クレジットカードを使う楽しみのうち、最も大きなものはポイントでしょう。
ポイント還元率1.0%のカードで年間100万円利用すれば、単純計算で1万円の還元があるわけで、あなどれません。
さて還元率を意識するのは大事ですが、貯めたポイントの具体的な利用方法まで吟味していますか。
クレジットカードのポイント交換の落とし穴「ポイントの目減り」について解説します。

目次
ポイント還元率のおさらい
クレジットカードの価値を図る大きな指標が、ポイント還元率です。
次の計算式で算出されます。
大事なことですが、ポイントの金銭的価値は「円」に換算する必要があります。
1ポイント1円相当のわかりやすいプログラムだけでなく、1ポイント5円相当もあるので、比較の際は価値を統一しなければなりません。
ポイント還元率の評価です。
ポイント還元率「1.0%」 → 「ポイント還元率の高いカード」「新しいタイプのカード」
ポイント計算の方法には、「買い物ごと」と「月の請求ごと」とがあります。
前者は端数の切捨てが多くなるため、実還元率が低下することも知っておきましょう。
ポイント還元率が目減りする利用方法
ポイント還元率は、「貯まったポイントを、最も価値の高い手段で交換した場合の数字」です。
交換先は価値の最も高いものだけではないので、実際のポイント還元率は変動します。
必ずしも、望んだポイントの利用方法が、高い還元率になるとは限らないわけです。
0.5%の還元率だと思っていたら、実質0.4%に過ぎないことも、よくあります。
人気のクレジットカードから、実例を挙げてみます。
JCBカード
JCBのポイントプログラム「Oki Dokiポイント」の、「1ポイント=5円」(等価)での交換先です。
・ JCBプレモにチャージ
・ ビックポイント
・ ベルメゾン・ポイント
・ セシールスマイルポイント
JCBカードの還元率は0.5%となっていますが、この数少ない交換先の存在が前提になっているのです。
これ以外の交換先はすべて「1ポイント=4円」以下なので、ポイント交換によっては、還元率も次のように低下します。
・ dポイント → 0.4%
・ Ponta → 0.4%
1.0%の高還元率で人気の「JCB CARD W」でも、ポイントプログラム自体は同じなので、考え方は同一です。
1.0%だと思っていると、実はほとんどの交換先で0.8%以下となります。

MUFGカード
MUFGカードもポイント還元率0.5%とされています。
同じ三菱UFJニコス発行の、DCカード、NICOSカードも同様です。
MUFGカードのポイントプログラム「グローバルポイント」の、還元率通りとなる「500ポイント=2,500円」(等価)の交換先を見てみます。
・ビックポイント
この2種類しかありません。
共通ポイント4種類すべてにも交換可能ですが、還元率は0.4%または0.3%です。
グローバルポイントでは「キャッシュバック」も選べますが、こちらも還元率0.4%に過ぎません。
MUFGカードの還元率は、次のように考えておくべきでしょう。
「実質還元率は0.4%であり、ビックカメラやベルメゾンに交換すれば若干得をする」。
セゾンカード
セゾンカードも還元率0.5%とされています。
セゾンカードの「永久不滅ポイント」から等価交換できるものならば、この数字通りとなります。
等価交換できるものは次の通りです。
・ すかいらーく優待券
・ apollostationキャッシュプリカ
・ モスカード
・ Amazonギフト券
・ dポイント
・ JAF入会金・年会費
汎用性の高いポイントとしてAmazonとdポイントがあるものの、いささか種類は少なめです。
永久不滅ポイントからの交換先自体は、UCギフトカード、プリンスチケット、Pontaなど多数ありますが、いずれも交換の際には目減りします。
目減りの少ないクレジットカード
三井住友カード(0.5%)やOrico Card THE POINT(1.0%)等は、交換法にもよりますがおおむね目減りしません。
比較的、還元率を信頼してよいカードです。
また楽天カード、dカード等、共通ポイントが直接貯まるカードの場合、交換しなくても使えるため、目減りの問題は大きくありません。
マイルへの交換はどの比率まで許容範囲?
ポイント交換の際は、交換比率が等価のものにしないと、還元率通りの交換とならないことを見てきました。
ところで、クレジットカードで貯めたポイントをマイルに交換する際は交換率をどう考えたらいいでしょうか。
マイル交換の際には「等価」という概念がないために問題になります。
結論としては、「1円分のポイント=0.5マイル」の交換なら、問題ないといえます。
最終的に1マイルを2円以上の価値で使うと、実質、等価交換できたことになります。
1マイル2円程度の使い方は難しくはありません。
還元率は交換先まで含めて計算が必要
クレジットカードにおける還元率は、本当に正しいといえるのか見てみました。
三井住友カードは数字通りですが、JCBカードやMUFGカードでは、数字通りの利用法は限られています。
還元率を追求する場合は、交換先まで含めて考えましょう。(執筆者:沼島 まさし)