株式投資には「貸株(かしかぶ)サービス」、「預株(よかぶ)制度」があります。
「貸す」、「預ける」ことで最大で4%の貸株金利がつく制度のことです。
「保有しているだけで貸株金利を受け取れる」と聞くとリスクがありそうで怖いと感じることでしょう。
そこで、松井証券で貸株を利用する著者が、8月、9月の入金額を一挙公開します。
目次
松井証券の「貸株(かしかぶ)サービス」とは

保有している株式を松井証券に貸し出すことで、貸し出した株式に応じた「貸株金利」を受け取れるサービスです。
松井証券では、現物売の画面で「貸株金利受け取り額試算(30日)」や「貸株設定状況」を確認できます。
なお、松井証券では貸株サービスの開始に伴い、2018年10月に預株制度のサービス提供を終了しています。
貸株サービスのメリット
貸株サービスのメリットは、株の取引をしていなくても金利を受け取れることです。
松井証券の貸株銘柄を見ると、1%以上(中には2%、4%)の金利の銘柄もあります。
100万円の株で1%の貸株をすると、税引前で年間1万円、日割計算で1日27円を自動的にもらえる計算です。
松井証券での貸株金利一覧
松井証券で、貸株金利が高い銘柄を調べてみました(2020年9月23日~適用)。

貸株金利4%の銘柄
【3053】(株)ペッパーフードサービス
【3906】(株)ALBERT
貸株金利2%の銘柄
【2404】(株)鉄人化計画
【2653】イオン九州(株)
【3168】黒谷(株)
【3541】(株)農業総合研究所
【3686】(株)ディー・エル・イー
【3990】UUUM(株)
このほかに1%、0.50%、0.20%の貸株金利があります。また、松井証券では貸株対象外、金利がつかない銘柄もあります。
100万円の投資時に貸株金利を試算
100万円を投資した場合の受取額を4%、2%、1%、0.50%、0.20%の受取金利で計算してみます。
【貸株金利4%】
1年で4万円、1日あたり109円
【貸株金利2%】
1年で2万円、1日あたり54円
【貸株金利1%】
1年で1万円、1日あたり27円
【貸株金利0.50%】
1年で5,000円、1日あたり13円
【貸株金利0.20%】
1年で2,000円、1日あたり5円
株を保有しているだけでお金がもらえるというのは、大きなメリットだと言えます。
貸株サービスのデメリット
貸株サービスには、デメリットもあります。
デメリット1. 高金利銘柄は新興市場が中心で値動きが読みにくい
松井証券での貸株には貸株金利4%、2%、1%、0.5%、0.2%とありますが、高金利銘柄の企業名にはそこまで耳馴染みがないかもしれません。
高金利の貸株は、新興市場が中心です。
初心者の主婦の私が実践して、リスクだと感じた点を紹介します。

一時的に保有していたの「アンジェス【4563】」の株は、当時2%の貸株金利につられて保有しました。
しかし、初心者にとっては株価の値動きが読みにくいと感じました。
上がり下がりが激しく緊張感があり、うまく株価上昇を読み取れませんでした。
マイナスで塩漬けになるかと思って途中で利益確定しましたが、その後に株価は少しだけ上がっています。そして貸株金利は下がって1%になりました。
初心者におすすめの銘柄の一例
初心者におすすめするのは、長期保有が前提の銘柄です。

株主優待の改悪が発表されて1,500円台前半に一気に下がった「(株)すかいらーくホールディングス【3197】」の貸株金利は、0.20%です。
もともとすかいらーくホールディングスの株を保有していて、株主優待の使い勝手がよかったため株価下落時の1,503円で買い増ししました。
貸株金利が0.2%つくので長期保有のつもりですが、株価が上がれば売ってもよいわけです。現在は1,524円ですのでよい取引をしました。
銘柄との相性があります。買うタイミングも関係あるとは思いますが、一例を紹介しました。
デメリット2. 配当金相当額は「雑所得」
貸株で受け取る配当金相当額は「雑所得」です。
専業主婦の場合には、雑所得は38万円までであれば確定申告をしなくてすみます。つまり、反対に38万円以上あれば確定申告しなければなりません。
また、一定額以上でなくても毎年確定申告をしている場合には雑所得で確定申告が必要です。また、NISA口座では貸株サービスを利用できません。
一方で、配当金の場合には配当所得となり、特定口座(源泉徴収あり)やNISA口座では確定申告しない場合も選べます。
デメリット3. 貸株設定によっては株主優待を受けられない
貸株の設定によっては株主優待を受けられないこともあるため、優待をもらいたい場合には「株主優待を優先的にもらう設定」にする必要があります。
私の「貸株レポート」8月・9月を一挙公開
貸株の対象銘柄を保有した後は、貸株レポートから入金額を調べられます。
松井証券の入金日は、2020年8月1日、2020年9月1日と毎月初日です(1日が休日の場合は後日になることもあります)。
入金額は期間や銘柄で調べられるほか、貸株金利合計額を見られます。
貸株での8月の入金額を計算
貸株で月々の入金がどのくらいのあったのかを公開します。

8月は(株)イデアインターナショナル、(株)すかいらーくホールディングスの2社の合計で128円でした。
貸株での9月の入金額を計算

9月は戦略的に考えました。
ホリイフードサービス(株)、(株)イデアインターナショナル、(株)ホットランド、(株)すかいらーくホールディングス、アンジェス(株)、ジェイリース(株)、(株)ビジョナリーホールディングスの合計で224円でした。
貸株で月々の入金が楽しみになる
売買を繰り返すデイトレーダーからすると少額すぎるかもしれません。しかし、貸株サービスを利用すると株価下落局面でも気持ちに余裕が生まれます。
はじめての場合は、自分が応援したい企業の株を買うことをおすすめします。
個人的には1%、0.5%、0.2%で欲しかった対象銘柄に挑戦したり買い増しすることで月々の入金が楽しみになると思います。(執筆者:谷口 久美子)