保険に加入する際にどういったポイントを重視しますか。
自分に合った保険はどのようなものなのか、いまひとつわかりにくいですが、適当に選んでしまうと損したり、いざという時に困ってしまいます。
大手保険会社で働いている経験から、よくある「保険料を安くする方法」や「死亡保障の金額」などだけではない、少し違った視点からも解説します。
今すでに加入されている方もこれを機に一度見直してみましょう。

目次
保障内容の考え方
保険はいざというときのためのもので、万一の場合の生活費や、医療費などに充てます。
しっかりと「使える」保険になっているかということを重視して選びましょう。
保障内容の考え方から解説していきます。
万が一の場合の保障
万一の場合の保障は、必要保障額をライフステージ、ライフプランから考えます。
こちらは保険会社やファイナンシャルプランナーに頼めば計算してもらえます。
医療費に関する保障
一方で医療費に関する保障額については具体的な金額を算出できません。
・ 公的な制度でどのくらい補助してもらえるのか
などを考えましょう。
公的な健康保険に入っていれば「高額療養費制度」で一定の金額を超えた分が払い戻しされます。
こちらは平均的な収入の方の場合、自己負担額は8万円が目安です。
月をまたぐと別で計算されてしまったり、先進医療は適用外だったりとなどの注意点はありますが、こういった制度もあるので莫大な金額を保険で用意する必要はないとも考えられます。
定期か終身かを選ぶ
保険金額などの希望が決まったら、次に、種類を定期と終身から主に選びます。
終身保険のメリット
終身は途中で払い込みを終えて一生涯の保障を受けられるというものです。長生きすればするほどこちらのほうが得にはなります。
定期保険のメリット
定期保険は5年や10年で更新が必要です。その都度内容を見直すこともできて保険料も変わります。
定期の利点は、たとえば子供の成長などによって変わる必要保障額に合わせて見直せるという点です。
つまり無駄のない保障を持てるということです。さらに新しい保険のほうが新しい治療にも対応していて適用範囲が広いという利点もあります。
「使える」保険にするためには重要なポイントです。

保険料
保険料はもちろんできるだけ安く抑えたいのですが、保険料を安くするということにとらわれ過ぎると結局は「使えない」意味のない保険になってしまうこともあります。
保障範囲が狭すぎていざというときに使えないのであればその分の保険料を貯金しておいたほうがよいということになります。
・ どんな手術や治療の時に保険金がでるか
・ がん特約は再発のときも保障されるか
・ 入院日数に制限はあるか
などは必ずチェックしましょう。
さらに重要なことは、保険は「いざというときの負担を補うためのもの」であるということです。「得をすること」を考えてはいけません。
キャッシュバックにつられて選ぶ人がいるのが現状ですが、保険の本来の目的を見失わないようにしてください。
もちろん、キャッシュバック付きのよい保険もありますが、それはあくまでも付加価値として考えてください。
同様の理由で、貯蓄と保障は別で考えてください。
掛け捨ては嫌だと頑なにおっしゃる方もいますが、保険料はいろいろな数字から計算され緻密に算出されるものなので、掛け捨ての保険のほうが無駄がなく実は割安という場合もあります。
安くて内容のよい保険はもちろんありますが、まずは保障内容をしっかり見てください。
いざという時に使える保険を選ぶ
保険はいざというときのために支えになります。
しっかりと使えるものに入りましょう。
保障と保険料とのバランスでご自身に合った保険を選んでください。(執筆者:文月 咲希)