立保険を検討する理由は「増やしたいから」がほとんどの理由だと思います。
教育資金や老後資金など目的はさまざまですが、少しでも増やしたいから貯蓄型保険を検討されるのではないでしょうか。
しかし、増えなくなってしまっては本来の目的が達成できません。
貯蓄型保険が増えない理由
貯蓄型保険は国債に投資しています。
日本国債だけではなくアメリカ国債の利回りも下がってきていますので、増えなくなるのも当然です。
それでも銀行預金と比べればまだ少しは増えますので、保険の担当者はすすめてくることでしょう。
しかしながら、私なら加入しません。もっと賢く貯蓄できる方法があるからです。
保険は保険、貯蓄は貯蓄で分けて考える
これからの時代は「保障を確保しながら貯蓄ができる」という貯蓄型保険の謳い文句が通用しなくなります。
保険は保険、貯蓄は貯蓄で分けて考えるべきです。
・ 貯蓄は「つみたてNISA」を活用する
このポイントを押さえて実践するべきです。
必要な期間、必要な保障を掛け捨て保険で確保
貯蓄型保険で確保できる主な保障は死亡保障ですが、平均寿命の伸びもあり昔と比べれば掛け金が安くなってきています。
意外かもしれませんが長生き時代には死亡保障は安くなります。
これまでと比べても安価に死亡保障を確保できますので、必要な期間、必要な保障を掛け捨て保険で確保するべきです。
不要になればいつでも解約できるのも掛け捨てのメリットです。
「つみたてNISA」でコツコツと貯蓄

貯蓄は「つみたてNISA」を用いて投資信託をコツコツと購入していく方法が初心者向きです。
年金保険や学資保険で貯蓄するつもりだった金額を「つみたてNISA」で貯蓄していくだけです。
とても簡単です。
既に増えないことが約束されている保険商品よりも、増える可能性がある投資信託の方が期待値は高くなります。
もちろん、投資信託には価格変動リスクがるので、マイナスになってしまう危険性もあります。
しかし一方で、保険にもそれ相応のリスクがあります。
10年なり15年なり当初に契約した期間、払込を続けないと基本的にマイナスになってしまいます。
つまり、期間ロックです。しかも、タイミングによっては投入金額の半分ほどしか戻ってこないこともあり得ます。
若い方ほど今後に何があるか分かりません。
「いざという時に現金化するとマイナスになることが確定している」というのも大きなリスクだと思いますが、いかがでしょうか。
「つみたてNISA」のメリット
「つみたてNISA」で購入できるファンドは金融庁が認めた優良ファンドのみです。
悪名高き毎月分配型ファンドや手数料の高いアクティブファンドなどはそもそも購入できません。ここが初心者にもおすすめのポイントです。
個人的には世界株式ファンドがおすすめですが、何を購入してもそれなりのファンドです。
しっかりと積立を継続できるのであればプラスになる期待値は大きいと言えます。いざとなったら現金化できる点もメリットです。
もちろん、タイミングによってはマイナスの時期もあり得ますが、保険の途中解約よりはマシなことがほとんどです。
少しでもお金を増やそうと思うならリスクはつき物です。「リスクゼロで増える商品」は残念ながら存在しません。
金融業界に10年いる私が言うので間違いありません。
「つみたてNISA」は貯蓄のベストな選択肢
保険と貯蓄は全く別物だと考え、
これがこれからの時代の賢い選択だと言えます。
冒頭にも書きましたが、既に加入している保険商品を解約してくださいという意味ではありません。
過去の貯蓄型保険でちゃんと増える商品があることも事実です。あくまでもこれから始める方に向けての解説です。
その時代その時代でより良い選択肢は変わります。
紹介した「つみたてNISA」が未来永劫ベストな選択肢になる保証はありませんが、少なくともしばらくはこの流れは変わらないと思います。
これから教育資金や老後資金を貯めていきたいとお考えの方にはベストな選択肢だと自信を持ってお伝えできます。
資産形成の参考にしてください。(執筆者:FP歴10年 冨岡 光)