死亡保険は、生命保険の中でも1番大事な保険です。
家族の一員、特に大黒柱に万一のことが起きてしまった場合は、精神的なダメージだけでなく、経済的なダメージも非常に大きいものです。
遺族が経済的にこれまでと同様の生活を営むために必要な保険が、死亡保険です。
子どもなどの扶養家族がいる場合は死亡保険への加入が必須ですので、多くの方が加入されていることだと思います。
ですがひと口に死亡保険といっても、さまざまな種類があります。
代表的なもので
・ 終身保険
・ 収入保障保険
の3つがあります。
死亡保険に加入されているほとんどの方が、このいずれかの保険に加入されているでしょう。
ではこの3つの死亡保険は、どの保険で加入するのが最も費用対効果が高いでしょうか。
今回は3つの保険の特徴と、死亡保障はどの保険で確保するべきかについて、解説したいと思います。

目次
定期保険は「期間の定められた定額死亡保険」
その名の通り「期間の定められた死亡保険」です。
例えば
・ 保険期間:10年
の定期保険に加入したとします。
この場合加入から10年以内、つまり保険期間内に万一があった場合に3,000万円を受け取れます。
加入から1年後であったとしても、9年後であったとしても、遺族が受け取れる保険金は3,000万円です。
保険期間内に万一があった場合はどのタイミングでも3,000万円をのこせますので、非常にわかりやすい死亡保険です。
保険期間満了後、保障はなくなります。
必要なくなった場合途中で解約できますが、一般的に定期保険は掛け捨てです。
解約返戻金などはありません。
終身保険は「一生涯続く死亡保険、貯蓄機能もあり」
その名の通り「一生涯続く死亡保険」です。
加入から10年後であろうが、30年後であろうが、どの時点で万一があった場合保険金が払われます。
人はいつか死にますので、確実に遺族に保険金をのこせる保険と言い換えられます。
また、貯蓄機能もある保険なので、解約すると解約返戻金が返ってきます。
万一があっても、解約してもお金を受け取れる保険ですので、昔は老後資金準備で活用されることもありました。
ですが度重なる利率改定で、今の終身保険に貯蓄面での魅力はありません。
また貯蓄型保険ということもあり、保険料は定期保険と比べて割高です。
保険料の払込最中に解約してしまうと、払込保険料よりも少ない解約返戻金しか返ってこないというデメリットもありますので、安易な加入は考えものです。

収入保障保険は「加入後、死亡保険金が逓減していく死亡保険」
こちらは加入後、経過年数とともに死亡保険金が減っていくシステムで、
というセオリーに沿った保険です。
子どもの養育費を例に考えるとわかりやすいですが、生まれたばかりの子どもが成人するまでは、20年間分の養育費が必要です。
ですが、10年後は残り10年間分の養育費があれば成人できます。
15年後はというと、高校と大学の資金さえあれば成人できます。
このように、遺族に必要なお金は経過年数とともに減っていきます。
ですので死亡保険金についても、徐々に減らしていく方が効率的だとする考え方を採用した保険です。
保険金の受取例
保険金の受け取り方も1,000万円や2,000万円といった保険金額を一度に受け取るのではなく、毎月10万円や15万円といった金額を受け取る形です。
例えば30歳男性が
・ 保険期間:60歳
の収入保障保険に加入したとします。
40歳時点で万一があった場合
40歳時点で万一があってしまった場合は、そこから60歳になったはずの時点まで、毎月15万円の保険金をのこせます。
遺族の受取金額(総額)は以下です。
15万円 × 12か月 × 20年間 = 3,600万円
50歳時点で万一があった場合
50歳時点で万一があってしまった場合は
15万円 × 12か月 × 10年間 = 1,800万円
となり、若い時に万一があってしまった場合よりも遺せる保険金額は少なくなります。
遺族に必要な保障額が経過年数とともに逓減していくことは、先に解説した通りです。
これを体現した形となりますので、非常に合理的です。
また、掛け金も最初に解説した定期保険よりも格安で加入することが可能なので、家計にも優しい保険です。
死亡保障を確保するのに1番適している保険は「収入保障保険」
3つの代表的な死亡保険を解説してきましたが、どの保険が死亡保障確保に適しているのでしょうか。
もちろん全てにおいてとは言えませんが、多くの場合で収入保障保険が最も費用対効果が高いと言えるでしょう。
これは必要保障額は逓減していくことが根拠です。
先に解説した養育資金だけでなく、住宅ローンや借入金などほとんどのものは経過年数とともに逓減していきます。
無駄なくより合理的に保険金を設定するためにも、この収入保障保険が最適と言えるでしょう。
また、定期保険や終身保険と比較して保険料が割安なのも魅力的です。
保険料は、家計の観点からすると「支出」にあたります。
これができるのが収入保障保険です。(執筆者:FP歴10年 冨岡 光)