近年では「つみたてNISA」や「iDeCo」など、長期積立投資を前提とした制度が整備されてきました。
老後資金の準備のためにここ1、2年の間につみたて投資を始めたという方も多いのではないでしょうか。
つみたて投資の基本は「ほったらかし」だと言っても、たまには見直しが必要です。
今回の記事では、年末年始などの時間を利用して行いたい最低限の見直しポイントをまとめます。
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目次
ポイント1. 投資内容が偏っていないか
見直しポイントの1つは、投資内容のバランスが適切かどうかです。
長期積立投資の場合には、資産内容を分散させているケースが多いと思います。
しかし、投資年数が長くなるほど価格変動によって最初の設定から組み入れ割合が変わっていってしまいます。
また、後から買い足していった場合などにも気づいたらバランスが崩れていることがあります。
たとえば、「国内株式は20%くらいにしようと思っていたのに、気づいたら70%になっていた」などといった具合です。
これはかなり極端な例ですが、放っておくと資産の値動きのほとんどどが国内株式の変動に左右されることとなり、老後資金を安定的に作りたいという目的から考えるとあまり良い状態であるとは言えません。
この場合には、
・ 今後の積み立て内容を変える
という選択肢があります。
積立設定を変えるほうが楽ですが、一部の資産がまたとない値上がり状態にあるのであれば売却するのもひとつの手です。
もともと投資対象を絞っている場合やバランスファンドに投資している場合には、この「リバランス」を気にする必要はありません。
ポイント2. 人生プランの変更に対応できているか
仕事が変わった、子供ができたなどライフプランに大きな変化があった場合、家計以外に投資の内容も見直す必要があります。
今の状態だと「どの程度のリスクを許容できるのか」、その投資で「どのくらいの老後資金を用意したいのか」といった点を計算し直し、それに合わせて投資の内容も変えて行きます。
家計の収支とのバランスが悪いと生活が圧迫されたり、反対に余剰資金が多いのに投資にまわせていないとその分の利益を取り逃してしまいます。
特に2020年はコロナウイルスの感染拡大もあって、雇用の変化など人生の変更を余儀なくされた方も多いかもしれません。
生活の変化が落ち着い暁には、年末等の時間を利用して投資プランのほうも見直しておくことをおすすめします。
ポイント3. 同じ内容で手数料の低いファンドは出ていないか
筆者自身が積立投資の見直しで最もよく検討するのが、新しい投資商品のチェックです。
インデックスファンドの場合
インデックス投信などは基本的にパフォーマンスは変わらないのに対し、手数料や信託報酬はファンドによって違いがあります。
今も常に新しい商品がリリースされているので、手数料が安いと思って数年前に投資し始めた商品が今も最安値とは限りません。
利益は一緒なのにかかる手数料が高いファンドに投資を続けていたら、10年、20年のスパンで考えるとそれなりの損失につながります。
より安いファンドが出てきたら迷わず乗り換えたほうがよいかもしれません。
バランス型ファンドの場合
バランスファンドはひと昔前まででは均等分散型しかなかったのに対して、今では経済状況に応じて組み入れ比率を変えてくれるものなどもあり、多様性が増してきています。
ほったらかしにしすぎて損をしないように、新しい商品のチェックは定期的に行ったほうが安心です。
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ポイント4. 使っている金融機関は適切か
ファンドの話と似ていますが、金融機関自体も手数料などを改訂していたり、より魅力的なサービスを打ち出してきているところもあります。
投信の場合には金融機関によって取扱商品も大きく異なりますので、より魅力的な商品がある、手数料コストの低い金融機関を使うことはとても大切です。
いま利用している金融機関をやめて他の所にしたい場合には、
移管手続きの注意点
ただし、「iDeCo」の場合にはそれ以前に購入していた商品が売却されてしまいます
「つみたてNISA」の場合には、
・ それまで購入していた分は元の金融機関での運用となる
ことなどいくつかの注意点があります。
移管に要する時間も、「iDeCo」は1~2か月、「つみたてNISA」は1か月程度はかかります。
それらのデメリットを加味したうえでも金融機関を変えたほうが良さそうな場合には、早めに手続きを開始ししましょう。
家計の振り返りとセットにする習慣づけ
年末や年度末には1年間の家計収支を振り返る方が多いかもしれませんが、積立投資を始めたばかりだとその見直しは忘れてしまう傾向にあります。
やることはそれほど多くはないので、家計の振り返りとセットでするように習慣付けておくとよいかもしれません。(執筆者:趣味は貯金と投資 島村 妃奈)