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お盆の帰省で「納骨はまだ?」。納骨費用は定価がなく、施設ごとに確かめて選ぶ

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お盆の帰省で「納骨はまだ?」。納骨費用は定価がなく、施設ごとに確かめて選ぶ
お盆の帰省で「納骨はまだ?」。納骨費用は定価がなく、施設ごとに確かめて選ぶ

お盆の帰省で、実家に遺骨が残ったままだと気づくこともあるでしょう。納骨に法的な期限はありませんが、費用に全国共通の定価もなく、施設や契約によって大きく異なります。納め方や管理料、将来の扱いをどう確かめるか、費用が足りないときに利用できる制度とあわせて家計目線で整理します。

納骨に期限はなし。ただし墓地以外への埋蔵は罰則の対象

納骨は、火葬が終わったあとの遺骨をお墓や納骨堂に納めることです。いつまでに納めるという法的な決まりはなく、準備が整うまで待って差し支えありません。

注意したいのが、費用を抑えたいあまり自宅の庭などに遺骨を埋めてしまうケースです。墓地、埋葬等に関する法律は、墓地として許可された区域以外に焼骨を埋蔵することを禁じており、同法第二十一条は違反者を「二万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する」と定めています。

さらに重いのが刑法第百九十条で、「死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、三年以下の拘禁刑に処する」と定められています。なお「懲役」という刑は現在ありません。刑法等の一部を改正する法律(令和4年法律第67号)により、令和7年6月1日から懲役と禁錮は廃止され、拘禁刑に一本化されています。ただし、施行日より前の犯罪には、改正前の懲役・禁錮が言い渡される場合があります。

散骨も、自治体によっては条例などで場所を制限している地域があります。自己判断で処理するルートは、費用を抑える手段としては最初から外すのが安全です。

納骨費用に定価はなし。施設と契約ごとに確認

納骨にいくらかかるかは、一律には決まりません。全国共通の定価や算定式はなく、同じ「納骨堂」でも施設によって金額はまったく違います。

確かめたいのは、納め方(他の方の遺骨と一緒にする合葬か、一定期間は個別に安置するか)、個別に置ける期間とその後の扱い、取り出しや改葬の可否、墓標の有無、料金と管理料です。これらは施設・契約ごとに異なります。「合葬だから安い」「個別だから高い」と一般化せず、施設の規約で確認してください。

気になるのが運営主体です。厚生労働省の衛生行政報告例によると、令和6年度末現在で全国の納骨堂は13,853施設あり、うち地方公共団体が経営するものは760施設、宗教法人が10,244施設、公益社団・財団法人が115施設、その他が2,734施設です。地方公共団体が経営する施設は、宗教法人が経営する施設より少ないとわかります。

「どこに納めるか」の差が最もはっきり出るのが、公営墓地の永代使用料です。土地の使用権にあたる費用で、「公営だから安い」とは限りません。

お盆の帰省で「納骨はまだ?」。納骨費用は定価がなく、施設ごとに確かめて選ぶ

※東京都霊園使用料・管理料・手数料一覧表(令和8年4月1日現在・改定後金額)より作成。

同じ都立でも、最も低い八柱と最も高い青山とでは金額の桁が変わります。「公営かどうか」ではなく「どこの公営か」まで見る必要があります。ただし公営墓地は募集の時期や居住地の条件を設けている場合があり、使用料が魅力的でも申し込めなければ選択肢になりません。

お墓を持たない供養と、決める前の確認事項

お墓を持たずに供養する方法もあります。骨壺をそのまま自宅に置く手元供養では、ミニ骨壺やペンダントタイプもあります。ただし手元供養は「終わり」ではなく、自分が管理できなくなったときに遺骨をどうするかを決め、周囲に伝えておくことが欠かせません。

ほかにも、粉状にした遺骨をまく散骨、遺骨を寺院に送る送骨、スタッフが自宅まで受け取りに来る迎骨、宗派の本山に納める本山納骨、遺骨で仏像を作る骨仏があります。費用は方法や施設で幅があるため、金額は個別に確認してください。故人を偲ぶよりどころを残したいなら、遺骨の一部を手元に置く分骨もあります。その分骨を将来ほかのお墓や納骨堂に納めるときは、火葬場や墓地の管理者が交付する証明書(分骨証明書)が要ります。

選ぶ前に必ず踏んでおきたいのが、家族や親族への相談です。ひとりで決めて事後報告になると、費用の話が感情の話にすり替わります。契約では、個別に安置される期間とその後の扱いを確かめましょう。寺院運営の場合、入檀の要否や入檀時の費用、年会費・護持会費の有無と頻度、法要時の費用は寺院・契約ごとに異なるため、事前に確認してください。

納骨費用が足りないときに当たる順番

費用が用意できないとき、当たる先には順番があります。まず故人の預貯金、次に公的な給付や扶助、それでも足りなければ借りる、という流れです。

故人の口座が凍結されると、預貯金は相続の手続きを経なければ引き出せません。ただし、その手続きには誤解があります。「遺言書は家庭裁判所で検認してもらう」と説明されますが、民法第千四条第2項は「前項の規定は、公正証書による遺言については、適用しない」と定めており、公正証書遺言に検認は要りません。法務局の保管制度で保管された自筆証書遺言も、検認は不要です。相続税の申告期限も「亡くなってから10か月」と覚えられがちですが、相続税法第二十七条が定める起算点は「その相続の開始があつたことを知つた日の翌日から十月以内」です。

納骨費用として現実的に効くのが、民法第九百九条の二の仮払い制度です。遺産分割前でも共同相続人が単独で預貯金を引き出せますが、「1金融機関につき150万円まで」と「法定相続分の3分の1まで」の選択ではありません。条文は「遺産に属する預貯金債権のうち相続開始の時の債権額の三分の一に第九百条及び第九百一条の規定により算定した当該共同相続人の相続分を乗じた額」を単独で行使できるとしたうえで、その額に「預貯金債権の債務者ごとに法務省令で定める額を限度とする」という枠を重ねています。法務省令が定める額は150万円で、原則の額に金融機関ごと150万円の天井が重なる二段構えです。

次に公的な給付です。亡くなった方が協会けんぽや組合健保、共済組合に加入していた場合、埋葬料や埋葬費などの給付が出る場合があります。協会けんぽでは、申請期限は埋葬料・家族埋葬料なら死亡年月日の翌日から2年、埋葬費なら埋葬年月日の翌日から2年です。

葬祭扶助は、困窮のため最低限度の生活を維持できない方に対して行われ、納骨その他葬祭のために必要なものも対象に含まれます。亡くなった方に葬祭を行う扶養義務者がいない場合などに、葬祭を行う人が対象となる仕組みもあります。上限額は「生活保護法による保護の基準」の別表第8に定められており、令和8年4月1日適用の基準額は次のとおりです。

お盆の帰省で「納骨はまだ?」。納骨費用は定価がなく、施設ごとに確かめて選ぶ

※生活保護法による保護の基準(昭和38年4月1日厚生省告示第158号)別表第8・令和8年4月1日適用より作成。

葬祭に要する費用が基準額を超える場合、火葬や遺体の運搬に要する費用が定められた範囲で加算される仕組みもあります。利用できるかは困窮状況などの条件で決まるため、福祉事務所に確認してください。それでも足りなければ、お墓や葬儀に目的を限ったローンや石材店のローン、フリーローンを検討します。商品ごとに金利も使える範囲も異なるため、対象範囲を必ず確認してください。

墓じまいで費用を膨らませないために

墓じまいも費用は区画の面積や石の使用量で変わり、一律ではありません。まず当たるのは、お墓がある自治体です。無縁仏を増やさないため補助金や制度を設けている自治体があり、制度が無くても、使用期間が短いなどの事情があれば使用料の一部が返還されることがあります。

次に、複数の石材店から相見積もりを取ります。ただし民間の霊園や一部の寺院墓地では石材店が指定されていることがあります。指定業者の有無だけで判断せず、業者数や業者を選べるか、相見積もりや工事範囲を、墓地管理者の規約で確認してください。見落としやすいのが寺院との関係で、これまでの感謝を込めたお布施として「離檀料」を求められることがあります。急に結論から伝えるのではなく、お墓の管理が難しいという現状を伝えるところから相談を始めるのが賢明です。

納骨費用は、確かめて選ぶ。困っても順番がある

納骨にいくらかかるかは、相場の一行では決まりません。定価や算定式はなく、費目と条件は施設・契約ごとに違います。だからこそ、施設の規約を一つずつ確かめるのが近道です。資金が足りなくても、仮払い制度や社会保険の給付、葬祭扶助という道が借入の手前にあります。焦って墓地以外に遺骨を埋めれば、罰則という別の負担を背負います。まずはお墓がある自治体と、故人を思う親族に相談するところから始めてください。

《編集部》
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執筆者: 編集部 編集部

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