新型コロナウイルス感染症の流行に伴い緊急事態宣言が発出されたことで、職場への通勤回数が減ってテレワークに切り替わった方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな時に気になるのは、手元に買ってしまった定期券。
これから通勤する回数によって、手数料を支払ってでも払戻すべきなのか、そのまま持つべきなのか、判断しなくてはいけないことでしょう。
この記事では、定期券を払戻す場合に取られる計算方法と、どのくらいの金額が戻ってくるかの目安について説明します。

目次
定期券払戻しの計算方法
前提として、今回はJR東日本の場合を例に取り上げます。
筆者がこの記事を執筆するタイミング(2021年8月)でいくつかの私鉄、地下鉄を調べてみたところ、どの会社もほぼ同様の計算方法となっていましたが、正確な情報については利用する会社のWebサイト、窓口等で確認してください。
JR東日本では、不要になった定期券について、有効期間が1か月以上残っている場合に限って払戻しを行っています。
この場合の払戻し額は、定期券の発売額からすでに使用した月数分の定期運賃と手数料220円を差し引いた残額となります。
また、購入して間もなく定期券が不要になってしまった場合は、有効期間開始後の7日以内に限り、発売額からすでに経過した日数分の往復普通運賃と手数料220円を差し引いた残額が計算されます。

計算例
【新宿~横浜の通勤定期券】
1か月1万6,800円
3か月4万7,870円
6か月8万620円
3か月定期を1か月以内に払戻した場合
4万7,870円-1万6,800円-220円=3万850円
3か月定期を2か月目に払戻した場合
4万7,870円-(1万6,800円 × 2)-220円=1万4,050円
6か月定期を1か月以内に払戻した場合
8万620円-1万6,800円-220円=6万3,600円
6か月定期を2か月目に払戻した場合
8万620円-(1万6,800円 × 2)-220円=4万6,800円
6か月定期を3か月目に払戻した場合
8万620円-4万7,870円-220円=3万2,530円
6か月定期を4か月目に払戻した場合
8万620円-(4万7,870円+1万6,800円)-220円=1万5,730円
6か月定期を5か月目に払戻した場合
8万620円-(4万7,870円+1万6,800円 × 2)-220円=マイナスとなるため、払戻し金額なし

払戻しの注意点
やむを得ず払戻しを行う場合は月単位での計算になるので、「〇か月目に入ったばかり」といったタイミングで払戻しを行うと不利になってしまいます。
途中で払戻す場合も、利用月のぎりぎりまで使った上で払戻しの手続きを取るとよいでしょう。
また、払戻しの手続きを行う場合は身分証明書が必要になるので、忘れずに用意してください。
ご自身のケースで試算しましょう
マネーの達人読者は、割引額の大きさから6か月定期を買われた方も多いのではないでしょうか。
購入区間によって計算結果は異なるものの、残存期間が2か月を切ると払戻し額がない可能性が高いです。
また、その他のパターンでも、利用予定の回数によってはきっぷや回数券に切り替えるよりも、定期を使い切った方がお得な場合もあることでしょう。
ぜひ、ご自身のケースに照らし合わせて試算してみてください。(執筆者:星澤 美衣)