「保険料を節約したい」と医療保険の見直しをする人は多くいます。
もし、自分の親が高い医療保険に入っていたら、この機会に家族で話してみましょう。
高齢になると、健康に対する不安が大きくなります。
そういったケースは少なくないのです。
でも高額療養費制度を利用した場合の自己負担額を知れば、今入っている医療保険の保障額が適切かを知ることができます。
あなたの親の医療保険に無駄がないか、判断基準となる2つのチェックポイントを解説します。

目次
高額療養費制度とは
高額療養費制度とは、医療機関や薬局の窓口で支払った額(※)が、ひと月(月の初めから終わりまで)で上限額を超えた場合に、その超えた金額を支給する制度です。
※入院時の食費負担や差額ベッド代は含みません。
厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ~平成30年8月診療分から~」より引用自己負担分額の上限は年齢や所得によって違います。
例えば70歳以上で一般的な所得(年収156万~370万円)であれば次のようになります。
医療費のうち、ひと月あたり自己負担上限額は5万7,600円。(外来の自己負担上限額は1万8,000円)
このケースに該当する人は、入院して医療費が高い場合でも、自己負担額は5万7,600円までです(プラス食費と差額ベッド代)。
あとは国民年金保険などの公的保険が負担してくれます。
医療保険が高額になっているケース、チェックポイント2つとその対策
【チェック1】入院給付金額が必要以上に高すぎないか
医療保険の入院給付金額で多くみられるのは、入院1日につき5,000円や1万円の契約です。
例えば1か月入院したら、もらえる入院給付金額は次の通りとなります。
同じように入院1日につき1万円の場合、1万円 × 30日=30万円
実際に支払う自己負担額は5万7,600円(プラス食費、差額ベッド代)でした。
それに比べて15万円や30万円という入院給付金額は、多いのではないでしょうか。
さらに、高齢者には年金収入があります。
年金収入も考慮して、必要な入院給付金額を決めましょう。
【チェック2】不要な死亡保障で保険料が高くなっていないか
70歳女性の例でみてみましょう。
死亡保障の付いていない医療保険の場合、毎月支払う保険料は、各社5,000円くらいとなっています。
では特約で100万円の死亡保障を付けた場合はどうでしょう。
例えばA社の保険料は毎月約1万3,000円となります。
1年間で計算すると合計15万円以上です。
10年間払い続けると、保険料を合計で150万円以上も支払うことになるのです。
もし100万円家族に残したいのであれば、コツコツ貯金してもいいでしょう。
100万円貯めるのであれば、10年だと毎月8,400円の積み立てで貯まります。
死亡保障金額分がすでに貯蓄で準備できているなら、その特約は不要でしょう。

【チェック3】取るべき対策
まず保険証券をみて、上記2つのチェックポイントを確認します。
もし入院給付金額が高すぎるようなら、減額を検討します。
死亡保障が不要と判断した場合は、特約部分のみを解約しましょう。
医療保険の商品によっては、減額や特約の解約ができない場合もあるので確認が必要です。
今入っている医療保険を解約して、新しく医療保険に入り直す場合は注意しましょう。
年齢や持病により、現在入っている保険よりも毎月払う保険料が高くなる可能性があるからです。
また年齢が高い、持病がある場合は新しく医療保険に入れないこともあります。
親の医療保険の確認、見直しを早めに行いましょう。
必要以上に高い保険料を払い続けるのはもったいないことです。
上記2つのチェックポイントを確認し、自分の親に本当に必要な医療保障額を一緒に考えてみてください。(執筆者:山口 智子)