「メガバンクとネット銀行で、自分にマッチするのは?」
「地方銀行と信用金庫なら、どちらのほうが親切かな?」
「自分に合った金融機関ってどう選べばいいの」
自分に最適な金融機関はどこだろう?と悩むことがあります。
今回は「私にピッタリの金融機関はどこ?」をテーマにして、銀行員が解説します。
銀行員生活数十年の経験と、各金融機関の対応を「質問コーナー」などから、口座の解約方法をチェックポイントにして、
- 銀行(メガバンク、地方銀行)
- ネット銀行
- 信用金庫、信用組合
を比較したいと思います。
目次
口座を解約したいけど、印鑑がない
「口座を解約したい。通帳はあるけど、印鑑をなくしてしまった」というケースを想定。
金融機関の公式HPや「よくあるご質問」などをもとに解説していきます。
銀行(メガバンク、地方銀行)の場合
銀行にもメガバンク(都市銀行)や地方銀行(第一地銀、第二地銀)といった種類があり、実際はそれぞれの性質や対応も違いがあるのですが、この記事では「銀行」に統一しています。
インターネット限定のネット銀行は別に解説します。
銀行の場合は、主に以下のような流れになります。
- 連絡をする
- 手続きに必要な書類の説明を受ける
- 必要書類を揃える
- 来店の予約をする
- 予約した日時に来店して手続きをする
解約を手続きしたいと金融機関に連絡をすることから始まります。
連絡するのは取引をしている支店で、たいていは通帳の表紙裏などに電話番号がありますし、公式サイトから探してもいいでしょう。
銀行によっては支店ではなく、手続き専用の部署が対応する場合もあります。
ここまでは銀行だけでなく、あとで説明するネットバンク、信金・信組も同じです。
来店前に連絡するメリット
銀行に連絡をすることにはいくつかのメリットがあります。
持参する書類などを教えてもらえるので、来店後に「書類が足りない」など再来店することを防げます。
最近の金融機関は来店する場合、あらかじめ予約をするところが主流になっています。
日時を決めて来店することで、待ち時間や手続き時間が短縮されるのですが、事前に来店客が希望する手続きを聞いておくことで、対応する金融機関でも効率的に応対できるからです。
事前予約で来店するのが普通になりつつあるので、予約せずに来店すると待たされることは避けられないでしょう。
書類や時間の不足で手続きが終わらない場合は再来店の予約が必要になり、最初から電話をして予約すれば1度で終わった…となる可能性が高いです。
銀行の公式サイトでは「印鑑」などと検索すれば連絡先や手続き方法、必要書類(本人確認書類など)まで丁寧に説明しています。
文字数が多くても、ここでしっかり理解しておけば、結局は自分がスムーズに手続きできて時間や労力を無駄にしないで済みます。
参照:MUFG三菱UFJ銀行/Q&A(よくあるお問い合わせ)/ 紛失・盗難時のお手続き
銀行員からのアドバイス
銀行での手続きは対面が基本なので、そこをポイントに考えます。
来店予約をすると事前に顧客情報を確認するので、セールスにもつながりやすいです。
「手ぐすね引いて」待っているとも言えるので、そこを意識しながら来店したほうがいいでしょう。
【参考】印鑑がどれだかわからない場合
「印鑑をなくしてしまったと思うが、手元にはたくさん印鑑があって、もしかしたらどれかが届出印かもしれない?」といった場合には、とりあえず心当たりの印鑑をかたっぱしから持って行ってください。
印鑑の見分けがつかなくても、銀行では機械で印鑑照合するので、その精度は高く肉眼で違いがわからないほど似ている印鑑でも見分けることができます。
また印鑑が欠けていたりすり減ったりしていても、印鑑照合できるレベルなら大丈夫です。
使用している印鑑があればその後の手続きも簡単に済みますので、なくしたとあきらめる前に、これはぜひ覚えておいてください。
ネット銀行の場合
ネット銀行の場合、手続きは以下の流れになります。
- 問い合わせはメールかチャットで
- 手続きは自分で書類をダウンロードして記入する
- 手続書類、本人確認書類などを郵送
連絡手段がメールかチャットとなっており、電話も含め対面・対人の対応をしないのはネット銀行としては当然であり、決して不親切とは言えません。
参照:SBI新生銀行/よくあるご質問/口座に登録している印鑑(サイン)の変更方法を教えてください。
銀行員からのアドバイス
銀行員が対面で応対することがないネット銀行として、郵送やスマホ・パソコンで手続きまで完結できるところは、無用なセールスを受けたり、対面で手続きしたりすることに抵抗を感じる人には適していると考えます。
公式サイトなどの説明や手続きのページは簡潔明瞭でありながら、決して冷たい印象は受けません。
ネット銀行ならではというか、印鑑ではなくサイン(署名)で取引できるところもあります。
最初から印鑑を使わないと徹底しているネット銀行もあり、このあたり印鑑が普通という環境で過ごしてきた銀行員は、時代の変化を感じています。
信用金庫、信用組合の場合
地域密着で親身なサービスが特徴の信用金庫や信用組合の主な手続きは以下の流れになります。
- 「事故届・改印届についてのご照会」を郵送
- 回答欄を記入のうえ、「ご照会」を取引店に持参
窓口にて預金事故届(通帳・証書・キャッシュカード)、改印届または手形・小切手事故届をご提出して手続き
公式サイトでも手続き全体の流れを親切に説明してくれています。
参照:城南信用金庫/各種お手続きについて/キャッシュカード等の紛失
銀行員からのアドバイス
公式サイトの説明は親切で、私の説明が要らないくらいわかりやすい内容です。
来店してからの手続きも、丁寧に対応してくれるのが信用金庫です。
同じ地域密着の地銀では銀行員が応対すると、セールスや勧誘を受けることもありますが、信用金庫などは目的の手続きだけをして終わり、無用な勧誘は少ないと思います。
あくまで金神的な見解ではありますが、店頭で来店客への対応を最も重視する信金では、必然的に来店する人も多く、セールスに時間を割けずに手続きだけをすすめると、友人の信金職員から聞いたことがあります。
【参考】印鑑を上手に押す方法
今回は記事の中で印鑑について説明していますので、ここで銀行員として上手く印鑑を押す方法をお話ししたいと思います。
朱肉はなるべくいいもので、インク吸収タイプのものがおススメです。」
あまり安価だとかすれたり、べとついたりします。
書画の銘をなどによく使われる「印泥(いんでい)」は、粘土のように手に取れるものが最高級ですが、こちらは逆に高級すぎて扱いが難しいです。
下敷きを敷くと上手く押せます。適度に厚さと弾力がある週刊誌がおススメです。
もちろん印鑑を押す専用パッドもいいでしょう。
押すときはなるべく真上から直角にします。
印が紙に接触したらそのまま離さず、丸く円を描く気持ちで1回転まわします。
2回、3回と回し過ぎると二重になるので、自分に合った回数を探ってください。
金融機関は数多く存在し、いっぽうでそのサービスは多様化していますし、合併や支店の廃止などもあり、金融機関選びは自分にも大きく影響することです。
文中の説明や引用などに選択したのは、あくまで筆者の個人的見解ですが、金融機関を選ぶときの参考にしてください。