QRコード決済の「d払い」(Android版)で、モバイルSuicaが使えるように
なりました。ドコモ経済圏の方にはうれしいかもしれませんが、それほど価値の高いアイテムではないと考えます。
ただし、期間限定dポイントをSuicaにチャージできるのは、唯一無二のメリットでしょう。
QRコード決済で使うモバイルSuica全般と合わせてご案内します。
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d払いのSuica
Android版d払いアプリで、モバイルSuicaが発行できるようになりました。
利用法とメリットを見ていきます。
d払いアプリの更新から
Playストアからd払いアプリを更新してから開きましょう。
トップページをスクロールすると、「キャンペーン」欄におなじみSuicaペンギンのアイコンがあります。
タップするとモバイルSuicaと連携できます。
すでにモバイルSuicaを使っているユーザーの場合、既存のモバイルSuicaと統合されます。
すでに使っているSuicaについて、新たなチャージの入口ができたと考えればいいでしょう。
筆者のSuicaも、「楽天ペイ」「au PAY」「d払い」の各アプリと連携されました。
まったく同じものを、SuicaアプリやGoogle Payでも使います。
d払いからモバイルSuicaへのチャージで0.5%のdポイント付与
d払いアプリからモバイルSuicaにチャージすると、dポイントが付与されます。
「200円ごとに1ポイント」ですから、還元率にして0.5%です。
チャージ方法は次のとおりです。
・ dカード
・ d払い残高
・ dポイント(期間・用途限定ポイントを含む)※チャージ時のポイントなし
・ 電話料金合算(ドコモユーザー)
dカードからのチャージは、直接モバイルSuicaにチャージされます。
d払いアプリを使っているのに、素通りする感覚です。
このチャージもポイント付与の対象です(モバイルSuicaアプリに直接チャージの場合はポイント対象外)。
d払い残高からもチャージでポイントがたまります。
一見、残高チャージだとWポイントになりそうに思えますが、d払いアプリにおいて「残高」とは、銀行チャージまたは現金チャージで作るものです。
「dカード → d払い残高 → d払いSuica」というルートはありません。
最後にdポイントです。
dポイントのうち、期間限定ポイントもSuicaにチャージできるというのが、最大のメリットと思われます。
d払いの地域還元でもらえるのは期間限定ポイントですし、他の機会でもしばしば付与があります。
これをSuicaに替えてしまうことで、有効期限が消滅するわけです。
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≪画像元:NTT docomo≫
dポイントをSuicaにチャージする場合、チャージによるポイント付与はありません
。チャージ還元率とサービスへの評価
QRコード決済によるモバイルSuica(Android限定)は、3例目です。
先行するのは次の2種類です。
・ 楽天ペイのSuica(2020年5月サービス開始)
・ au PAYのSuica(2022年3月サービス開始)
それぞれ比較します。
楽天ペイのSuica
楽天ペイのSuicaは、楽天カードからのチャージ還元率0.5%です。
d払いのSuicaとよく似ています。
楽天カードも、モバイルSuica直接チャージだとポイント対象外ですが、楽天ペイアプリを使うことでポイントが得られます。
d払いのSuicaと比較した際の、メリット・デメリットは次のとおりです。
・ メリット … 夜間自動チャージのサービスがある
・ デメリット … 期間限定ポイントや、提携企業からの交換で得たポイントのチャージ不可
夜間自動チャージは、深夜にSuica残高が減っていたらチャージしてくれるもので、これは貴重です。
特にJR東日本エリア外で日常的にSuicaを使っている人にとっては、残高不足に陥らないための最強アイテムでしょう。
通常は別のチャージ方法のほうがいいのですが、夜間チャージのためだけに楽天ペイのSuicaを使う意味があります。
au PAYのSuica
筆者の場合、au PAYのSuicaがSuicaチャージの本ルートとなっています。
d払いのSuica登場後も変わりません。
別に、au経済圏に浸かっているわけではなく、最もトクになるからです。
・ メリット … au PAY残高からのチャージの際、還元率が0.5%(Wポイントにできる)
・ デメリット … au PAY自体の問題として、チャージ元のカードに制限がある
au PAYのSuicaがd払いと根本的に異なるのは、「クレジットカード → au PAY → au PAYのSuica」と、Wポイントになるルートがあることです。
au PAY側に、「au PAYカード以外のクレジットカードチャージは月5万円まで」という縛りがあるので注意しましょう。
au PAYへのクレジットチャージはVISA、JCBの多くで不可です。
Mastercard、アメックスはすべてOKですが、必ずポイント付与対象になるとは限りません。
その中では、次のカードが優れています。
・ エポスゴールドカード(年間100万円利用前提で、1.5%)※VISAだがOK
・ Orico Card THE POINT(1.0%)※JCBは不可、Mastercardのみ
・ セゾンカード(0.5%)※全ブランドOK
・ dカード(1.0%)※VISAは不可、Mastercardのみ
・ PayPayカード(1.0%)※VISAは不可、Mastercardのみ
auユーザーなら、無制限でチャージできて還元率1.0%のau PAYゴールドカードもいいでしょう。
クレジットカードからチャージしてできた残高を、モバイルSuicaに再チャージするわけです。
アプリではSuicaはバーコードの裏に隠れており、簡単に切り替えできます。
dカードからau PAYルートは塞がれると予想
先に見ました通り、dカード(Mastercard)からau PAYにチャージ可能です。
d払いのSuicaをdカードで使うと0.5%に過ぎないのに、au PAYのSuicaだとWポイントで1.5%になります。
ですが、このルートは近いうちに消滅すると思われます。
前例があって、au PAYのSuica登場時の楽天カードがまさにこの状態でした。
他社ルートのほうがポイントが高い状態がいつまでも続くはずはないと思っていましたが、3か月後に塞がれました。
ビューカードで使うモバイルSuicaと比較
JR東日本のビューカードからモバイルSuicaにチャージすると、還元率1.5%です。
これを上回るのは、先のau PAYのSuicaを、エポスゴールドカードからチャージして使う場合です。
2.0%となります。2023年のエポスゴールドカードの「選べるポイントアップショップ」の対象外になりましたが、それでもモバイルSuicaで大きな数字を出せます。
ただしビューカードにもメリットがあり、ためたJREポイントを「ルミネ商品券」に替えることで実質還元率が上がります。
2万4,400ポイントをルミネ商品券3万円に替えた場合、交換率1.3倍です。
還元率に引き直すと、1.84%(1.5%×1.3)となります。
d払いのSuicaのメリットは、期間限定ポイントの消化だけかも
d払いのSuicaが登場しました。
d払いアプリを入れているAndroidユーザーは、Suicaと連携して問題になることはありません。
これで既存のチャージルートが増えました。
しかし、先に始まっているau PAYのSuicaにはサービスで及びません。
「ドコモ経済圏を使っているから」という理由でd払いSuicaを始めるのはちょっともったいない気がします。
ただし、期間限定ポイントのチャージはありがたいものです。
これからは、期間限定ポイントも通常のポイントと同様に役立ちます。