「リボベジ」とはリボーンベジタブルの略で「再生野菜」を意味します。
いつもは捨ててしまう野菜の根っこやヘタなど使って再び育てて再収穫するのです。
難しい工程は一切なく、水につけておくだけでOKです。非常に簡単にちょっとした野菜を育てられます。
捨てるつもりの根やヘタ部分を使うので、野菜の種や苗を購入する必要はありません。
育てるためのプランターも、豆腐のパックなどを洗って再利用すれば容器代もかかりません。
毎日水を取り換える手間だけで、簡単に野菜を再収穫できるのです。
「彩りに緑野菜が欲しいけど、1束買うのは多いのよね」
といったように、野菜を少しだけ欲しいときに重宝します。
1回あたりの節約金額としては少額かもしれませんが、それが積み重なると意外と大きな差が出ます。
今回は、初心者でも簡単にできる「リボベジにチャレンジしやすい野菜」を紹介します。
目次
「リボベジ」チャレンジしやすい野菜
まずは、初心者でもチャレンジしやすい野菜を紹介します。
1. 豆苗

言わずと知れたリボベジの王様、豆苗です。
面白いほど成長が早く、リボベジ初心者でもほぼ失敗なしという入門編にはもってこいの野菜です。
根から5cmほど残してカットするのがコツで、1週間~10日ほどで再収穫できます。
水は根にかかるくらいまで入れます。こまめに取り換えてあげましょう。
再収穫できる回数は1~2回と言われていますが、3回目も収穫できる時もあります。
1回目では元の量の8割程度、2回目では半分程度の量です。
キッチンバサミでチョキチョキと切って収穫するので、お子さんも進んでお手伝いしてくれそうですね。
2. 大根の葉

お皿などの平らな容器に水をはり、大根の切り口を水につけておきます。水の入れすぎには注意しましょう。
5日ほどで新しい葉が出てきます。10日過ぎれば料理に使えるほどの量になります。
大根の葉は普段は捨ててしまうという方もいるかもしれませんが、実はこの葉の部分にはビタミン・ミネラル等の栄養が豊富に含まれています。
特に多く含まれるβカロテンは、根の部分には含まれていない栄養成分で、老化の原因となる活性酸素の除去や皮膚・粘膜の保護に役立ちます。
3. 葉ねぎ(青ねぎ)

根から5cmほど残してカットし、根の部分を水につけておきます。
できれば筒状になっている容器に、バラバラにならないよう輪ゴム等で束ねておきましょう。
10日ほどで料理に使えるほどの量を再収穫できます。
4. チンゲンサイ

根の部分を残して切ったら、水に漬けておきます。わりとすぐに葉が出て、目に見えて変化があるので楽しくできます。
しばらく成長させて土に移すとより成長しますが、今回は10日ほどで収穫しました。みそ汁に入れるのにちょうどよいと言えます。
再収穫したチンゲンサイと豆腐の味噌汁

5. ビーツ

ビーツは、「食べる輸血」「奇跡の野菜」とも言われるほど栄養価の高い野菜です。
普段食べる根の部分は「真っ赤な色」が特徴で、料理を彩りゆたかにしてくれます。
葉酸などのビタミンや、カリウムなどのミネラル、そして現代人に不足しがちな食物繊維が多く含まれています。葉の部分も含めて栄養満点です。
ビーツの葉には、貧血を予防する鉄分や目の健康や保護に働くビタミンAが多く含まれます。
スープに入れたり、野菜炒めに入れるなどいろいろな料理に使えますが、いつものトーストにのせて「アレンジトースト」にしてみませんか。
食パンにとろけるチーズをのせて、軽くボイルしたビーツの葉を並べてトースターで焼きます。
ひと口食べると、ビーツの甘い香りとほろ苦いうまみが広がります。
再収穫したビーツの葉とチーズのトースト

元気に育てるポイント
元気に育てるポイントは次の通りです。
・ 水の入れすぎに気を付けましょう。多すぎると根腐れや異臭の原因となります。
・ 水は毎日こまめに取り換えましょう。
・ 異臭がしたり、根元から腐ってきている時には、思い切って捨ててください。
・ 容器もこまめに洗ってください。ヌルヌルしてきたら、水ですすいでぬめりを取りましょう。
・ 風通しのよい直射日光の当たらない場所が理想です。
・ 収穫時期を逃すとすぐに枯れてしまいます。だいたい10日前後、良いタイミングを見極めましょう。
・ 再収穫した野菜は加熱して食べましょう。
リボベジで節約効果と心の癒やしを
紹介した根菜類や葉物野菜はスーパーで購入すると98円~300円程します。
1袋買うと余ってしまうという時に、ちょうどよい量を「ほぼ0円」でお得に用意できるのがリボベジのメリットです。
野菜が日々すくすくと育っていく過程を眺めるのは、楽しいものです。
まるで小学生の頃の植物観察日記を書くような懐かしい気持ちになり、心の癒やしにもなりました。
生命力あふれる緑の葉はキッチンを華やかにしてくれるうえに節約効果も抜群です。
おうち時間の充実と節約度アップに、リボベジ・プチ家庭菜園にチャレンジしてみてください。(執筆者:中島 さゆり)