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国民年金の学生納付特例制度(20歳~22歳)利用後、追納する・しないで「老齢基礎年金額」はどのくらい違うか。

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国民年金の学生納付特例制度(20歳~22歳)利用後、追納する・しないで「老齢基礎年金額」はどのくらい違うか。

国民年金とは、日本に居住している20歳以上60歳未満のすべての人が加入しなければならない公的年金制度です。

国民年金は、以下の3種類の被保険者区分があります。

・自営業、学生、無職の方などの「第1号被保険者」

・会社員、公務員など厚生年金保険、共済の加入者である「第2号被保険者」

・第2号被保険者の扶養配偶者である「第3号被保険者」

この内、第1号被保険者は国民年金保険料を毎月自分で納付しなければなりませんが、収入のない学生などは保険料を支払うことができないケースもあります。

このような学生のために、国民年金には「学生納付特例制度」が設けられていて、申請により在学中の保険料の納付が猶予される制度があります。

今回は、この学生納付特例制度を20歳から22歳までの2年間利用していた方が、後から国民年金保険料を追納するかしないかでどのくらい老齢基礎年金の額が変わってくるかについて、詳しく解説していきます。

国民年金の学生納付特例制度

学生納付特例制度の対象者

申請により在学中の保険料の納付が猶予される学生納付特例制度を利用できる学生は、以下の要件を満たす必要があります。

(1)前年の所得が一定以下(128万円(令和2年度以前は118万円)+扶養親族等の数×38万円+社会保険料控除等)の学生であること

(2)大学(大学院)、短期大学、高等学校、高等専門学校、特別支援学校、専修学校および各種学校、一部の海外大学の日本分校に在学する学生であること

学生納付特例制度と老齢基礎年金

学生納付特例制度の承認を受けた期間は、保険料の支払いは猶予されますが、老齢基礎年金の受給資格期間には含まれます。

老齢基礎年金の受給するためには、10年以上の受給資格期間が必要です。

ただし、老齢基礎年金の受給額の計算の対象となる期間には含まれないため、注意が必要です。

この学生納付特例制度の期間を、老齢基礎年金の受給額の計算の対象となる期間にするためには、10年以内であれば保険料をさかのぼって追納できます

学生納付特例制度の期間について、追納した場合としなかった場合の老齢基礎年金額の差

20歳から22歳までの2年間の学生納付特例制度を受けていた方が、追納して加入可能年数の40年間すべて保険料納付した場合、満額の老齢基礎年金を受給できます。

令和5年度老齢基礎年金の満額は、年額795,000円(新規裁定者)です。

上記と同様に2年間の学生納付特例制度を受けていた方が、加入可能年数の40年間のうちこの2年間以外にすべて保険料納付した場合の老齢基礎年金の受給額は以下になります。

795,000円(新規裁定者の令和5年度満額)× 456か月(保険料納付済期間(月数)) ÷ 480 (加入可能年数40年 × 12か月)=755,250円。

差額:795,000円-755,250円=39,750円

2年間の学生納付特例制度を受けていた方が、追納する・しないで年間約4万円くらいの差がでます。

この差は1年間のことだけではなく、老齢基礎年金を受給している間ずっと続くのです。

そのため、学生納付特例制度を受けていた場合には、追納することをお勧めします。(執筆者:社会保険労務士、行政書士 小島 章彦)

《小島 章彦》
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小島 章彦

執筆者:社会保険労務士、行政書士 小島 章彦 小島 章彦

大学を卒業後、信用金庫に8年、システム開発の会社に約20年勤務。その傍ら、資格を生かした年金・労働・社会保険や、今まで携わってきた金融関係の記事を主にライティングしています。「分かりやすく理解していただく」をモットーに執筆しています。 【保有資格】社会保険労務士、行政書士、日商簿記3級 寄稿者にメッセージを送る

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