かぼちゃの馬車事件、レオパレス問題、スルガショック、そして最近ではフラット35を使って不動産投資をして問題になったARUHI事件など、不動産投資で損をしたというニュースは数え上げるときりがありません。
しかし、反対に不動産投資で数億の資産を築いた、毎月収入が100万円を超えたという話もよく聞きます。
同じ不動産投資なのに真逆の結果になってしまった原因は、「不動産投資の仕組みを理解して資産を増やしてきたか、仕組みを理解せずに儲け話に乗ってしまったか」の違いです。
不動産投資は、短期間で儲けようと思ってもなかなか難しですが、良い物件を購入して長期間かけてコツコツと資産を増やしていけば損をする可能性がかなり低くなります。
そういった点で考えると不動産投資は積立貯金に似ていると言えます。

目次
不動産投資で失敗した人たちの特徴
投資で騙されたと聞くと高齢者や所得の少ない人というイメージを持つ人も多いと思いますが、不動産投資で騙された人の中には、医者や弁護士、上場企業の役員といった社会的に高ステータスと言われる人も多いです。
お医者さんと言えば「勉強はできて何でも知っていて騙されるわけがない」と思われるかもしれませんが、専門外のことはやはり得意ではなく、忙しかったり、人が良かったりで不動産会社の営業マンの「節税になりますよ」といった営業トークに簡単に引っかかってしまいます。
私もお医者さんから「儲からない物件を10件ほど買わされて運営がうまくいかず、赤字続きで何とかしてほしい」という相談を何度か受けました。
いろいろと相談を受けた経験から不動産投資で失敗する人の共通する特徴として、
「営業マンが親身になってくれた」
など、不動産投資がどういったものか分からずに、不動産会社の営業マンの話を信じてすべて任せてしまったという点が挙げられます。
不動産会社にもいろいろとあり、最初から損をすることが分かってる物件を平気で売っている会社もあります。
そういった会社は1件売れば数百万円の利益を上げることができますので、利益のために皆さんに節税や生命保険替わりになるなどといったさまざまな営業トークを駆使して売りつけるわけです。
不動産会社が儲かるような物件を買えば当然購入者は損をするわけです。
反対に、
ということになります。
不動産投資では時間を味方につける
不動産投資の利益には、
・ 家賃収入を目的としたインカムゲイン
の2つがあります。
キャピタルゲインであれば短期間で大きな儲けを出せますが、物件の見極めが難しいと言えます。
初心者が不動産投資をするのであれば、やはりインカムゲインを狙うべきです。
利息は銀行預金の72倍:インカムゲインの収入計算
入居者が退去しない限り半永久的に家賃収入を得られますので、10年間でどの程度の利益を得られるのかをある程度は計算できます。
たとえば、1,000万円で中古ワンルームを購入したとします。
家賃6万円とすると年間72万円の収入となり、「1,000万円 ÷ 72万円 = 13.8年」で投資した資金を回収できます。
銀行に1,000万円を金利0.1%で預けていても年間1万円の利息ですが、不動産投資で1,000万円を投資すると年間72万円の収入ですので、その差は72倍です。
実際には、現金で購入することは少なく、運営費用や銀行で融資を受けて購入するので、その返済を考えると利益はもう少し少なくなると思いますが、それでも銀行に預けているよりはかなり多いと言えます。
時間をかけてコツコツと資産を増やす投資、そういった点で不動産投資は積立貯金に似ていると言えます。

長期間投資でリスクも吸収できる
しかし、インカムゲインを狙った不動産投資にもリスクはあります。
・ 滞納リスク
・ 原状回復費用
など、せっかく稼いだお金を吐き出さなければならないこともあり、計画通りには増えないケースもあります。
短期間で考えるとマイナスということもあるかもしれませんが、10年単位の長期で捉えてある程度のリスクも織り込んでシミュレーションすると収支が大きくぶれることはありません。
このように不動産投資は、
だと言われています。
不動産投資を始めるうえでの心構え
不動産投資に失敗しないためにも、まずは不動産投資がどういった投資なのかを理解する必要があります。
不動産投資で儲かる仕組みを理解できれば「紹介された物件が本当に儲かるのかどうか」という判断をできるようになります。
おかしい点を指摘できるようになれば、不動産会社の営業マンも「簡単には騙せない」と思い、しつこい営業もなくなります。
不動産投資は、時間を掛けてリスクを抑えて資産を増やす手法なので、積立貯金に似てコツコツと資産を増やしたいという人向けの投資だと言えます。
これから不動産投資を始めたいという方は、物件を購入する前にまずは不動産投資で儲かる仕組みを勉強してください。
それだけで、不動産投資で失敗する確率は大きく減らせるのです。(執筆者:山口 智也)