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「教育資金作り≠学資保険」 超低金利時代で薄れる学資保険の魅力

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  ご家庭の大きな支出のひとつとして教育資金があります。昨年の政権交代により、金融緩和を打ち立てた政府や日銀ですが、この金融緩和によって教育費の準備の方法も今まで以上に考えなくてはならなくなりました。
 
  何故かというと、未だ多くのご家庭で教育資金の準備として利用されているのが、保険商品の学資保険だからです。

  日銀の金融緩和により大量の長期国債が買われる事になりました。大量に買われる事により長期金利が下がります。この影響で今年の4月から各生命保険会社の予定利率という保険商品の利回りを下げる事になりました。

  予定利率が下がると保険商品で運用する場合の利回りが低下する他、保険料も上がります。今年4月からの予定利率は1%とした保険会社が多いようです。

  20年以上昔は、子供が生まれたら学資保険に加入するのが常識という時代がありました。その当時は現在ほど金融商品が多くない事もありますが、利回りも高い時期だったので、多くの方が学資保険に加入されていたのです。

  ちなみに10年以上20年以下の商品では1976年3月から1985年3月までは5.5%、1985年4月から1991年3月までは6%と高度成長期とバブル期は非常に高い予定利率だったことが分かります。

  こういった金利は固定金利といい、契約した当時の金利がずっと続くので、この時期に学資保険に加入した方は大きな恩恵を受けたと言えます。

  しかし失われた20年と言われる低成長の時期は金利が下がり、今では超低金利となってしまい、金利の低い商品で、しかも低い金利が固定されている商品に魅力が果たしてあるでしょうか?

  現在では、学資保険の代わりに低解約返戻金型終身保険といった保険料払い込み期間は解約返戻金が低く設定されており、保険料の払込期間が終わると返戻金が払込保険料よりも多くなる商品で準備をされるケースも増えてきました。ただ、この方法でも学資保険と同等のリターンは望めません。

  こうした低金利の時期には、将来の金利上昇も見据えた商品選択が必要です。現在は金融商品が多様化しており、選択肢は広がっています。目的に合わせた金融商品の選択が必要ではないでしょうか?

《完山 芳男》
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完山 芳男

完山 芳男

独立系FP事務所 FPオフィスK 代表 米国公認会計士(ハワイ州)、日本FP協認定CFP(国際上級資格)、1級ファイナンシャルプランニング技能士(国家資格) 慶応義塾大学商学部卒業。大手自動車メーカーや外資系企業等の経理財務部勤務を経て、カリフォルニア大学バークレーへ1年間留学し、ファイナンスを履修。帰国後、米系・欧州系企業において経理責任者を務める。2004年愛知県名古屋市にて、独立系FPとして事務所を開所し現在に至る。 寄稿者にメッセージを送る

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