※本サイトは一部アフィリエイトプログラムを利用しています

注目記事

第3の投資選択(4) 「ゆったりした資産形成法」のデメリット

コラム コラム
第3の投資選択(4) 「ゆったりした資産形成法」のデメリット

 過去3回にわたって資産の分散と時間の分散を組み合わせた「ゆったりした資産形成法」のメリットを強調してまいりましたが、どんな投資スタイルも良いことばかりではありません。今回はこのテーマの最後にあえて「ゆったりした資産形成法」のデメリットを取りあげてみたいと思います。

<インデックス投信のデメリット>

(1)地味な投資であまり面白みがない

 マーケットのほぼ全銘柄を決められた方式で機械的に購入していくので楽な反面、自分の相場観を反映させて投資判断をすることができにくいので退屈です。

 インデックス投信は時価総額が大きい銘柄によって変動するので、小型株の多い新しい成長業種の株価が上昇しても価格にはあまり反映されないことがあります。

(2)大きなリターンは期待しにくい

 ハイリスク・ハイリターン型の株式投資の中でもインデックス投信はリスクをかなり抑えている反面、リターンもそれだけ限定されたものになってまいります。したがって大きなリターンを期待する投資家には物足りないかもしれません。

<ドル平均法のデメリット>

(3)短期志向の投資家には向かない

 ドル平均法が真価を発揮するには通常10年以上とかなりの長期間にわたって投資をする場合です。したがって短期や中期で成果を期待される投資家にはそぐわない投資スタイルです。

(4)上昇相場の成果が実感できにくい

 一定期間ごとに買付していくので株価の上昇が続くと平均買付単価が徐々に高くなり、リターンもそれだけ小さなものになります。長い上昇相場が続く時期には平均買付単価も高くなっていくので、自分の投資成果は期待したほどではないこともあり得ます。1989年12月までのバブルのピークまではそのような時期だったと思います。

 以上を総括しますと、「ゆったりした資産形成法」は比較的短期間に株式投資の醍醐味を追求したい方には地味で面白みのない投資なのでお勧めできません

 一方リスクを最小限に抑えた株式投資を希望される長期投資家には最適です。資金的余裕がなく将来に備えて資産形成を目指している若い方には大変有効な手法だと確信しております。(執筆者:須原 國男)

《須原 國男》
この記事は役に立ちましたか?
+0

関連タグ

須原 國男

須原 國男

スハラFPコンサルタント代表、NPO法人「老いじたくあんしんねっと」会員 1968年慶応義塾大学卒業後、大和証券に入社。ノースウエスタン大学経営学部、大学院修了後に東京本店および海外店で日本株・外国株の推進業務に従事、その後大和総研に転籍して取締役として証券リサーチ業務に従事した。2009年より独立系ファイナンシャルプランナーとして活動している。得意分野はライフプラン、資産形成・資産運用及び遺言・相続問題のアドバイスで、個人相談、講演、執筆に従事している。 <保有資格>:シニア・プライベートバンカー(2019年12月時点で認定者は123名のみ)、日本証券アナリスト協会検定会員、CFP、第一種証券外務員資格(現在未登録)、宅地建物取引士(現在未登録)、MBA 寄稿者にメッセージを送る

今、あなたにおススメの記事

特集