注文住宅を検討するときに、どんな土地を選ぶかも重要になってきます。
「駅近が良い」「閑静な住宅街が良い」などの要望がある中で、優先順位が比較的高いのが「日当たり」でしょう。
日当たりの良い家づくりを目指すのはとても良いです。
しかしそれを実現するためには「南側道路の土地」じゃなければいけないと思い込んでいる方が非常に多いです。
住宅営業に携わる筆者としてはこの「南側道路の土地」はあまりオススメしていません。
今回はその理由について解説していきます。

目次
プライバシーが確保しにくい
南側道路の土地であれば、建物の南側に大きな窓を設ければたくさんの日差しを取り込めます。
しかし、実際に南側道路の土地に建てた家を見たことがありますか。
そのような家は、日中カーテンが閉めっぱなしになっていることがすごく多いです。
それはなぜかというと「プライバシーの確保をするため」です。
道路に面しているということは、当然通行人の目線も意識しないといけません。
つまり、大きな窓があってもカーテンを閉めているのであれば、結果として日当たりの良い家にはなりません。
土地購入を検討する時になかなかこの点に気を付くのは難しいと思います。
それに不動産の営業マンも「南側道路は日当たりがすごく良いですよ」と勧めてくるので、冷静な判断が難しくなります。
販売価格が数百万円高い
南側道路の土地は非常にコストが高くなります。
同じエリア・同じ大きさの土地が2つあり、一方が南側道路でもう一方が北側道路だった場合、販売価格は200~500万円の差が出るでしょう。
家づくりに掛けられる総予算が決まっていたら、土地のコストが多くなると、当然建物に費やせる金額が少なくなります。
結果として満足な家づくりができなくなる可能性が高くなるのでご注意ください。
固定観念をなくし、柔軟な考えで土地探しを

南側道路を希望する理由は、「日当たり」を求めているからだと思います。
もし、そのような土地を選ぶなら「目隠しフェンスを設ける」「2階リビングにする」などの考慮が必要でしょう。
なお、日当たりの良い家を実現するには必ずしも南側道路の土地じゃないといけない訳ではありません。
例え、北側道路の土地でも設計によってしっかりと光を取り入れることは可能です。
南側道路の土地は「コストが高い」「プライバシーの確保が難しい」という点をしっかりと考慮しなければいけません。
もし、南側道路の土地を選ぶなら「目隠しフェンスを設ける」などの対策が必要ですが、それも数十万~百万円程度の施工費がかかってきます。
これらを踏まえると、果たして理想の家づくりは南側道路の土地でないと実現できないのでしょうか。
また、北側道路であれば、土地代も抑えられて建物に金額を回せます。
土地探しをする際にその点を判断するのが難しいようであれば、土地探しをする前に住宅会社を決めておくことをオススメします。
そうすれば、その住宅会社の方にアドバイスをもらい、上記の問題点などを考慮した家づくりをしてくれると思います。
南側道路の土地しか候補にないと、選択肢も狭まるので、柔軟な考えをもって土地探しをしてもらえたらと思います。(執筆者:1級FP技能士 椎名 隼人)