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年金の疑問をインターネットで解決すると、間違う場合がある3つの理由

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年金の疑問をインターネットで解決すると、間違う場合がある3つの理由

年金に関する用語や手続きなどで疑問が生じた際は、まずは日本年金機構のウェブサイトを見た方が良いのです。

また国民年金に関する疑問については、住所地の市区町村のウェブサイトでも良いと思います。

これらの上乗せを支給するため、勤務先が実施している企業年金に関する疑問については、企業年金連合会のウェブサイトを見ると、解決のヒントが見つかるかもしれません。

各人が自らの意思で加入する国民年金基金、またはiDeCo(個人型の確定拠出年金)の疑問については、国民年金基金連合会のウェブサイトが参考になります。

ただこういった機関のウェブサイトを見るより、検索エンジン(Google、Yahoo!など)の検索窓に、特定のキーワードを入力して、年金に関する疑問を解決している方が多いと思います。

またQ&Aサイト(Yahoo!知恵袋、OKWAVEなど)を利用して、年金に関する疑問を解決している方もおります。

いずれについても次のような3つの理由により、本人が気づかぬうちに、間違えてしまう場合があるのです。

年金の疑問

【理由1】古い情報と新しい情報が混在している

原則65歳から老齢基礎年金を受給するには、公的年金(国民年金、厚生年金保険、共済年金など)の保険料を納付した期間や、国民年金の保険料の納付を免除された期間などを合わせた期間が、かつては原則25年以上必要でした。

しかし法改正が実施されたため、2017年8月からは原則10年以上あれば、老齢基礎年金を受給できます

ここ数年の間に作成されたウェブページ、または定期的に情報を更新しているウェブページには、原則10年以上あれば老齢基礎年金を受給できるという、正しい情報が記載されております。

一方でかなり昔に作成され、情報を更新していないウェブページには、原則25年以上必要という、作成された当時は正しかったけれども、今は間違っている情報が、記載されている場合があるのです。

また年金制度は頻繁に法改正が実施されているため、古い情報と新しい情報が混在しているケースは、これ以外にもたくさんあるのです。

そのため検索エンジンを使って調べている時に、法改正される前の古い情報を最初に見つけた場合には、間違った情報を頭に入れてしまうのです。

こういったミスを防ぐためには、できるだけ複数のウェブページを見た方が良いと思います。

また複数のウェブページを見た時に、記載されている情報が一致しなかった場合には、ウェブページが作成された年月日を比較し、どれが1番新しい情報なのかを確認してみるのです。

なお例えば年金の勉強をするために、図書館で出版日が古い本を借りた場合にも、法改正される前の古い情報を、頭に入れてしまう可能性があるため、できるだけ出版日が新しい本を借りた方が良いと思います。

【理由2】性別、年齢、家族構成で違いがある

例えば夫婦で自営業を営んでいるため、どちらも国民年金に加入している場合、夫が障害基礎年金や老齢基礎年金を受給しないで死亡した時は、妻は60歳から65歳になるまで、寡婦年金を受給できる可能性があります。

この寡婦年金は名称が示すように、「寡婦」を対象にした年金なので、妻が死亡しても夫は受給できないのです。

一方で夫婦共に会社員をしているため、どちらも厚生年金保険に加入している場合、いずれが死亡した時にも、遺族厚生年金を受給できる可能性があります

ただ夫が死亡した場合には、妻は何歳であっても、遺族厚生年金を受給できますが、妻が死亡した場合には、遺族基礎年金を受給できるケースを除き、夫は55歳以上でないと、遺族厚生年金を受給できないのです。

また再婚などで受給権を失権しなければ、遺族厚生年金は終身年金になりますが、子供のいない30歳未満の妻については、5年の有期年金になってしまうのです。

このように性別、年齢、家族構成などで、受給できる年金の種類や、受給できる期間などが変わってくるのです。

年金の世界ではよくある話なのですが、Q&Aサイトでは質問者の性別、年齢、家族構成などが、記載されていない場合が多いと思います。

そのため年金に詳しい方が真面目に回答しても、間違ってしまう場合があるのです。

【理由3】生年月日に応じた経過措置がある

原則10年の受給資格期間を満たしている方は上記のように、国民年金から支給される老齢基礎年金を、原則65歳から受給できます

また老齢基礎年金の受給資格期間を満たしており、かつ厚生年金保険の加入期間が1か月以上ある方は、厚生年金保険から支給される老齢厚生年金を、原則65歳から受給できます

ただ現在は60歳だった老齢厚生年金の支給開始を、65歳に向けて数年ごとに、引き上げしている最中なのです。

そのため厚生年金保険の加入期間が1年以上ある場合には、次のような年齢から、老齢厚生年金(正確には「特別支給の老齢厚生年金」)を受給できます。

生年月日に応じた経過措置

【60歳から受給できる方】

1953年4月1日以前生まれの「男性」

1958年4月1日以前生まれの「女性」

【61歳から受給できる方】

1953年4月2日~1955年4月1日生まれの「男性」

1958年4月2日~1960年4月1日生まれの「女性」

【62歳から受給できる方】

1955年4月2日~1957年4月1日生まれの「男性」

1960年4月2日~1962年4月1日生まれの「女性」

【63歳から受給できる方】

1957年4月2日~1959年4月1日生まれの「男性」

1962年4月2日~1964年4月1日生まれの「女性」

【64歳から受給できる方】

1959年4月2日~1961年4月1日生まれの「男性」

1964年4月2日~1966年4月1日生まれの「女性」

【引き上げが終了して65歳になる方】

1961年4月2日以降生まれの「男性」

1966年4月2日以降生まれの「女性」

以上のようになりますが、これ以外にも生年月日に応じた経過措置は、いくつも存在しております

また解説を複雑にしないため、経過措置を省略しているウェブページもあるので、そこに記載されている内容をしっかりと理解しても、間違ってしまう場合があるのです。

対面や電話での年金相談でインターネットの欠点を補う

年金の支給開始を原則65歳より早める、「繰上げ受給」を利用する場合など、後で取り消せない決断をする時は特に、インターネットで調べるだけでなく、対面で相談した方が良いのです。

対面での年金相談ができる機関としては、年金事務所や街角の年金相談センターがあります。

また銀行や信用金庫などが、これから年金を受給する方などを対象にして、対面での年金相談を実施している場合があります。

ただ現在は新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、不要不急の外出自粛が政府から要請されているので、ねんきんダイヤルでの電話相談を利用してみるのです。

こういったものをうまく活用して、インターネットの欠点を補えば、間違いは少なくなると思います。(執筆者:社会保険労務士 木村 公司)

《木村 公司》
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執筆者:社会保険労務士 木村 公司 木村 公司

1975年生まれ。大学卒業後地元のドラッグストアーのチェーン店に就職。その時に薬剤師や社会福祉士の同僚から、資格を活用して働くことの意義を学び、一念発起して社会保険労務士の資格を取得。その後は社会保険労務士事務所や一般企業の人事総務部に転職して、給与計算や社会保険事務の実務を学ぶ。現在は自分年金評論家の「FPきむ」として、年金や保険などをテーマした執筆活動を行なう。 【保有資格】社会保険労務士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、DCプランナー2級、年金アドバイザー2級、証券外務員二種、ビジネス実務法務検定2級、メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅱ種 寄稿者にメッセージを送る

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