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年金生活の節約 見過ごしがちなのに意外と削れる三大支出

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年金生活の節約 見過ごしがちなのに意外と削れる三大支出

この記事の最新更新日:2020年11月25日

年金だけで生活していこうと思うと、現役時代よりも支出を減らさなくてはなりませんが、生活水準を落とすというのは簡単なことではなく、結局は預貯金を切り崩しながら生活しているという人も少なくありません。

しかし、老後には医療費や介護費がかさんだり、自宅の修繕費がかかったりと、まとまったお金を残しておくことも大切です。

そこで、今回は年金生活をされている方におすすめしたい節約法として、「意外と削れる支出」について紹介したいと思います。

生命保険料、払いすぎていませんか?

年金生活が始まったら、まずしていただきたいのが生命保険の見直しです。

死亡保障が過剰

一般的な家庭の方であれば、「死亡したら〇千万円」というような大きな保障が必要なのは就学前や就学中の子供がいるうちだけです。

葬儀費用が出せる程度の貯蓄があれば、死亡保険そのものが必要ありません。

「安いから」という理由だけで掛け捨ての保険に加入している方も多いのですが、たとえ月3,000円の支出でも、無駄なものは「無駄」なのです。

また死亡後は預貯金口座が凍結され、遺産分割が成立するまでは引き出しができないため、遺産分割に時間がかかると、葬儀費用のために故人が残したお金を必要としている方に、なかなか渡りません

そのため特定の方に対して、「確実に葬儀費用を渡したいから」という理由で、掛け捨ての保険に加入している方もいるようです。

預貯金の仮払い制度

「預貯金の仮払い制度」が創設されたので、2019年7月以降はこの制度を利用すると、遺産分割が成立する前でも、各相続人は故人の預貯金口座から、一定額までなら引き出せます

引き出せる金額の上限は、1金融機関あたり150万円になるため、保有するお金をいくつかの預貯金口座に分け、通帳などの保管場所を特定の方に伝えておけば、掛け捨ての保険に加入しなくても、確実に葬儀費用を渡せると思います。

※相続対策として死亡保険に加入しているという人や、お宝保険(1990年前半まで販売されていた、予定利率が高い貯蓄型保険)に加入しているという人は別です。

※葬儀費用は全国平均で200万円程度。直葬であれば30万円もあればできます。(菩提寺とも相談なさっておくと良いでしょう)

※葬儀費用を補助するために国民健康保険からは、5~7万円程度の葬祭費が支給され、原則75歳から加入する後期高齢者医療からは、3~7万円程度の葬祭費が支給されます(いずれも申請期限は葬儀の翌日から2年です)

医療保険の必要性

医療保険に加入していても、多くの場合収支はマイナスになります。

特に持病があっても入れる医療保険は、保険料が高いうえに、契約から一定期間は給付金が削減される場合が多いので、その傾向が強くなります。

70歳以上の一般所得者の場合、高額療養費制度により1か月の医療費の限度額は、次のように5万7,600円です。

食事代などを含めても1か月あたり10万円程度用意できるのであれば、預貯金で対応できます。

また住民税非課世帯に属する方が、入院する前に申請して、「限度額適用・標準負担額減額認定証」の交付を受けておくと、1か月の医療費の限度額は2万4,600円か1万5,000円です。

食事代も一般所得者より安くなるため、用意する預貯金を更に抑えられます。

生命保険はプロに相談

できれば、保険会社ではなく、顧客からのフィー(相談料)で生計を立てている独立系FPに相談した方が、確実なアドバイスがもらえるでしょう。

社会福祉協議会が実施している貸付制度を利用すれば、無利子または民間より低金利で、お金を借りられます。

そのため高額療養費制度を利用しても、医療費を賄えない可能性がある場合については、お近くの社会福祉協議会に相談することをおすすめします。

なお全日本民主医療機関連合会は低所得者などを対象にして、無料または低額な料金で一時的に診療を受けられる、「無料低額診療事業」を実施しております。

経済的な理由で診療を受けられない場合については、この制度に取り組んでいる、お近くの病院や診療所を探してみましょう。

医療費がかかりすぎていませんか?

年齢を重ねるほど、医療費もかさんでくるものです。しかし、不要なものにまで医療費を払っていないでしょうか?

入院時の差額ベッド代

差額ベッド代とは、個室に入ったときにかかる費用ですが、「大部屋に空きが無いので個室に入れられた」という場合は支払う必要はありません。

ジェネリックを希望すれば節約に

ジェネリックとは、特許が切れたあとに発売された医薬品のことで、安全性や効果は普通のお薬と変わりません。

お薬をもらうときに、「ジェネリック医薬品」を希望すれば、薬代が半額近くになることもあります。

活用できていない薬はありませんか?

医療費負担が1割だから、と頻繁に病院に通っている人も多いのですが、病院で処方された薬、ちゃんと飲めていますか?

処方された薬の種類が多いと飲み忘れることもありますし、薬をちゃんと飲まないから体調が戻らない、体調が戻らないからまた病院に行って薬をもらってくると悪循環です。

薬の数が多くなりすぎている方は、一度お医者さんに現状を相談してみましょう。

ご自宅に溜まっている薬も持って行くと、適切なアドバイスをもらえます。

通信費は節約できます

通信費も節約してみましょう

通信料の見直しは生命保険の見直しと同じぐらい面倒なものですが、一度見直してみてください。

外でインターネットの閲覧やメールをしたり、LINEを使っていない方なら、ネットは自宅のパソコンのみにして、携帯電話は通話をメインで使う方向けの安価なプランにすることで数千円の節約になります。

格安スマホに乗り換えることで通信料が節約できます。

店舗のある格安スマホも増えてきたので、お店で相談して、今の価格と比較してみるとわかりやすいです。

賢く節約してより充実したシニアライフを

今問題になっている「老後破たん」を防ぐためにも、節約は必要です。

しかし、実際には食費や水道光熱費の節約だけに終始してしまい、「生命保険料」や「医療費」、「通信費」が手つかずになっている方も少なくありません。

生命保険料と通信費に関しては一度見直しすればずっと節約になりますし、医療費も、節約のポイントをおさえておけばこれ以上ムダなお金を使うことがなくなります。

必要なモノを削ってまで節約してしまう前に、まずは他に無駄な支出が無いか家計を点検してみてください。(執筆者:吉見 夏実 監修:社会保険労務士 木村 公司

《吉見 夏実》
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吉見 夏実

吉見 夏実

1984年生まれ。お金を貯めるのは好きだが同様にお金を使うことも大好き。好きなものを買うために普段はムダ遣いを排除し、シンプルライフを徹底。専業主婦時代には食費月1万円を実践、年間貯蓄額200万円を継続中。お金の使い方やダイエットにも断捨離の考えを取り入れ、無駄なくかつ楽しく豊かに生活する方法を模索中。メディア掲載:日経WOMAN、週刊SPAなど 寄稿者にメッセージを送る

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