高校生~シニア編を前回(小・中学生編)に続きを紹介します。
人生100年時代を見据え、各ライフステージで必要なお金の知識は異なります。J-FLEC(金融経済教育推進機構)は、「知っておきたいお金の話」と題して、高校生からシニアまでの世代別に金融リテラシーを学ぶ機会を提供しています。
金融リテラシーの4分野
全世代に共通して身につけたいのが、以下の4つの分野のスキルです。
家計管理:収支のコントロール、手取り収入の把握
生活設計:ライフイベントの計画と経済的備え
金融経済の理解と金融商品の利用:金融商品・保険・ローンの知識
外部の知見活用:信頼できる第三者からのアドバイスを適切に受ける

■ 各世代に応じた学びのポイント
高校生~中堅世代
生活設計と資産形成が中心
保険・ローンの基礎知識、ポンジ・スキームなど詐欺への注意
収支管理や「使う・貯める・増やす」の金銭感覚を身につける
手取り収入の把握や支出計画が鍵
ベテラン世代(リタイア前後)
セカンドライフの生活費や資産の管理
公的・私的年金、介護保険、資産寿命の延伸など
資産の取り崩しと運用の両立、生前贈与の検討も
シニア世代
豊かな老後の実現が主テーマ
終活・相続への備え、詐欺・SNS被害のリスク管理
「経済力・健康・生きがい」の3本柱の生活設計

金融リテラシーの4分野について学べる
各分野について学べるので一部紹介していきます。
1 家計管理
適切な収支管理(必要なものと欲しいものを区別し赤字にしない)の習慣化が必要です。中堅までお金を「使う」「貯める」「増やす・備える」の3つに整理します。手取り収入を把握することから始めます。


ベテランからは セカンドライフの生活費を把握します。

2 生活設計
労働収入と計画的支出の必要性を理解しライフプランを明確化します。 中堅まで 様々なライフイベントと必要金額や想定外の支出もイメージします。生活設計にあたっては収支のバランスを意識し、資産形成も検討します。


ベテランから老後の時間は現役時代の労働時間に匹敵する長い時間です。セカンドライフの生活設計は「経済力」「健康」「生きがい」3つが充実していることがポイントになります。


3 金融経済の理解と金融商品の利用
金銭トラブルが発生しないためにも、金融経済の理解が必要です。消費生活と契約、金融商品、保険でカバーすべき内容、ローン・クレジットの注意点、資産形成商品のリスクとリターン、分散投資、長期運用効果の理解などです。中堅まで 公的・私的年金を理解します。金融商品は自分にあった組合せ(ポートフォリオ)が必要です。


ベテランから 資産寿命の延伸には、運用しながら取り壊すことも有効です。資産の一部は生前贈与も考えましょう。


4 外部の知見活用
金融商品を利用するにあたり、第三者のアドバイスを適切に活用します。 全世代に共通しますが、ポンジ・スキーム(投資詐欺の一種で、運用せずに投資家から集めた資金を配当として支払う仕組)やSNSなどの投資詐欺に注意しましょう。専門家への相談も選択肢のひとつです。



■ 年代別教材・コンテンツの紹介
【高校生向け】
これであなたもひとり立ち:収支管理・住居・悪質商法・資産形成など
資産形成タイムトラベル:過去に投資していたらどうなった?を体験
動画教材「姫様・若殿シリーズ」:時代劇風で投資信託やJ-REITを学ぶ
マンガで学ぶお金の知識:社会と経済の関わり、借入、リスク管理など
【大学生・若手社会人向け】
サクサクわかる!資産運用と証券投資スタートブック:証券投資の基礎、NISA・DCの仕組み
【一般・シニア向け】
iDeCo+解説動画:制度概要や導入メリットの理解
金融知識入門シリーズ:住宅ローン・相続などをマンガで学習
人生100年時代 始めようお金の準備:老後資金や制度活用法を解説
まとめ
ライフステージごとに「お金との付き合い方」は変化します。今の自分に合った金融リテラシーを身につけ、未来の安心と豊かさを築く力を育てましょう。