最近、駅やテレビで、新幹線きっぷのインターネット予約の広告をよく目にします。
インターネット経由の予約は一見、お得で便利そうに見えますが、損する場合もあります。
この記事では、数ある東海道新幹線のきっぷの入手方法を、それぞれのメリット・デメリットとともにまとめました。
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1:駅の有人窓口(「みどりの窓口」等)で、紙のきっぷを購入する
メリット
乗り継ぎや座席配置について、相談しながら予約できる。
複数の列車の混み具合を柔軟に見てもらいながら予約できる。
「東京都区内」「大阪市内」など、「特定都区市内制度」適用のきっぷが買える。
デメリット
人が多く、並ぶことが多い。時間がかかる。
そもそも有人窓口の数が減っており、窓口まで電車で出向かないといけないケースも。
基本的に定価で販売される。
無料での予約変更は1回まで。
列車の予約、また、そもそも旅行に慣れていない人にとって、一番安心できるやり方が、窓口で、駅員さんとお話しながら予約することでしょう。
しかし、ここ数年、人手不足などの事情から有人窓口のある駅が減り続けています。
事前に、有人窓口のある駅まで出向いてきっぷを買うとなると、どうしても時間がかかってしまうのがデメリットです。
ちなみに、あまり知られていませんが、有人窓口のない駅から、最寄りの有人窓口まで電車を利用した場合、有人窓口利用後に駅員さんに申し出れば、行きにかかった運賃を払い戻した上で、無料で帰りの乗車券をもらえる仕組みがあります。
きっぷ購入のために電車に乗る必要のある人は、ぜひ覚えておいてください。
2:「話せる指定席券売機(サポートつき指定席券売機)」で、紙のきっぷを購入する
メリット
乗り継ぎや座席配置について、相談しながら予約できる。
複数の列車の混み具合を柔軟に見てもらいながら予約できる。
「東京都区内」「大阪市内」など、「特定都区市内制度」適用のきっぷが買える。
デメリット
設置されている駅の数が少ない。
機械の使い方に慣れていない人は戸惑うことも。
基本的に定価で販売される。
無料での予約変更は1回まで。
全国のJRでは、有人窓口に代えて「話せる指定席券売機」の設置駅を増やしています。
「話せる指定席券売機」とは、指定席券売機にテレビ電話が付いたもので、遠隔のオペレーターと話しながらきっぷの購入ができます。
ただ、まだ設置されている数が限られているのと、使い方に慣れないお年寄りが操作に苦戦していて、後ろに人の列ができている、などということも散見されます。
3:「指定席券売機」で、紙のきっぷを購入する
メリット
比較的空いている。
設置されている駅が多い。
列車の出発/到着時間や、座席など、自分の目で確認して購入できる。
「東京都区内」「大阪市内」など、「特定都区市内制度」適用のきっぷが買える。
デメリット
きっぷの仕組みについて、基本的な知識が必要。
複数の電車をまたぐ検索は不便。
基本的に定価で販売される。
無料での予約変更は1回まで。
オペレーターにつながらずに、タッチパネルの上で、自力で席を指定するタイプの券売機です。
並ばずにきっぷを買えることが多く、筆者が紙のきっぷを購入する場合は、もっぱらこの方法にしています。
予約変更も、券売機上で行うことができます。
ただし、券売機で自力できっぷを買う時は、「乗車券(運賃)と特急券は別々に買う必要があること」など、基本的なきっぷの仕組みを理解していることが必要です。
また、予約しようとした列車が混んでいて、好みの座席がなかった時などは、画面をかなりさかのぼって見る必要があり、手間に感じます。
4:インターネット予約サイト「スマートEX」で予約する
メリット
乗車日1年前から予約可能(通常は1か月前から)。
予約変更が何度でも無料。
直前の購入でも、紙のきっぷより200円安い。
早期予約割引がある。
年会費無料。
ポイント制度がある。
デメリット
「特定都区市内制度」は適用されず、在来線の運賃が別途必要となる。
2023年10月にリニューアルされた「スマートEX」。
通常1か月前からの新幹線予約が1年前からできるようになり(座席指定は1か月前を切ってから)、繁忙期に新幹線を利用したい人にとってはより便利になりました。
予約変更が何度でも無料なのも、旅程が読めない人にとっては便利です。
ただ、1つ大きなデメリットがあります。
それは、インターネット予約だと、運賃分について「東京都区内」「大阪市内」といった「特定都区市内制度」の仕組みが適用外となり、在来線分の費用が別途かかってしまうことです。
例えば新宿駅から東京駅まで在来線で行き、東京駅~新大阪駅間を新幹線利用、新大阪駅~大阪駅間を在来線利用した場合。
新宿駅~東京駅の208円、新大阪駅~大阪駅の170円(いずれもIC運賃)がかかり、結果的に紙のきっぷよりも高くなってしまいます。
直前予約で、在来線での移動を含む場合は、インターネット予約よりも紙のきっぷを買ったほうがお得になるケースがあるので、ぜひ購入前に確認することをおすすめします。
5:有料会員制のインターネット予約サイト「エクスプレス予約」で予約する
メリット
常に会員割引価格が適用される(東京~新大阪間で片道490円割引)。
乗車日1年前から予約可能(通常は1か月前から)。
予約変更が何度でも無料。
早期予約割引がある。
デメリット
「特定都区市内制度」は適用されず、在来線の運賃が別途必要となる。
年会費が1,100円かかる。
利用可能なクレジットカードが限定されている。
もう1つのインターネット予約サイト「エクスプレス予約」は、年会費1,100円がかかる代わりに、常に会員割引価格で新幹線を予約できます。
利用すればするほどお得になるサービスなので、東海道新幹線を頻繁に利用する方におすすめです。
ただ、こちらも、新幹線の費用とは別に在来線の運賃がかかることには注意が必要です。
6:新幹線と宿泊のパックツアー商品を購入する
メリット
宿泊を含めて予約することで、大幅なセット割引が適用される。
デメリット
旅行代理店によっては、列車の変更ができない場合がある。
「特定都区市内制度」は適用されず、在来線の運賃が別途必要となる。
宿泊も予約する必要がある場合は、旅行代理店等を通じたパックツアーの利用がおすすめです。
日程にもよりますが、東京~新大阪の新幹線「のぞみ」料金が、通常期・紙のきっぷで1万4,720円なのに対し、往復新幹線+ホテル1泊で2万6,000円ほどからの設定があり、うまくいけばホテル費用が丸々浮く計算になります。
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≪執筆者撮影≫
ただし、パックツアーの場合は、会社によっては列車の変更ができないなど、柔軟性に欠けるというデメリットがあります。
7:「ぷらっとこだま」を利用する
メリット
価格が安い。(東京~新大阪 片道1万1,210円)
※2024年3月以降価格 定価の「のぞみ」と比較して3,510円割引
1ドリンク引換券が付いてくる。
前日夜まで購入可能。(2024年3月以降は、前日23:30まで)
デメリット
時間がかかる(東京~新大阪 約4時間)。
座席数に限りがある。
列車の変更は不可。
「特定都区市内制度」は適用されず、在来線の運賃が別途必要となる。
最後にご紹介するのは、「こだま」の席数限定割引プラン「ぷらっとこだま」です。
各駅に停まるため、多少の時間はかかりますが、前日まで予約ができてなおかつ安いので、充分に利用価値があります。
急がない観光旅行などの場合は、新幹線は「ぷらっとこだま」にして、浮いたお金をご当地グルメやお土産に充てるのもよいでしょう。
損することなく利用しよう
新幹線はたまにしか乗らないという方、決して安くない乗り物だからこそ、できるだけ損することなく利用したいですよね。この記事が次の旅行の参考になれば幸いです。