せっかく用意した食事を瞬殺して「もっとない?」と言われるとがっかりするだけでなく、食費もかさみます。
そこで「もっとない?」とは言わせない、食事のときに気をつけるべきポイントを解説します。

目次
物足りなさは栄養不足のサイン
物足りなさは栄養不足を察知した体からの信号です。
食事の絶対量もしくはある栄養素が極端に不足していると、食後すぐでも物足りなさを感じてしまいます。
特に食後の血糖値が上昇しないと満足感が得づらくなります。
糖質制限ダイエットの流行以降、ごはんやパン、麺類などの糖質を多く含む食品を避ける人も多くいるようです。
確かに食後急激に血糖値が上昇するのは体への負担が大きく、将来の病気へとつながります。
しかし食後の緩やかな血糖値の上昇は満足感を得るためにも、食事から体に必要なエネルギー補給をするためにも欠かせないことです。
必要量の糖質を摂る
そこで「もっとない?」の対策1つ目は主食をしっかり食べることです。
ごはんやパン、麺類は血糖値を上げる働きがあります。
さらにおかずに含まれる脂質や食物繊維と一緒に食べることで血糖値の上昇が緩やかになるのです。
例えばごはんであれば、成人1日で軽く4膳(1膳=150g)、スポーツをやっている人であれば強度に合わせてそれ以上というのを目安にしてみてください。
早食いもNG
食後満足感を得られない理由としてもう1つあげられるのが早食いです。
人が食事を始めて満足感を得るには最低でも20分かかります。
20分未満で食事を終えると、体にはじゅう分な量の食物が入っているのに脳がその情報をキャッチできずに「もっと食べたい」という信号を発してしまうのです。
その解決策として時間をかけて食べる工夫を6つ紹介します。
1. ながら食べをしない
スマホをみながら、テレビをみながら食事をしていると何を食べているのかに意識は向きません。
よくかまずに飲み込んでしまいがちです。

2. 1人で食べない
会話をしながらの食事は自然とゆっくりになります。
3. 口の中が空になるまで箸を置く
口にまだものが入っているそばから、次に食べるものを箸で取ってしまうと、よくかまないうちに次の食べ物を口に入れてしまいます。
箸置きを食卓で使うのもオススメです。
4. よくかまざるを得ないメニューを選ぶ
根菜を使った料理、ごはんなら雑穀入り、パンならナッツが入ったものなど、よくかまないと食べられないものをあえて選ぶのも早食い防止になります。
5. 食べるのに手間がかかるメニューを選ぶ
肉も魚も骨つきのものは食べるのに手間がかかり、時間をかけて食べられるようになります。
6. 味にメリハリをつける
私たち人の口は味を感じると飲み込む、という仕組みになっています。
ですから味が濃いものばかりだとかむ間もなく飲み込んでしまいます。
例えば主食のごはんはそのまま、おかずにはしっかり味付けをするというように、1食の中でメリハリをつけるとよいでしょう。
体も心も満足【簡単】レシピ
以上の点を踏まえて、食後の満足感が高い簡単レシピを紹介します。
バーベキューチキン

【材料(2~3人分368円)】
手羽元:8本(292円)
〇塩:小さじ1/3(-円)
〇黒コショウ:少々(-円)
〇おろしにんにく:1片分(7円)
〇カレー粉:小さじ1/2(6円)
【タレ】
・ ケチャップ:大さじ3(18円)
・ ウスターソース:大さじ3(14円)
・ 砂糖:小さじ1(1円)
・ 酢:小さじ1(1円)
・ 酒:大さじ2(16円)
・ 玉ねぎすりおろし:1/8(9円)
植物油:大さじ2(4円)
【作り方】
1. フライパンで手羽元を入れ、〇をもみこむ
2. フライパンにフタをして強火で加熱する ジュウジュウ音が聞こえたら中火にして7~8分加熱する
3. フタを取り再び強火にしてタレを煮詰めながら、手羽元にからめる
鶏ごぼうきんぴら

【材料(2~3人分456円)】
鶏モモ肉:1枚(250円)
ごぼう:1本(167円)
塩:少々(-円)
ごま油:大さじ1(16円)
砂糖:大さじ1(2円)
酒:大さじ2(16円)
しょうゆ:大さじ1・1/2(5円)
【作り方】
1.鶏肉は切って塩をふり、ごぼうはたたいて割る
2.フライパンにごま油を熱し、鶏肉、ごぼうを炒め、三温糖、酒、を加えてふたをして蒸し焼きにする
3.しょうゆを混ぜて器に盛りる
睡眠不足やストレスの影響も
睡眠不足が続いたり、ストレスを感じたりしている状態は体内の自律神経やホルモンのバランスを崩しやすくします。
そうすると食欲が増したり、満腹を感じづらくなったりすることがあるのです。
こうなると食事の量や食べ方を気をつけても、食後に物足りなさを感じることがおきてきます。
体は非常事態をうけて栄養を体に蓄えようと、いつも以上に食べるよう指示を出しているのです。
ただその通りに食べてしまうと食べ過ぎで、食費がかさみ、別の体の不調が出てくる可能性が高まります。
食事とあわせて生活習慣も見直せるとよいでしょう。
節約のためにと食事量を減らしすぎてしまって体調を崩したら本末転倒ですし、必要以上に食べ続けたら節約になりません。
食事は必要量をゆっくり食べて、食費節約につなげてください。(執筆者:栄養士、管理栄養士 小原 水月)