以前のコラムでご紹介した東京某所に購入した格安戸建て。

リノベーション工事が5月の末に始まりました。

賃貸物件でのリノベーションは経験がありますが、実際に自分が住む家のリノベーションは初めてです。

築40年の築古戸建ては、果たして理想どおりの我が家に生まれ変わるのでしょうか。

解体して暴かれるさまざまな問題

まずは、「こうしたい、ああしたい!」とプランを考えながら、完成形を図面に起こしていきます。そして、図面の具現化に向け工事が進められていくことになります。

ところが、当初のプランがそのとおりに具現化するか、それは解体してみないと分からないと言うのです。

つまり、工事が想定どおりに進捗しさえすれば、自分の理想とする家に生まれ変わるということなのですが、そうは問屋が卸さないというのが現状でしょう。

案の定、いざ解体してみると多くの問題が見つかりました

隠れた場所から柱が出てきたり、建物の強度に影響を与えかねない基礎や柱などの問題が見つかったり、数々の隠れキャラが出没する廃墟のような状態に。

強度上の問題はコンクリートや新たな梁などで補強することになったものの、認知されていなかった柱の存在は設計していた間取りに大きな影響を与えます。

プラン変更をするしかありません

その柱を抜くことができないとなると、プラン変更をするしかありません。

我々の場合、図面上の変更は少なかったものの、予定していた配置に家具を納めることができなくなってしまいました。そのため、キッチンのサイズおよび仕様の変更を余儀なくされることに。

リノベーションはオールマイティーではない!

新築住宅の価格高騰を背景に、新たな選択肢として脚光を浴びつつある中古住宅のリノベーション。

フルスケルトンの状態から始められるマンションの一室であれば理想に近い完成形を期待できます。

しかし、戸建てリノベーションの場合は、ご紹介したような想定外の事態に対して心の準備をしておく必要がありそうです。

いっそ、柱のみを残したスケルトンの状態にしてしまった方が安く済むかも…

使えるものを生かしつつリノベーションでカッコよく生まれ変わった我が家を想像するとワクワクしますよね。

しかし、そのような工事には手間と時間が掛かり、その分費用もかさんでしまいます。

「こんなはずじゃなかったのに…」

そんな思いをしないためには、メリットとデメリットを考慮しつつどこをどうリノベーションするのか、工務店と一緒に考えてみてはいかがでしょう

テレビ番組でよく目にする古さを生かしたこだわりのリノベーションには、相応のリスクがあったんですね。(執筆者:内田 陽一)