保険にはたくさんの種類があります。
・ 入院してしまった時の「医療保険」
・ がんになってしまった時の「がん保険」
・ 死亡してしまった時の「死亡保険」
・ 働けなくなってしまった時の「就業不能保険」
1つ1つ挙げていくとキリがありません。数ある保険の中で本当に必要な保険とはどのような保険なのでしょうか。
「無駄な保険には入りたくない!」
と考える方がほとんどではないでしょうか。
毎月の保険代を少しでも安くして、他の入り用なものに充てたいと考えている方も多いはずです。
今回は、そうした疑問にお答えしていきたいと思います。

目次
1番に必要な保険は「死亡保険」
まず
です。
扶養義務のある子どものいる家庭はほぼ100%必要だとお考えください。
入院や大きな病気をしてしまった場合にもお金はかかりますが、死亡時にはその後の収入が完全に絶たれます。
「遺族年金」を受け取ることはできますが、期間にも金額にも限りがあります。
元気であれば得られたことであろう収入を上回る「遺族年金」を受け取ることはまず不可能ですので万が一の時への備えが必要です。
一家の大黒柱は当然のことながら、その配偶者という立場の方にも「死亡保険」は必要です。
共働きで家計を支えている家庭の場合にはその半分が絶たれてしまいますし、少ない収入だった場合でも残された家族の世話や家事などを全て1人でする必要が出てきます。
状況によっては時短勤務や配置転換、転職なども検討する必要がありますので収入低下の可能性もあります。
お葬式代などの費用も安いものではありません。
「主婦だから」「パートしかしていないから」と収入の大小で死亡保障の必要性を考えられる方もいますが、いま得ている収入以上のインパクトがあるのが死亡です。
決して安易には考えずに、少なくとも子どもの教育資金分の「死亡保険」には加入することを強くおすすめします。
「残された遺族の必要なお金は経過年数とともに逓減していく」というセオリーで考えると、年々保障額が減っていく「死亡保険」に加入するのが合理的です。
この「逓減していく」という部分は、子どもの養育資金を例に考えると分かり易いと思います。
生まれたばかりの子どもが成人するまでに当初は20年間分のお金が必要ですが、10年後には残り10年間分のお金があれば成人できます。
15年後には高校と大学のお金があれば成人できます。
このように子どもが成人するまでに必要なお金は経過年数とともに減っていきます。
この考え方は遺族に必要なお金の考え方に応用できるので、
と言えます。
よくある「定期保険」の場合には保険期間中にずっと同じ保障額が継続されます。
選択肢として更新時に保障額を減らすこともは考えられますが、保険の更新は掛け金が高くなってしまいます。
最初から保障額が逓減していくタイプに長期間加入しておくほうが割安で保障を確保できるので、そちらをおすすめします。
各保険会社が取り扱っている
です。更新型の定期保険よりも安くて合理的に死亡保障を確保できます。
30代の男性でタバコを吸わない健康な方であれば、月2,000円程度で3,000万円ほどの死亡保障を確保できます。
女性の場合には、さらに割安で加入できますので最低限加入しておくべき保険だとお考えください。
自動車所有者は「自動車保険」も加入必須

「自動車保険」の必要性は解説するまでもなく周知の事実かと思われます。
自賠責保険は法律で加入が義務付けられていますが、「任意の自動車保険」も必要です。
自賠責保険は支払われる額が少なく、事故を起こしてしまうと破産ということになりかねません。
もちろんお金のみで考えるものではありませんが、少なくとも相手方への金銭的保障が必要です。
自動車に乗る方は最低限の責任として「自動車保険」に加入しておきましょう。
「ネット型の自動車保険」であれば代理店型よりも安く加入することが可能です。
事故対応等についてもネット型と代理店型の違いはありません。「代理店型の方がサービスが良い」というのはよくある噂話です。
私自身、過去に「ネット型自動車保険」に変えて同じ保障内容でも格段に掛け金が安くなりました。
サービス内容についても不満はありませんので「どうしても代理店型がいい!」といったこだわりがない方にはネット型をおすすめします。
自宅所有者は「火災保険」、賃貸は「家財保険」
こちらも最低限加入しておくべき保険です。
自宅購入時や賃貸契約時に加入が義務付けられていることも多いので未加入ということはほぼないかとは思います。
日常生活におけるちょっとした事故による家財の破損などにも使える保険です。
この記事では詳細は割愛しますが、気になる方はネットで検索されるのが良いと思います。
「こんなことにも火災保険が使えるんだ!」といった驚きがあるかもしれません。
「がん保険」はさまざまな治療を試みたい方、「医療保険」は緊急予備資金のない方
加入者の多い「がん保険」と「医療保険」についても解説します。
「がん保険」
「がん保険」はがんになってしまった場合に一時金を受け取れる保険ですが、厚生労働省の定めるガイドライン通りの治療を望む場合には健康保険が適用されます。
つまり、「3割負担」と「高額療養費制度」が使えるということです。
月単位の治療費が高額になることはありませんので、加入必須というわけではありません。
しかしながら、
・ ガイドライン以外の新しい治療方法を試したい方
などは加入しておくべき保険です。
個人的には「長生きしたい」という気持ちが強いので、時金がしっかりと出る「がん保険」に加入しています。
治療費を預貯金から工面できる方は加入の必要はないかもしれませんが、それが貯まるまでの間は加入しておくというのも1つの選択肢だと言えます。

「医療保険」
「医療保険」はさらに優先度が落ち、緊急予備資金(半年分の生活費)のある方には不要だと言えます。
治療費が大きくなる可能性が低いことがその理由です。
先に挙げた日給月給で仕事の日数が収入に直結する方、もしくは緊急予備資金が貯まっていない方が期間限定で加入を検討するべき程度の保険です。
また、加入する際にメインで検討していただきたいのが「入院一時金」です。
多くの「医療保険」の主契約は「入院日額」ですが、入院日数が短くなっている昨今ではここから受け取れる金額は大きくありません。
むしろこの「入院日額」は最低限に抑えて「入院一時金」を大きくするほうが今の時代に合った形ですので、加入の際は参考にしていただければと思います。
加入必須は「3つの保険」
加入必須となるのはこの3つの保険です。
「がん保険」や「医療保険」は考え方や状況次第といえます。働けなくなってしまった際の保険や介護の保険などは基本的には不要です。
保険で押さえておくべき保障と預貯金などで対策しておくべき内容の見極めが難しいかもしれませんが、現時点では上記の内容通りに考えていただいて大きな問題はありません。
保険の支払いは何十年という単位
月単位で見れば大きな金額ではないかもしれませんが、何十年と払い続けるのが保険です。
損得だけで考えるものではないかもしれませんが、少しでも支出を減らして何にでも使える資金を準備しておくことが将来のリスクヘッジに繋がると言えます。
「心配だから加入する!」のではなく「こうなったら本当に困るから加入する!」という観点で判断するとより賢く保険と付き合えるのではないでしょうか。(執筆者:FP歴10年 冨岡 光)