6月は、3月期決算の企業の株主総会が集中するシーズンです。
それに伴い、約2週間前には株主のもとに「招集通知」および「議決権行使書」が届きます。
この「議決権行使書」はハガキとなっており、議案に対する賛否のいずれかに印をつけた後、ポストに投函して返送する仕組みです。
また、実際に株主総会に出席する場合には「議決権行使書」を郵送せずに当日総会受付で提出します。
これまでは上記の方法が一般的でしたが、最近普及しているのがスマートフォンによる議決権行使です。
今回、筆者はこの「スマートフォンでの議決権行使」を初めて体験してみたので紹介します。
目次
スマホによる議決権行使の手順
さっそく、スマホによる議決権行使の手順をお伝えします。
手順1. QRコードを読み取る
郵送された「議決権行使書」にQRコードが印刷されているので、まずはそれを読み込みます(「スマートフォン議決権行使用」の旨が記されているQRコードのみ有効ですのでご注意ください)。
このQRコードを読み込むことで、面倒なアドレス入力の手間なくスマートフォン用議決権行使サイトに行くことができます。
手順2. 画面をポチる
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遷移した画面には企業名のほか、すでに株主の情報が入力されているため、改めて住所や氏名などを入力する手間はありません。
画面をスクロールすると「すべての会社提案議案について「賛成する」」または「各議案について個別に指示する」ボタンを選択できるようになっています。

「すべての会社提案議案について「賛成する」」ボタンを選ぶと画面が遷移し、各議案について「賛成」「反対」いずれかを選択できます。
詳しい議案の内容は「招集通知」に記載されています。
「すべてに賛成」ボタンを選んでも、一応各議案について「賛成」「反対」を選べるようになっていました。
画面をスクロールすると「この内容で行使する」ボタンが現れます。

「この内容で行使する」ボタンを押すと「受付終了」画面となり終了です。

QRコードを読み込んでから「受付終了」まで、なんと30秒もかかりませんでした。
企業の株式事務を取りまとめる金融機関によってフォーマットは若干異なりますが、使い勝手は大きくは変わりません。
ハガキで議決権行使しようと記入まで済ませたものの、ついポストに投函しそびれるうち総会当日になってしまったという経験は筆者だけではないと思います(議決権行使のハガキは総会前日が到着締め切りの場合が多いのです)。
郵送での議決権行使と比較すると、手早く簡単にできるのでおすすめです。
スマホ議決権行使で抽選プレゼントのある企業も
コロナ禍において株主総会への出席をなるべる避けるように呼び掛けられている中、スマートフォンでの議決権行使を採用する企業がグッと増えた印象です。
今年は株式事務を行う一部の金融機関で、スマートフォンで議決権行使すると抽選でプレゼントがもらえる企画を開催していたりと、スマートフォンによる議決権行使の利用を促すような施策も目立っています。
「片手で数えられるほどしか議決権を持たないから行使しなくても変わらないんじゃ?」と思われる個人株主の方も少なくないと思いますが(筆者もその1人)、せっかくの権利なので行使し意思を表明するのも良いのではないでしょうか。(執筆者:取得優待は120以上 吉井 裕子)