マイホームを持つと、建物に火災保険をかけるのが一般的。
保険金額は建物価額となりますが、マンションは土地(敷地利用権)と建物がそれぞれいくらなのか、一見わかりにくいものです。

しかし、購入金額と消費税額がわかれば、建物価額を求めることができます。
土地(敷地利用権)には消費税はかかりません。
ですから、税額120万円は建物にかかるもの。
よって、
(1) 120万円(消費税額)÷ 8%(消費税率)= 1,500万円
(2) 1,500万円 × 1.08(消費税率)= 1,620万円(建物価額)
と、順に計算していけばわかります。
目次
マンションの場合、建物価額 = 保険金額とは限りません
マンションには専有部分と、エントランスや廊下等の共有部分があります。
共有部分はマンションの管理組合で保険契約をするのが一般的。
となると、火災保険に加入する際には、専有部分だけを対象とすれば十分とも言えます。
※専有部分の価額は、マンションごとに定められている境界基準に応じて評価額が算出されます。
境界基準には「上塗基準(うわぬりきじゅん)」と「壁芯基準(へきしんきじゅん)」があり、マンション管理規約等により確認することができます。
上塗基準
専有部分と共有部分の境目を壁、天井、床等、上塗り部分を含めた部屋の内側とするもの。
壁芯基準
専有部分と共有部分の境目を壁、天井、床等の真ん中とするもの。
ある日、なんとなく火災保険証券を見たAさん。共有部分も保障の対象となっていることを発見!
マンション住まいのAさんは、保険期間25年の火災保険に加入し、約5年たちました(2015年10月以降、長期契約は最長10年までとなりました)。
保険金額は2,000万円で、契約時に約21.6万円の保険料を一括で支払いました。
マンション管理組合で共有部分に保険をかけているので、その部分の保障を除外するよう代理店に伝えていたものの、あらためて証券を確認してみました。
すると、そこには「保険対象部分は共同住宅(専有 + 共有)」と表示されているのです。
「専有 + 共有」から「専有のみ」に変更し、保険料が戻る
この事実に気がついたAさんは、残りの約20年間を専有部分のみの保障に変更してもらうよう、代理店にお願いしてみました。
共有部分を解約することで、保険金額も2,000万円から1,000万円へ。
それにより、契約時に一括で払った保険料の一部、約8.8万円ものお金が戻ってくることになったのです(住宅ローンを組み、質権が設定されている場合は、金融機関の了解が必要となります)。
ちょうど電化製品の購入を考えていたところだったそうで、良かったですね。

最後に
このように、マンションを購入して火災保険に加入する際、管理組合が保険に加入しているにもかかわらず、共有部分にも保障をつけているという方もいらっしゃるかもしれません。
ご自身の保険証券を再確認してみることをお勧めいたします。(執筆者:横井 規子)