※本サイトは一部アフィリエイトプログラムを利用しています

注目記事【30名に1000円分のQUOカードプレゼント】マネーの達人LINEアカウントを登録して1,2分のアンケートに答えるだけ!

マイナンバーカードを取得したのに、本人確認で困ってしまう方が増える

ライフ 社会保障
マイナンバーカードを取得したのに、本人確認で困ってしまう方が増える

本人確認で困ってしまう方が増える

ここ最近はニュースサイトを見ていると、マイナンバーカードに関連した記事をよく見かけます。

そのひとつは2024年5月に、犯人が偽造したマイナンバーカードで他人のスマホを機種変更し、それを使って高級腕時計などを購入したというものです。

このような事件が起きたのは、偽造したマイナンバーカードには犯人の顔写真が貼られ、かつ携帯ショップの方が目視で本人確認を行ったからのようです。

同様の事件が起きないようにするために政府は、ICチップを使った本人確認を義務化する案を発表しています。

これまでの報道によると対面で契約する場合には、マイナンバーカードのICチップだけでなく、運転免許証や在留カードのICチップも本人確認に使える見込みです。

一方でオンラインなどの非対面で契約する場合には、マイナンバーカードのICチップを使った本人確認に一本化するようです。

こういったICチップの義務化により、マイナンバーカードを取得したのに本人確認で困ってしまう方が増えると思うのですが、それは例えば次のようになります。

手続きによって使用する電子証明書が変わる

マイナンバーカードに付いているICチップには原則として、次のような2つの電子証明書を搭載できます。

・利用者証明用電子証明書(暗証番号は4桁の数字)

・署名用電子証明書(暗証番号は6~16桁の英数字)

政府は2024年12月2日に現行の健康保険証を廃止し、マイナ保険証(健康保険証の利用登録を済ませたマイナンバーカード)に一本化する方針のようです。

このマイナ保険証を病院などの窓口で利用する際に、顔認証付きカードリーダーに入力するのは、前者の利用者証明用電子証明書の暗証番号です。

コンビニの端末で住民票などを交付する際や、マイナポータルにログインする際も同様です。

一方でe-Taxやマイナポータルにログインした後に、オンラインで次のような手続きを実施する場合、後者の署名用電子証明書の暗証番号を入力します。

・所得税の確定申告

・パスポートの更新

・引っ越しする時の転出届の提出、転入(転居)届を提出するための来庁予約の申請

このように手続きによって使用する電子証明書が変わると共に、入力する暗証番号が変わる点に注意する必要があります。

署名用電子証明書には複数の制約がある

非対面で口座を開設できる銀行などでは、マイナンバーカードのICチップを使った本人確認をすでに実施しています。

その手順を読んでみると、署名用電子証明書の暗証番号を入力した後にスマホ(読取りに対応している機種に限る)で、マイナンバーカードのICチップを読み取るようです。

暗証番号の入力を5回連続で間違った場合はロックがかかり、その署名用電子証明書は利用できなくなると記載されています。

このような事態が起きた時には、市区町村役場の窓口やコンビニの端末(利用者証明用電子証明書を利用できる場合に限る)で、暗証番号を再設定する必要があるのです。

それ以前に暗証番号をまったく思い出せない場合もあるので、本人確認で困ってしまう方が増えると思います。

なお15歳未満に発行されるマイナンバーカードには原則として、署名用電子証明書を搭載できないので、どうやって本人確認を実施するのかが、今後の課題になると推測します。

暗証番号の設定が不要なマイナンバーカードの弱点

政府は暗証番号の設定が不要なマイナンバーカードの発行や、すでに発行しているカードからの切り替えを、2023年12月から始めています。

このようなマイナンバーカードを作ったのは、高齢者などから暗証番号の設定が難しいという指摘があったからのようです。

暗証番号がなくても病院などの窓口で本人確認が可能なのは、顔認証付きカードリーダーがあるからです。

また本人確認を実施する際には、IC チップから読み取った顔写真のデータと、顔認証付きカードリーダーが撮影した顔写真を照合するのです。

そのためIC チップから読み取った顔写真のデータと、例えばスマホで自撮りした顔写真を照合すれば、暗証番号がなくても本人確認ができます

暗証番号の設定が不要なマイナンバーカードは、利用者証明用電子証明書は搭載できますが、署名用電子証明書は搭載できないという弱点があるのです。

こういった弱点から推測すると、暗証番号の設定が不要なマイナンバーカードは、署名用電子証明書を求められる場面が多くなると、本人確認に利用できる機会が少なくなります。

ICチップを使った本人確認が義務化された後は、署名用電子証明書を求められる場面が多くなるため、本人確認で困ってしまう高齢者の方が増えると思います。

電子証明書は更新の手段が限られている

マイナンバーカードとICチップに搭載された電子証明書には、次のような有効期限(カードの表面に記載)があるため、更新の手続きを実施する必要があります。

【マイナンバーカード】

発行日から10回目の誕生日まで(18歳未満は発行日から5回目の誕生日まで)

【電子証明書】

年齢にかかわらず発行日から5回目の誕生日まで

電子証明書が失効した場合、ICチップを使った本人確認ができなくなるため、更新の手続きを忘れる方が増えるほど、本人確認で困ってしまう方が増えるのです。

前者のマイナンバーカードの更新は、パソコン、スマホ、店頭にある証明用写真機、郵送などの複数の手段があります。

一方で後者の電子証明書の更新は、市区町村役場の窓口や市区町村が指定する郵便局の窓口に行き、対面で手続きを実施する必要があるため、更新の手段が限られるのです。

また市区町村によっては予約が必要になるため、有効期限の2~3か月前くらいに有効期限通知書が送付されたら、早めに中身を確認した方が良いのです。

この他の注意点として署名用電子証明書は、結婚や引っ越しによって氏名や住所が変わると、有効期限を迎える前に失効します。

そのため更新の時と同じように市区町村役場の窓口に行って、署名用電子証明書を再発行する必要があるのです。

運転免許証も暗証番号を間違えるとロックがかかる

対面でスマホを機種変更する場合などは上記のように、例えば運転免許証のICチップも本人確認に使える見込みです。

顔写真のデータなどをICチップから読み取るため、暗証番号(4桁の2組の数字)を入力する可能性があります。

この時に暗証番号の入力を3回連続で間違えると、マイナンバーカードと同じようにロックがかかります。

ロックを解除するためには、運転免許更新センターや最寄りの警察署などに行って、所定の手続きを実施する必要があるのです。

こういった点から考えると、マイナンバーカード以外の公的証明書のICチップを本人確認に使えたとしても、本人確認で困ってしまう方が増える可能性があるのです。

《木村 公司》
この記事は役に立ちましたか?
+21

関連タグ

木村 公司

執筆者:社会保険労務士 木村 公司 木村 公司

1975年生まれ。大学卒業後地元のドラッグストアーのチェーン店に就職。その時に薬剤師や社会福祉士の同僚から、資格を活用して働くことの意義を学び、一念発起して社会保険労務士の資格を取得。その後は社会保険労務士事務所や一般企業の人事総務部に転職して、給与計算や社会保険事務の実務を学ぶ。現在は自分年金評論家の「FPきむ」として、年金や保険などをテーマした執筆活動を行なう。 【保有資格】社会保険労務士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、DCプランナー2級、年金アドバイザー2級、証券外務員二種、ビジネス実務法務検定2級、メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅱ種 寄稿者にメッセージを送る

今、あなたにおススメの記事

編集部おすすめの記事

特集