保険に入る目的の中に
というものがあげられます。
扶養家族が増えれば責任が増すので万一時の保障は大きくしておくべきだという考え方に異論がある方は少ないと思います。
実際、子どもの誕生を機に死亡保険などの保障を拡充する方がほとんどです。
では子どもの誕生を機に増やした保障、いつまで継続すれば良いのでしょうか。
「子どもの誕生=保障の拡充」という考え方が成り立つならば「子どもの独立=保障の削減」という考え方も成り立つはずです。
「子どもが社会人になったので保険の見直しをしようと思う」というのは、とても多い相談内容です。
保障を削減することに対する不安を抱えている方が多いのも事実です。
今回は「子どもが独立したら保険は見直すべきなのか」について解説します。

目次
保険の役割
自身に万一があってしまった場合、家族が経済的に困るか困らないかが保険に加入する判断ポイントとなります。
夫婦だけの家庭で共働きの場合、配偶者に万一があってしまっても経済的困窮に直結する可能性は低いことが多いです。
自身の収入で自身一人が生活できれば良いということになりますので経済的には「独身時代と同じ」と言い換えることができるかもしれません。
もちろん結婚を機に転職し、以前よりも収入が大きく減ってしまったということも考えられます。
「夫婦のみの家庭に死亡保険はいらない」と断言することはできませんが、多くの場合、数千万円といった大きな死亡保険は不要なことが多いかと思います。
程度の保障額で十分でしょう。
むしろ大病や介護状態などの生存時のリスクの方が高くなるのでそういった保険の加入を検討することがほとんどです。
ですが子どもが誕生することにより必要な生活費が格段に上がります。
場合によっては転職や退職などによって配偶者の収入が低下もしくはなくなることも考えられるでしょう。
そのような状態の時に一家の働き手に万一があってしまった場合、収入が絶たれます。
経済的に困窮することが想像に難くないので死亡保険に入っておくことになります。
ここで加入した死亡保険、よほどの事がない限り基本的には子どもが独立するまで続ける方が良いでしょう。
子どもの年齢や配偶者の収入状況によって多少の見直しをすることはあっても、遺された家族が経済的に困る状態にあるならば解約するべきではありません。
保険の見直しや削減する判断のポイント
生活費が低下=保険の削減
子どもが独立することにより今後必要な教育費はなくなりますし、生活費も下がります。
万一時に家族に残しておくべきお金もこれまでと比べると少なくて済むということです。
子どもが全員独立した場合は、配偶者のみの生活費さえ確保できれば経済的には問題ありません。
年齢や収入状態によって差はありますが、子どもがいる間と比べると必要な保障額は下がる家庭がほとんどかと思います。
が保険の見直し、削減ポイントです。
必要な生活費などが少なくなるということは万一時に確保しておくべきお金も少なくなります。
つまり保険で確保しておくべき保障額も削減できるということです。
これまで加入していた保険を見直すべき重要なタイミングだと言い換えることができます。
子どもが独立した後は老後の生活資金を貯める最後の期間です。
不要な保険は削減、解約し、貯蓄にシフトするべきタイミングといえるでしょう。
どこまで削減、解約できるかは家庭により変わります
収入や支出、資産の状況は各家庭によって変わります。
子どもが独立したからといって即、全ての保険を解約しても良いということにはなりません。
これまで確保していた保障を削減することに不安を覚える方がいるのも事実です。
ですが重要な見直しポイントであることは間違いありません。
具体的にどこまで削減することができるのかを知り、納得の上で保険を見直すことにより安心感も増すと思います。
自身では考えつかないときは、担当者に相談するとヒントを得られるかもしれません。
賢く見直すためにも専門家の意見を求めることは重要です。
子どもの独立は保険見直しの絶好のタイミング

大切な子どもの今後を考え、万一時の保障を大きく確保していた時期が終わるのが子どもの独立です。
次は大切な子どもの今後を考え、老後生活資金の準備を完結させる時期です。
老後生活資金が足りないと結局子どもに迷惑をかけることになりかねません。
「万一時の保障」から「長生きした場合の生活費」へ考え方の比重を移す時期だと考えます。
保険の見直しは大きな手間がかかることも事実です。
考え慣れしていないことをする負担も大きいでしょう。
ですが賢くマネープランを立てるためにも見直しは欠かせません。
「子どもの独立=保険見直しのタイミング」を、子育て世代の方もぜひ覚えておいてください。(執筆者:FP歴10年 冨岡 光)