2020年に多くの企業で株主優待の廃止・改悪が発表されました。
さらに配当についても減配した企業は多く、「日経平均は上がったけど全然もうかってない」という方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、2021年に株価上昇も狙える「増配期待の高配当株主優待銘柄」をご紹介します。
今回紹介する銘柄は、どの銘柄も配当利回りだけで4%近くあり、減配がなければ株価の下落圧力は小さいでしょう。
ぜひポートフォリオ見直しの参考にしてください。
※株価や指標は2021年1月22日現在の情報
目次
タマホーム(1419)

【株主優待内容】
(100株以上)500円相当のクオカード
※3年以上継続保有者は1,000円相当のクオカード
【株主優待実施月】
5・11月(年2回)
【配当利回】3.93%
【総利回】4.46%
タマホームは注文住宅大手の会社です。
CMを見て名前を知っている方は多いでしょう。
今、日本では「戸建住宅」の人気が高まっています。
理由は「テレワークの浸透」、「家族時間の増加」などがあります。
日本の大手企業である電通が本社ビルの売却の検討を発表しました。
テレワークが定着し、未使用のオフィススペースが出たため、今後は売却先から現在の本社ビルの業務に必要な分だけ借りるようです。
電通のように、一定期間テレワークを導入しても業務に支障がなかった会社はオフィス縮小、解約を検討するようになるでしょう。
従来のようにオフィスに出社する必要がなくなれば、都心から離れた場所にテレワーク環境の整った家を建てようと考える人が増えるのは必然です。
実際にタマホームの2020年12月の注文住宅受注金額の前年同月比は142%とかなり好調でした。
参照:タマホーム
また、家族の在宅時間の増加で仕事部屋、勉強部屋、収納スペースなど多様なニーズを満たす必要が出てきました。
注文住宅なら家族のニーズに応えることが可能でうってつけです。
コロナで戸建が人気の理由の詳細については以前の記事をご覧ください。
戸建銘柄の中でもタマホームは毎年増配しており、4年で配当金は7倍になっています。

1月14日に増配を発表していますが、タマホームの好調な受注状況を考えると、再度増配を発表してもおかしくはないでしょう。
さらに来期以降の業績も期待が持てます。
コロナが収まったとしても、ある程度テレワークは定着したため、以前のような完全なオフィスワークには戻らないからです。
今後は同僚がテレワークや家族のために家を建て、その新生活の話を聞くうちに戸建の良さに気づいて自分も家を建てる、なんて動きも考えられます。
タマホームに投資する際の注意点として、業績が悪化した場合には減配の可能性が高いことがあります。
タマホームは利益の約40%を配当金に回しており、今後も同様なら業績が悪化した場合は利益の減少に伴い、配当金も減額されるでしょう。
エフティグループ(2763)

【株主優待内容】
※正確には「株主様ご優待プラン」
光回線や電力サービスの割引が可能
【株主優待実施月】
3月(年1回)
【配当利回】4.56%
エフティグループ(以下エフティ)は、オフィス向け通信関連機器の販売を主力事業とする会社です。
その他に光回線事業なども手掛けており、株主優待という形ではありませんが「株主様ご優待プラン」として、株主向けに光回線や電力サービスの割引プランを提供しています。
エフティは2021年3月期第2四半期の売上がマイナス10.6%だったものの、営業利益がプラス10.9%と好調でした。
売上の減少は子会社の売却が理由であり、今回の決算ではむしろ現存事業の好調さが際立つものでした。
業績好調に加え、毎年増配する銘柄としても魅力があります。
以下はエフティの配当金の推移です。

エフティは利益に対して50%を目途に配当することを基本方針としているので、利益の増加は増配につながる可能性が高いです。
エフティに投資する際の注意点として、世の中のオフィス縮小の動きによるオフィス機器需要低下があります。
しかし、ネットワークインフラ事業というストックビジネスが急速に伸びているため、過度に心配する必要はないでしょう。
4℃ホールディングス(8008)

【株主優待内容】
「100~499株」
・ 2,000円相当の自社商品
・ 2,000円相当の株主ご優待券
・ 1,000円分の日本水フォーラムへの寄付
※500株、1,000株、3,000株、5,000株以上で金額が増加する。
詳細は4℃の株主優待制度を参照
【株主優待実施月】
2月(年1回)
【配当利回】4.14%
【総利回】5.17%
4℃ホールディングス(以下4℃)は若者向ジュエリーブランド「4℃」を展開する会社です。
株主優待は自社製品やお店で使える株主ご優待券が選択できるので、利用しやすい株主優待でしょう。
4℃は年々業績が悪化しており、2021年2月期もコロナの影響を受け厳しい決算が予想されます。
業績悪化にもかかわらず4℃をおすすめする理由は、4℃の並々ならぬ増配意欲があるからです。
4℃は10期連続増配を予定し、配当金の推移も右肩上がりです。

4℃は将来100円配当を目指しており、実現に向けて着実に進んでいると言えます。
4℃に投資する際の注意点として、やはり業績には注意が必要です。
利益に対して配当金の割合が100%に近づきつつあり、増配しても1円ずつという可能性があります。
また現在よりもさらに業績が悪化し赤字転落した場合、ある日いきなり増配を諦めて配当金を半分以下に減配する可能性もないとは言えません。
高配当銘柄には「欠点」があることを忘れずに
高配当銘柄には、何か理由があって低い評価がされていることがほとんどです。
今回紹介した銘柄に限らず高配当銘柄に投資する際には、投資する銘柄の欠点を調べてから投資するとよいでしょう。(執筆者:株式ディーラー歴10年 勝越 晴)