令和2年はコロナの影響で収入に影響があった人も少なくないと思います。
そんな状況ですから、そもそも家を買うかどうか悩んでしまう方もいることでしょう。
今回は「それでも家を買う」と決めた方のお役に立つ、住宅ローン「フラット35」の審査について解説します。
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目次
住宅ローンの審査には前年の年収が必要
住宅ローンの審査には前年、前々年の収入が必要です。
よって、令和3年1月以降の審査では令和2年と令和元年の収入が必要です。
とりわけ前年の年収は直近の収入でもあり重要です。
現在は特に、令和2年の収入がコロナで下がってしまったという人もいることでしょう。
理由がコロナだとしても銀行としてはその収入で審査をせざるを得ないわけです。
すると令和元年の収入なら大丈夫だけど、令和2年の収入では返済比率が収まらないという人も出てきてもおかしくありません。
返済比率とは収入に対する返済額の割合です。
コロナの影響で年収が下がった人の3つの対処法
こういった時にできる対処法としては、次のようなことが考えられます。
2. 審査金利の低い銀行に審査を申し込む
3. 借入額を減らす
まずは、奥さんにも収入があるなら、夫婦2人の収入で勝負するという選択肢も考えられます。
変動金利で審査してくれる銀行を探す
さらに銀行によって違う審査金利の少しでも低い銀行を選んで、審査を申し込むという方法も考えられます。
都市銀行よりも地方銀行や信用金庫の方が、変動金利で借りるのを前提に審査を申し込むと一般的な審査金利ではなく、変動金利で審査をしてくれる銀行もあります。
(厳密にいうと、保証会社が対応してくれています)
審査金利とは、返済比率を計算する時に採用している金利です。
実際には変動金利で借りるつもりでも、長期に渡る住宅ローン返済での金利変動リスクに耐えられるか判断するために、高めの金利で審査をしています。
よって、この審査金利をできるだけ低くする方が審査を申し込む側にとっては有利です。
変動金利の金利で審査をするとなると「その審査で本当に大丈夫だろうか」と将来的な金利上昇を案じますが、実際には現在ですと0.875%程度の一般的な変動金利で審査してくれます。
都市銀行の審査金利の3%や3.5%と比較すると、かなり有利です。
返済比率が収まらないなら借入額を減らすというのが実は1番堅実な方法かもしれませんが、それでは希望の物件が購入できないということも起こります。
そうするとやはり審査金利が低い銀行を選ぶ、かつ収入合算できるならかなり可能性は高まります。
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フラット35の審査で使う年収は年度切替
フラット35を「銀行では審査に通らない人の受け皿」という認識を持っている不動産の営業マンが少なくありません。
そういった側面があることは否定はしませんが、それだけのローンではありません。
令和2年の収入が減ってしまった人にとって、フラット35は有利な住宅ローンです。
その理由は
という仕組みにあります。
フラット35では、昨年の年収は新年度になってから採用するということです。
つまり令和2年の年収は、令和3年4月以降の申込から審査に適用されます。
よって令和3年の1月~3月の間の申込で求められる前年年収は、令和元年の収入を指しています。
つまり令和2年の下がってしまった収入は使われないということです。
これを知っていれば、まだ令和2年の収入が下がって審査に苦戦している人も可能性が高まります。
フラット35に夫婦の収入を合算して審査をするというのは、かなり可能性が高まるかもしれません。
もちろん審査は返済比率だけではありませんが、そもそも返済比率が収まらないと申込もできませんので、ちょっとした知恵として覚えておくと良いでしょう。
もちろん冒頭でも触れましたが「会社や仕事の未来に不安があるのに家を買っても良いかどうか」という問題はクリアされていて、「家を買おう!」と動ける人に向けてのお話であることは改めてご理解ください。(執筆者:佐藤 陽)