という声をよく聞くことがあります。
火災保険に限らず、保険自体が良く分からない対象かもしれません。
加入する前は説明を聞いたり、調べたりして、一応は納得したつもりだけど、しばらくたつとやっぱり良く分からない。
事実、保険は簡単ではありません。
細かい約款に基づいているけれど、約款自体読むことはありませんし。
商品もどんどん変わっていきます。
ということで今回は火災保険が良く分からないけど、これから選んでいかなければいけない人向けに書いていきたいと思います。
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目次
そもそも生命保険と損害保険って同じ保険?
実は保険と名がつくものは結構あります。
個人の生活に関わるものを考えてもこんなにあります。
企業活動に関わるものも含めたらもっと出てくるでしょう。
そもそも保険とはみんなで出し合った資金を困っている人に支援してあげる仕組みです。
生命保険と損害保険の話に戻すとどちらも困った事態に陥った時に使えます。
生命保険なら死亡したり、高度障害になったり、病気になったり…
損害保険も例えば、自動車保険なら自動車事故の被害に見舞われたり、加害者になってしまい被害者に賠償しなければいけない時や火災保険なら火災や台風などで家に被害が生じた時です。
要は日常ではなく「異常」な事態の時に使えるものです。
ちなみに保険の「ほしょう」の字は生命保険と損害保険で漢字が違うことはご存じでしょうか。
損害保険は「補償」
を使います。
「保障」は差し障りから保護して保つというような意味になります。
大黒柱を失った残った家族の生活を保つというような意味で生命保険は「保障」が使われます。
「補償」は損失、損害を補う、償うという意味になります。
事故で損なわれた物を補う、賠償するという意味で損害保険は「補償」を使います。
「ほしょう」の漢字の違いからも2つの保険の性質の違いが垣間見えるかもしれません。
2つの保険は保険金の支払われ方も違う
損害保険の基本的な考え方として、損害を補う、償うですので、損害を受けた物を元通りにする金額以上には支払われないという考え方になります。
例えば、300万円の車をぶつけた事故の場合
修理代が50万円かかるなら、基本的には、50万円が支払われます。
台風で家の屋根瓦が飛んだ事故の場合
修理代が100万円かかるなら、保険契約金額が3,000万円でも100万円しか支払われません。
生命保険の場合
一方で生命保険は「死亡したら2,000万円」という契約なら収入や性別、年齢に関係なく2,000万円が支払われます。
「年収500万円だったから、500万円に減額します」
なんてことはありません。
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同じ損害保険でも「自動車保険」と「火災保険」はここが違う
車を保有している人なら「自動車保険」に入っていると思います。
自動車保険で悩みの種になり得るのが事故の時に保険を使うか使わないかということです。
特に自損事故の場合です。
自損事故とは、別の車や歩行者とぶつかった事故ではなく、自宅の車庫入れで、門に車を擦ってしまったというような自分単独で起こした事故です。
保険の契約で車の修理代を補償してもらうこともできるけれど、保険を使うと来年から保険料が高くなるし、保険を使わないで自腹で直すには痛い出費だと感じるケースです。
自動車保険は保険を使うと翌年から保険料が高くなる仕組みです。
でも火災保険は、保険を使っても、翌年から保険料が高くなる仕組みではありません。
少し語弊がありますが、使い放題のような保険です。
もちろん使い放題で使うということはそれだけ損害を何度も受けるということですから喜ばしいことでもありません。
火災保険に加入している方でも自動車保険と混同していて、火災保険を使わないでいる方もいます。
損害を受けてしまったら、損害の大小に関係なく、保険の対象になるなら躊躇せずに使うと良いと思います。
火災保険の保険はパッケージ化されている
じつは火災保険で補償される事故は幅広いのです。
「火災」保険というネーミングから火災でしか補償されないと思っている方も少なくありません。
昔の保険だと補償範囲が火災だけというものもありました。
これから新たに加入される場合には、現在は、火災のみが補償範囲という商品はありません。
火災保険で補償されうる事故を並べると次のようになります。
保険会社によっても表現が違うなどありますが、基本的にはこのような事故を網羅しています。
保険会社の商品は、これらの事故をどこまで補償するかを3パターン程度にパッケージにして販売しています。
自分が必要とする補償だけを1個ずつ選択できると良いのですが、現状はパッケージ化された中から選ぶ方法になります。
パッケージも「充実プラン」、「標準プラン」、「節約プラン」のような形です。
もちろん「充実プラン」が1番補償範囲も広いので保険料も高くなります。
逆に「節約プラン」は保障範囲が狭い代わりに保険料が安くなります。
自身に合ったものを選ぼう
どこまで必要かは、それぞれの予算やリスクに対する考え方もあります。
まずは「保険って良く分からないからとりあえず勧められた中から選んでおけばいいでしょ」なんて放棄しないで、ご自宅を守る重要なツールでもありますので、少しだけ勉強して選んできましょう。(執筆者:佐藤 陽)