巨額の富を得るためには、多くの方が「非凡なる大きなリターンを叩き出すこと」が必要だと考えるのではないでしょうか。
確かに小さなリターンを得るよりも大きなリターンを叩き出す方が資産増加の効率は良くなります。
ですがそれは本来の資産形成とは意味合いが異なります。
大きなリターンを得るためにはリスクの大きな投機に手を出す必要がありますが、そういった投機には再現性がありません。
仮に最初はうまくいったとしても長期的に続けていくことは難しいでしょう。
資産形成において本当に大切なことは「できるだけ長い期間、資産運用を続けること」にあります。
世界一の投資家として有名な「ウォーレン・バフェット」の名前は誰しもが聞いたことあるのではないでしょうか。
バフェットが世界一の投資家になった要因は、爆発的なリターンを得たからではありません。
世界一長い投資期間にその要因があります。
目次
保有資産のほとんどは複利の効果を活かすことによって得られたもの
バフェットの1,000億ドルを超える総資産のほとんどが50代以降になって得たものだということは有名な話です。
若い頃から投資の世界にいたことは事実ですが、その頃に得た利益というのは全体資産のわずか数%でしかありません。
長い年月をかけて得られる複利の効果が活かせたからこそ、ここまで大きな資産を築けました。
投機でたまたま成功して富を得たのではなく、しっかりと長い時間をかけて投資を継続したこと。
いかに長期的に投資を続けることが大切かを学ばせてくれる好例です。
大きなリターンを狙うのではなく、小さなリターンを継続すること
この言葉自体は多くの方が耳にし、できればそうありたいと考えているのではないでしょうか。
ですがいうは易し行うは難しで、勉強家の方ほど余計な投機に手を出してしまい失敗する傾向にあるようです。
特に「暗号資産で億り人」や「レバレッジ投資で資産10倍」などといったセンセーショナルな内容を目にすればするほど、自身が行っている地道な投資が正解なのか不安を持つものです。
ですがこれが落とし穴。
市場から退場してしまう多くの理由はこの長期の複利効果を実感する前に、暗号資産やレバレッジ投資などリスクの高い投資対象に手を出して失敗してしまうところにあります。
仮に最初はうまくいっても再現性がありません。
・ 早く大きな資産を手に入れたい
・ 〇〇歳までには億の資産を築いていたい
・ 一刻も早くFIREして家族とゆっくり過ごしたい
などの気持ちが焦りを感じさせるのでしょう。
投資に慣れてくれば慣れてくるほどこういった感情を抱くので、そういう時こそ注意が必要です。
バフェットの例からも分かる通り、大きなリターンを得ることが正しい投資ではありません。
平凡なリターンを繰り返し得ることで複利の効果を活せ、そして初めて資産の最大化を図れます。
どれだけ時間、投資するか
多くの方にとって、平凡なリターンを得るための投資対象の最適解は、全米株式や全世界株式などのインデックスファンドになるでしょう。
成長が期待できる市場への分散投資で考えた場合、これに勝る選択肢はありません。
既に日本においてもこれら海外株式インデックスファンドへの投資は人気となっていて、投資対象としての選択は間違っていないことになります。
これからも成長が見込める市場として第1の投資先候補が米国であることは間違いありません。
仮にこれからも米国の時代が続くとは限らないと考えている場合は全世界株式ファンドが第1の投資先となるでしょう。
米国株式、全世界株式いずれも過去のデータから長期的に見れば成長していることは間違いありません。
あとはそれら優良な投資先にどれだけの長い時間をかけて投資できるのか、これが資産最大化のための条件となります。
また、投資の原資も大きな金額であることに越したことはありません。
複利の効果を最大限活かすためにも原資は大切です。
なるべく多くの資金を投資に回し、なるべく長い期間運用する。
これが世界一の投資家から学べる投資の極意です。(執筆者:冨岡 光)