この記事の最新更新日:2021年4月22日
JR東日本の交通系IC「Suica」、それをスマホなどでも使えるようにしたのが「モバイルSuica」(iOS版は「Suicaアプリ」)です。
先日リニューアルが行われましたので、今回は、それも踏まえた上でモバイルSuicaのメリットを中心に紹介しましょう。
目次
【メリット1】カードタイプよりもポイント高還元
カードタイプのSuicaと比較して、モバイルSuicaはより多くのJRE POINTが還元されます。
現在、カードタイプSuica、モバイルSuicaともに、ビューカードからクレジットチャージすると、還元率は1.5%です。
しかし、7月1日から、「ビューカード → カードタイプSuica」へのクレジットチャージの還元率が、0.5%にダウンします。
一方、「ビューカード → モバイルSuica」へのクレジットチャージの還元率は変わりません。
カードタイプSuicaの4倍貯まるサービスもある

JRE POINT WEBサイトに登録したSuicaの残高で
・ Suicaグリーン券を購入する
・ 「タッチでGo!新幹線」を利用する
などすると、ポイントが貯まります。
カードタイプSuicaの利用は200円ごとに1ポイントなのに対して、モバイルSuicaなら50円ごとに1ポイントと、4倍です。
モバイルSuica定期券の購入がさらにお得に
カードタイプSuica定期券をビューカードで購入すると、これまでは1.5%還元のところ、7月1日以降は0.5%に引き下げられます。
一方、モバイルSuica定期券をビューカードで購入すると、これまでは1.5%還元のところ、7月1日以降は3~4%に還元率アップです(ビューカードの種類によって還元率は異なる)。
【メリット2】チャージ可能なクレジットカードが多い

手持ちの現金がなくても、クレジットチャージできれば残高を気にせずSuicaを使えます。
カードタイプSuicaにチャージ可能なクレジットカードは、ビューカードしかありません。
一方、モバイルSuicaにチャージ可能なクレジットカードは、ビューカードだけでなくJCB、VISA、Mastercard、アメックス、ダイナース、JR東海エクスプレス・カードと多彩です。
わざわざビューカードを発行しなくても、今あるクレカを登録できます(ポイント付与の可否はカードによって異なる)。
リニューアルでGoogle Payによる決済が可能に

これまでは、モバイルSuica定期券やSuicaグリーン券の新規購入の際には、クレジットカードを新たに登録する必要がありました。
リニューアルによって、これらの支払いにGoogle Payに登録してあるカードも選べるようになり、Android端末はより簡単かつ安心してモバイルSuicaを使えるようになったのです。
【メリット3】スマホがあればすぐにチャージ可能

JR東日本エリアには、無人駅やチャージ可能な券売機を設置していない駅も少なくありません。
そんな駅に降りて、オートチャージ設定をしていないSuicaの残高が足りないとなったら大変です。
カードタイプSuicaの場合、現金チャージができるコンビニなどを探さなければなりません。
一方、モバイルSuicaならその場でスマホを使ってチャージできます。
【メリット4】行列に並ばずに定期券を購入できる

3月から4月にかけては、定期券を購入するために窓口や券売機に行列ができていることも多いです。
モバイルSuicaなら、スマホ1つでどこからでもモバイルSuica定期券を購入(新規・継続のどちらも)できます。

リニューアルによって、多少複雑な経路のモバイルSuica定期券も、分かりやすく購入できるようになりました。
【メリット5】お財布がスリムになる

複数のカードタイプ電子マネーを使い分けようとすると、財布のカード入れがパンパンになってしまいますが、モバイルSuicaならそんな心配はいりません。
リニューアルによって、iPhoneでは可能となっている複数枚のモバイルSuicaを発行が、Android端末の一部機種でもできるようになりました。
「仕事用とプライベート用」「移動用と買い物用」などの使い分けもできます。
【メリット6】バッテリー切れでもある程度は大丈夫

モバイルSuica利用の際に最も気になるのが、バッテリー切れです。
バッテリー切れであっても、予備の電源が残っている状態(「充電してください」を意味する電池マークが表示される)ならば、改札を通れます。
【メリット7】万が一使わなくなっても残高を払い戻せる

事前チャージ型の電子マネーは、1度チャージした残高は払い戻せないことが多いです。
一方、カードタイプSuicaやモバイルSuicaは、万が一使わなくなっても残高を払い戻せます。
以下の流れで、アプリ上から手続き可能です。
2. 「Suica管理」をタップ
3. 「このSuicaを払いもどす」をタップ
4. 内容を確認の上で「上記内容を確認しました」をチェックし「次へ」をタップ
5. 金融機関名、口座種別、口座番号、名義人を入力し「確認する」をタップ
6. 内容を確認の上で「払いもどしてカードを削除する」をタップ
7. 「払いもどして退会する」をタップ
8. 「アプリ終了」をタップ
【メリット8】Apple Pay・GoogleのSuicaより多機能

モバイルSuicaをインストールしていないスマホでも、Apple PayやGoogle PayからSuicaを利用できます。
しかし、Apple Pay・GoogleのSuicaより、モバイルSuicaは多機能です。
例えば、Google PayのSuicaでは利用不可となっている
・ エクスプレス予約
・ Suicaの再発行
・ JRE POINTの受取
・ ネット決済
・ 退会
が、モバイルSuicaならばできます。
モバイルSuicaの注意点5つ
ただし、モバイルSuicaは以下の点に注意してください。
注意点(1) 完全に電池が切れると使えない
メリット6で、予備電力が残っていればモバイルSuicaはOKと書きました。
しかし、電源ボタンを押して何の反応もない状態ですと、予備電源すらないのでモバイルSuicaは利用できません。
その場合は、現金精算をして電源がONにできたら、改札入場時の記録を消去してもらってください。
注意点(2) どのAndroid端末がモバイルSuicaの複数枚発行可能か
メリット5で、Android端末でもモバイルSuicaの複数枚発行が可能となったと書きました。
「OPPO RenoA」という端末では、複数枚のSuicaを発行できないという口コミもありました。
最新情報では、以下のURLから対応機種を確認できるようになりました。
参照:East Japan Railway「モバイルSuica・PASMO対応機種一覧掲載 (pdf)」
注意点(3) 大学・専門学校以外のモバイルSuica定期券はない
モバイルSuica定期券を発行できるのは、大学・専門学校のみです。
小学校・中学校・高校の通学定期券はモバイルSuicaにできないので、カードタイプSuicaにしてください。
注意点(4) アプリからバス定期券を購入できない

モバイルPASMOは、鉄道、バスそれぞれの定期券を1種類ずつ、スマホから購入できます。
一方のモバイルSuicaアプリから、バスの定期券を購入することはできません。
バス会社の窓口へ行かなけれあならないので、少し面倒です。
注意点(5) リニューアルで遅くなった

大規模な変更が施されたAndroidのモバイルSuicaで、「リニューアル後の動きが遅くなった」との口コミが散見されます。
アップデートを期待したいところですが、それまではアプリ起動やチャージなどは、時間に余裕を持って行った方がよさそうです。
モバイルSuicaはさらなるアップデートに期待
モバイルSuicaが大幅なリニューアルを実施しました。
それによって、Google Payでの決済が全面的に解禁されたり、Androidの一部機種で複数枚のSuica発行が可能になったりしました。
それ以外にも、モバイルSuicaはポイント面で優遇されており、利便性も高いです。
操作性に若干の課題があるようなので、さらなるアップデートに期待しましょう。(執筆者:キャッシュレス研究家 角野 達仁)