いま住宅ローンの現場では、金融機関の行員と顧客が何時間も話し込む光景が見られます。
これは何も住宅ローンで悩んでいる訳ではなく、行員が顧客に対してライフプランに合わせたさまざまな商品を紹介しているからです。
住宅ローンを融資した場合、今まで必要だった商品が不要になったり、新たな商品で資産形成する機会が生まれます。
今回は、保険の見直しと資産形成商品について紹介します。

目次
住宅ローンと同時に保険の見直しは必須
住宅ローンでは団体信用生命保険に加入します。
故に今まで加入していた生命保険の金額が不相当になり、減額などの見直しが可能です。
最近は就業不能保険など、団体信用生命保険が下りない場合のリスクをカバーする保険なども登場しています。
住宅ローンに3大疾病や8大疾病が付いているからという理由で医療保険を全て解約する人がいますが、これは間違いです。
これらの疾病保障は支払いまでの条件が厳しかったり、金額が50%だったりと充分な内容ではなく、また住宅ローンを完済すると保障も消滅します。
さらに、住宅ローンを早期完済しない限り中高年から再度保険に加入することになり、場合によっては健康状態などを理由に保険に再加入できない事態も考えられます。
実際の現場では、何十年も同じ保険に加入したままで、今では当然となっている日帰りなどが保障されていないなど、見直してもらうメリットは十分にあるでしょう。
しかし、保険証券の存在場所がわからず、スムーズに保険の見直しが進まないことも多いようです。
こうした事態を避けるためにも、あらかじめ保険証券の場所を確認するなどして、保険の見直しに話が進んだ時は、積極的に見直しをしてもらいましょう。

この機会に「つみたてNISA」などの制度も積極活用
「つみたてNISA」など、少額から始められる商品が若者を中心に好調です。
潜在的な年金不安が関係しており、今後ますますニーズは高まることが想定されます。
少額から始められる資産運用に関して興味があれば、行員に相談してみましょう。
現在の金融機関はどこも顧客の資産形成を業務の中心に据えており、この機会に聞けることは聞いておくべきです。
保険の見直しはまとめて行った方が効率的かもしれませんが、「つみたてNISA」などは最終的にネット証券を利用しても良いでしょう。
金融機関との付き合いをうまく利用
住宅ローンでつながりができたなら、その金融機関をうまく利用しない手はありません。
金融庁から厳しく監督されているので、昔ほどの過剰な営業や手数料目当てのビジネスは減ってきているように感じます。
住宅ローンを機会に自分たちの保障や資産形成をどうするのか、考えるきっかけにしてみてください。(執筆者:1級FP技能士、宅地建物取引士 沼田 順)