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安価な青魚の缶詰

サンマやイワシ、サバなどの缶詰は100円から200円前後で販売されています。
缶詰の魚は生の魚に比べて栄養価が落ちるのではと思いがちですが、とりたての新鮮な魚を熱処理してあるため、むしろ栄養価が高いといえます。
魚に含まれる脂肪は、網焼きにすると溶けだしてしまったり、干物は鮮度の良いものでないと酸化の恐れがありまが、缶詰だとそんな心配はありません。
青魚に含まれている不飽和脂肪酸のEPAやDHAはコレステロール値を下げてくれることが分かっています。
節約と健康のためにも青魚の缶詰を食卓にのせましょう。
青魚のEPAとDHAの働き
EPAは血液の凝固を抑制する働きがあります。
EPAを多く含む魚はサバ、マダラ、マイワシ、スズキ、マダイ、ホンマグロなどです。
DHAは脳の神経機能の発育や維持に関わっていて、DHAが不足すると学習能力や記憶力に影響があると言われています。
DHAを多く含む魚は、カツオ、ホッケ、ホンマグロ、ブリ、サンマなどです。
また、さけの色素アスタキサンチンにもEPAとDHAが豊富に含まれています。
アスタキサンチンは抗酸化力がとても高く、高コレステロールや高中性脂肪に効果があるだけでなく、認知症予防にも効果があると言われています。
コレステロールを減らす不飽和脂肪酸

不飽和脂肪酸は、青魚に多く含まれます。
油脂類には動物性脂肪と植物性脂肪があります。
バターやラードなど常温で固形化する動物性脂肪には、コレステロールや中性脂肪を増やす飽和脂肪酸が多く含まれています。
一方、オリーブ油やなたね油などの植物性脂肪は、コレステロールを減らす働きを持っています。
動物性脂肪と植物性脂肪はバランスよく取ることが大切なのですが、高コレステロール気味の人は、不飽和脂肪酸を含む青魚から動物性脂肪を摂取することが望ましいようです。
サンマやイワシなどの青魚に含まれているEPAとDHAが不飽和脂肪酸ですが、この不飽和脂肪酸に、肝臓でコレステロールの生成を抑えて血液中のコレステロールを減少させる働きがあるようです。
昔は大衆魚として安価に手に入った青魚も、今は意外と値段が高くなってしまいました。
この不飽和脂肪酸は、缶詰からも摂取することができます。
EPAとDHAを効率よくとる方法
青魚に含まれるEPAが痩せるホルモンを出す細胞を刺激して痩せられると話題になってから、しばらく店頭からサバの水煮缶が姿を消したことがありましたが、今ではどこのお店でも見かけるようになりました。
EPAやDHAはサバの水煮缶だけでなく、イワシやカツオ、サケなどの水煮缶でも同じように摂取することができます。
缶詰が苦手という方も、調理次第で美味しく頂くことができます。
サバの水煮缶の汁はきっておく(汁はスープなどに利用する)
ショウガのみじん切りとともに、フレーク状になるまで炒めて砂糖、酒、醤油を大さじ各1杯を加えてさらに炒め、好みで七味やゴマを加えます。
おにぎりの芯にしたり、炒り卵とともにそぼろどんぶりにします。

米2合をといで、ゴボウのササがき、醤油大さじ3杯、サケの水煮缶を汁ごと、だし昆布を入れて炊きます。
ゆでたパスタとイワシの味付け缶詰をまぜるだけです。
イワシの缶詰は適度な脂分と味がついているので、和えるだけでOKです。
ねぎの小口切りをたっぷりのせて頂きます。
節約おかずの代表選手のように言われてきた安価な青魚の缶詰は、EPAとDHAを効率よく摂取できる薬的な食材だったのです。
プライベートブランドの缶詰だと100円前後で手に入ります。
常温で保存でき、いざというときには非常食にもなる安価な缶詰を見直しましょう。(執筆者:志水 恵津子)