全国で水道料金の引き上げが相次いでいます。
埼玉県川口市ではすでに2021年1月より平均25%引き上げられ、神奈川県横浜市では2021年7月より平均12%水道料金の引き上げが決定しています。
このニュースを最初に聞いたとき、
と思いました。
昨年はコロナ禍への経済支援策として、多くの自治体で「水道料金の減免」が実施されました。
しかし全国的にみると、もともと日本の水道事業は「水道管の老朽化」という大きな問題を抱えており、水道料金は引き上げざるを得ないというのが実情だそうです。
そこで今回は、家庭でできる水道料金の値上げへの対策を考えてみたいと思います。
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目次
1. 家庭で1番水が使われている場所は「風呂」
東京都水道局によると、一般的に家庭で1人が使う水の量平均224リットルのうち、1番割合が大きいのはお風呂で40%を占めています。

昨春より同居している母が
と話しているのを聞き、湯ぶねにお湯を張るのはそんなに費用がかかるのだろうかと日ごろから疑問をもっていました。
そこでシャワーと湯ぶねでは、何分を境に節約になるのか、試算しました。
シャワーVS湯ぶね、お得の境界線は「18分」
一般的な浴槽のサイズですと、お湯をはると200リットルの水を必要とします。
対して、シャワーを1分間浴びたときに流れ出る水の量は約12リットルです。
浴槽1杯分はシャワー約17分間に相当しますので、18分以上シャワーを浴びる場合には浴槽にお湯をはった方が、水道代は少なくて済む計算です。
1人で18分もシャワーを浴びるケースは考えにくいので、1人暮らしなら母の言うようにシャワーで済ませた方が水道代は安いでしょう。
しかし4人家族の場合、1人5分浴びれば合計20分シャワーの水を流すので、お得の境界線を越えてしまいます。
家族の人数が多い場合は、湯ぶねにつかった方がお得です。
2. トイレは旧式 → 新式で年間2万円水道代が安くなる
2番目に使用量の割合が高いのがトイレで、その割合は21%です。
現在のトイレは節水技術が発達し、TOTOのサイトによると1987~2001年商品で1回流すのに13リットル必要だった水量は、現在の主流商品では3.8リットルまで減っています。
古いタイプの便器なら、リフォームにより単純計算でトイレの水道代を約7割減らせるということです。
1L=0.24円、4人家族で1人が1日6回トイレを使用する場合、具体的な水道代を計算します。
旧式の年間水道代
0.24 × 13 = 1回流すのに3.12円
3.12円 × 6回 × 4人 × 365日 = 年間2万7,331円
新式の年間水道代
0.24 × 3.8 = 1回流すのに0.912円
0.912円 × 6回 × 4人 × 365日 = 年間7,989円
旧式と新式では年間2万円、水道代に差が出ることがわかりました。
3. トイレのレバーは基本「小」
またトイレの洗浄レバーには「大」と「小」がありますが、特に理由はなくてもいつも「大」を使っている方も多いのではないでしょうか。
できるだけ「小」を使うようにすれば、大3.8リットルに対して小3.3リットルで済みます。
その差はわずか0.5リットルですが、年間で考えると約1,000円、10年間なら1万円と大きな差になりますので、心がければ確実に節水・節約につながります。
耐用年数を超えた水道管の割合、ワースト大阪は28.3%
下の表は47都道府県の水道管のうち、2015年度末時点の法定耐用年数を過ぎてしまった水道管の割合を示したものです。
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大阪が突出しており、神奈川、山口、宮城などが続いています。
現在、日本の水道管の多くが高度経済成長期に敷設されたもので、それらが一気に法定耐用年数を迎えています。
耐用年数を過ぎた水道管はもちろん取り換えなくてはならず、多額の費用を要します。
その費用は水道代の値上げというかたちで、私たち市民にものしかかってきます。
現在は水道代を据え置いている自治体も、コロナ禍を乗り越えた先には一気に値上げに踏み切る可能性が高いので、ふだんから節水に取り組んで備えましょう。(執筆者:元地方テレビ局記者の主婦ライター 石田 彩子)