年金2,000万円問題がクローズアップされ、老後の不安は大きくなってきています。
その対策には、大きく分けて3つあり、1つは給与や節約などで増やす「貯金」で2つ目が資産運用として注目されている「iDeCo(個人型確定拠出年金)」です。
3つ目が「公的年金」です。
「iDeCo」や「公的年金」はもらう時期などによって支給額が変わるのをご存じでしょうか。
これらは単体で考えるのではなく、3つの収入源を「どうやったら1番効率よくもらえるか」を検討する必要があります。
今回はオススメの受け取り方について解説していきます。

「貯金」、「iDeCo」、「公的年金」のバランスを考える前提として、まずその時の月々の支出額がどのくらいかを把握しておくことが大切です。
なぜなら、支出額を理解していないとどのくらいの収入が必要になるのか分からないからです。
目次
公的年金の支給額は最大142%に
公的年金には代表的なものに老齢基礎年金と老齢厚生年金があります。
これらは通常65歳から支給されますが、支給時期を1か月遅らせるごとに0.7%増額されます。
最大で70歳まで繰り下げられ、支給額も142%まで増やすことが可能です。
詳細は下記をご覧ください。

65歳から受け取る場合と70歳まで繰り下げして受け取る場合では、82歳以上長生きすると70歳まで繰り下げた方が年金支給額は多くなります。
「人生100年時代」と言われる中で、今後の選択肢として理解しておく必要があります。
iDeCoの受け取り方法は「一括」もしくは「年金」
iDeCoは、原則として60歳になったら、70歳になるまでの間に
(2) 年金としてもらうか
(3) 一時金と年金を組み合わせてもらうか
を選べます。
もらい方によってかかってくる税金が異なってきますが、その時にどの程度の蓄えがあるかによって選択した方が良いと思うので、この点はしっかりと覚えておきましょう。
参照:iDeCo公式サイト
65~70歳の間は貯金&iDeCoで乗り切るのがベター

これらを踏まえると、まず月々の生活を把握した上で、65歳~70歳の間は可能なら貯金とiDeCoで乗り切れると良いでしょう。
そのためには
(2) (1) をもとに必要な貯蓄とiDeCoの金額を設定する
が重要になってきます。
つまり、この期間に公的年金に頼らない家計であれば、年金の繰り下げ支給を受けられるからです。
自分の寿命は誰も分からないので、年金を多くもらえる状態にしておけば、長生きできたときも安心です。(執筆者:1級FP技能士 椎名 隼人)