投資の神様ウォーレン・バフェットは、「バンガードS&P500ETF (VOO)」への投資を勧めています。
バフェットに影響されて、私も2~3年前からVOOを買い始めました。
相場が下がった時を狙っての押し目買いです。
また、2020年1月から「SBIバンガードS&P500インデックスファンド」の定期定額購入も始めました。
私は本来は、退屈な定期定額購入は好きではありませんが、どのくらいのリターンがあるのか試してみようと思ったのです。
目次
インデックスファンドとETFの購入方針

始めてから9か月が経過しました。
3月にはコロナ禍でS&P500の大暴落があり、その後に予想外の急回復がありました。
果たして「定期定額購入」と「個別の押し目買い」のリターンのどちらに軍配が上がったでしょうか。
インデックスファンドの定期定額購入
定期定額購入は、
にしました。
次のグラフは「SBIバンガードS&P500」基準価額のローソク月足に、毎月の約定価額を赤の横棒で書き込んだものです。

参照:SBI証券
グラフを見ると、3月と9月を除く各月には高値と安値のほぼ中間近辺で購入されています。
驚くべきは、3月と9月が最安値で買われたことです。
コロナ禍の暴落でS&P500は3月に底をつけました。
9月はハイテク株の反落でS&P500は10%近く調整しました。
最安値での購入は奇跡としか言いようがありません。
インデックスファンド定期定額購入のリターン向上にかなり寄与しているはずです。
ETF (VOO) の押し目買い
一方の個別の押し目買いは、次の方針で購入しました。
(2) 売却しない
(3) 落ちてくるナイフはつかむ(下落局面の真っただ中で、どこが底か分かるわけありません。さらに下がったらまた買えばよいのです)
1株3万円ですので大けがはしません。相場の反転を待つと買いそびれるだけです。
次のグラフは「バンガードS&P500ETF (VOO)」市場価格の10日間ローソク足に、購入時の価格を赤の横棒で書き込んだものです。
1月から9月(24日)まで29回購入しました。

3月の暴落時には恐怖と戦いながら必死に買い下がりました。
S&P500が底をうった3月23日(米国時間)に私も見事にVOOを購入できました。「この快感」、投資の魅力はここにあります。
9月の調整局面は、下落にあわせて小刻みに買い集めました。
吉と出るか凶と出るか答えはまだ分かりませんが、今後の相場変動のなかで喜んだり悲しんだり、楽しみのネタをたっぷりと仕込んだというわけです。
定期定額購入と押し目買いのリターン
さて、9月時点のリターン比較はどうなったでしょうか。
定期定額購入の9月分が約定した9月24日時点で比べました。
下のグラフは、過去の購入時点で1月からの累積評価額がどうなっていたかの推移をプロットしたものです。
青は毎月1回定額購入したインデックスファンドの成績です。
赤は押し目買いしたETF (VOO) の成績です。

結論は、「赤が106.8、青が105.8」と1ポイントの差で赤に軍配が上がりました。
なおVOOはドル建てですが、為替変動は考慮していません。
VOOには年4回の分配金がありますが、比較には入れていません。
購入時手数料は、両方ともゼロです。
投資の醍醐味を味わう

「わずか1ポイントの差」などと言わないでください。
資産形成の王道は、「長期、分散、積立」投資にあります。
しかし、投資を長続きさせるには楽しみが必要です。投資家の楽しみは「売る、買う」の行為そのものにあるのです。
売買したいという欲望は押さえつけられるものではありません。
そうであるならば、欲望を積極的に受け入れることを考えるべきです。
ニューヨーク証券市場は日本時間22:30(夏時間)から開きます。
深夜にパソコンの前に座って株価を追いかけることの、なんと楽しいことか。
高値づかみの悔恨、うまく底値で買えた時の快感、売買するかどうかの決断に苦しむ焦燥感、暴落の恐怖、高騰の歓喜、これこそ投資の醍醐味です。
定期定額購入は、この醍醐味を捨てた「ひたすら我慢の修行僧」です。
数値上はわずか1ポイントの差でしたが、VOOの個別買いでは「買った、上がった下がった、儲けた、損した」の投資の醍醐味を堪能できました。
この醍醐味は数値化できませんが、私は決して手放せません。(執筆者:根元 直角)